究極カーヴ01
この特訓でマスターした変化球。
その名を究極カーヴ01という。
‥‥だせぇ。
非常にダサい。やたらと究極とか付けちゃうあたり、もう救えない。鳥肌立っちゃう。
カーブの「ブ」をあえて「ヴ」にしているのもだせぇし、なんだ、最後の「01」は?意味わからんわ。
ダサい通り越して、もはやウザいレベルだよ。
しかし、その絶望的なダサさに反して、この究極カーヴ01はえげつない変化球なのだ。
まず究極カーヴ01は、その球速、変化量を自在に変えることができる。
最速は141キロ(変木のストレートの最速と同じ)最低速は80キロまで。変化量もMAXの7から最低の1まで自由自在だ。
僕が変木に言った「緩急差がないと打者は抑えられない」をカーブ一つで解決するために編み出したとの事。
これにより、ピッチングの幅が劇的に広がった。
さっきの小梅に対するピッチングも、初球は以前投げていたスローカーブ。球速は約100キロ前後、変化量はおそらくMAXの7。
二球目は球速約130キロ後半、変化量は同じ7。三球目は球速は同じ130キロ後半だが、変化量は3程度に抑えられていた。
もはや変木はカーブしか投げられないピッチャーなのではない、ありとあらゆるカーブを投げられる唯一無二のピッチャーなのだ。
王道を嫌い、自らの道を進み続けた男が咲かせた大輪の花。
それが、究極カーヴ01なのである
「ふん、今のはきゅうしつをみるためのこてしらべ。つぎからはほんきだす!なのです!!!」
似たようなセリフをどこかで聞いたことがあるんだが‥‥
なにか、とてつもなく嫌な予感がする‥
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「こ、こんにゃろー!!!」
ブォオオオオオオオオン!!!
バシーーン!
ストライク、バッターアウト!!!
これで三振は9つ目。小梅のライフは残り1となった。
ありとあらゆる球速、変化量のカーブを投げ込まれ、全く対応できていない。打てる球もあせって凡打してるし、こりゃ進退窮まったか‥‥
三振した小梅が僕の方へと振り返る。
うっ‥またぐじゅぐじゅだ
「‥ひっく‥ますたぁ‥ひっく、ばっとにね‥ひっく、ぼーるがあたらないよぉ‥ひっく」
ああ‥
デジャブだ。完全なるデジャブ。録画かと勘違いするレベルだよ。
「変木さん‥ちょっと、いいですか?」
変木は一つも嫌な顔をせず
「おう!思いっきり励ましてこい!!!しかし‥泣いてる顔も可愛いな。いや、むしろ泣いている顔の方が‥‥」
うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!やべぇえよこいつ!!!!!
ちょっと一緒に練習して仲良くなってたから油断してたけど、こいつほんまもんの変態さんだった!!!!
まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい!!!!
なんとかせねば!絶対に確実に、なんとかせねば!!!
「小梅!ちょっと、こっちこい!!!」
「ふ、ふにゅう‥‥」
ぐじゅぐじゅの小梅を呼び寄せる。ぽてぽてと近寄ってきたところに
コツン!
「あいた!?にゃ、にゃにするのーますたぁ‥」
「こうなったのも全部お前が悪いんだからな!こんな勝負簡単に安請け合いしやがって。なにが『おんなにはリスクをしょってでもたたかわなければならない時がある』だ!このばかたれっ!!悪ノリもたいがいにしろっ!」
「ひっく‥ひっ‥ご、ごめんなさぁああああああい!うわあああん!!!」
ひしっ!と僕に抱きついてきた。
本当にしょうがない奴だ。だが、こんな可愛い駄目っこどうぶつをあの変態に渡すわけにはいかない。
なんとしても、どんな手を使ってでも。
「反省してるならいい。それより小梅、最後の打席なんだがな‥」




