史上最強打線
「1回裏、泡沫の夢高校の攻撃は、1番、ライト、ヒデローくん。背番号9」
「何よ、ヒデローって?頭おかしいんじゃないの?」
マウンド上でルナちゃんが毒づいた。
まあ、そうだよな。普通に考えれば、そうなるよな。
む、胸が‥‥いちゃい。
名前の由来は、勿論、あの選手だ。それに僕の本名を掛け合わせた。
この名前を思い付いた時、自分のネーミングセンスの良さに戦慄したのだが、今改めて客観的に見ると黒歴史でしかないな。はづかしっ‥‥
ヒデローの能力だが
左打ち
ミート A
パワー A
走力 A
肩力 A
守備 A
そう、ヒデローは僕が初めて作ったオールAの選手なのだ。
熱プロ好きなら誰しもが目指すオールA選手の育成。こいつが出来上がったときの喜びは今でも覚えている。
本人ソックリのルーティーンを決めて、ヒデローが打席に入った。勿論、打ち方は振り子打法だ。
「‥‥‥‥チッ、構えだけはいっちょまえね。ただ、中身はどうなのかしら」
ルナちゃん、大きく振りかぶり、第一球を‥‥投げた!
バシーーーーーーーーーン!!!
ストライーーーク!
ヒデローは微動だにせず。
いやーな見逃し方だな。ルナティックミサイルの軌道をしっかり測られた、そんな感じ。
2球目はカウントを獲るために変化量を抑えたフォークボール。低めのコースに決まってストライク。
しかし、ヒデローまたもや微動だにせず。じっくりとフォークを見ていた。
こいつには追い込まれたら困るとか、そういった不安はないのか?なんだ、この余裕は?ベテラン臭がすごいぞ?
ルナちゃん、大きく振りかぶって、第三球を‥‥投げた!
これは‥‥
ルナちゃんの決め球、高めへのルナティックミサイルだ!
高めのストライクからボールゾーンへホップする魔球
バシーーーーーーン!!!
ボーーール!
さも当たり前のように見送りやがった。
その後、ボールゾーンへ沈むフォークボールも見逃されカウント2―2
「なんなのよっ、めんどくさいわね!さっさと消えなさいよっ!!!」
5球目、ルナティックミサイルを高めへ!
いや、少しコースが甘い!
カキーーーン!
打球は綺麗にセンターへのクリーンヒット。
しかし、多少甘く入ったとはいえホップするストレートを打ち上げることなく綺麗に弾き返すとは‥‥
「2番、セカンド、雨宮くん。背番号4」
雨宮か‥‥こいつの厄介なところは
カツン!
初球をセーフティバント
しかも、三塁線に転がる絶妙なバントだ。
「クッ‥‥なめんなっ!!!」
サード川端、急いで打球を処理し一塁へランニングスロー
だが‥‥‥‥
セーーーフ!!!
そう、雨宮は僕が作った選手の中で最も走塁能力が高い。
能力は‥‥
左打ち
ミート A
パワー D
走力 S
肩力 D
守備 S
まさに、走力で相手を破壊する。
こいつのセーフティを阻止しようとすれば、最低でも肩力C以上なければ刺せない。
機動力破壊兵器、それが雨宮なのだ。
「‥‥っ、ぐぬぬぬぬぬ。なんなのよ、こいつらっ!!!」
ルナちゃんが苛立ちを隠しきれてない。
まずいな‥‥次の打者は
「3番、サード、響くん。背番号5」
身体がでかい。190近くあるんじゃないだろうか‥‥それでいて線が太い。典型的なパワーヒッターだな。
こいつの能力は
右打ち
ミート B
パワー S
走力 C
肩力 B
守備 B
甘く入ったら、確実にスタンドだ。
多少詰まったとしても、強引にスタンドへ持っていくだけの力がある。
ここで、ルナちゃんの悪癖が‥‥
バシーーーーーーン!!!
ボーーール!
バシーーーーーーン!!!
ボーーール!
バシーーーン!!!
ボーーール!
「‥‥‥‥チッ、いい加減、ストライク入りなさいよっ!!!!!!」
ギュイーーーーン!!!
ど真ん中!?ヤバイ!!!
「ふんっがあああ!!!」
ガキィーーーーーーーーン!!!
響、渾身のフルスイング。
打球はものすごい勢いで飛んでいき‥‥‥‥場外へ消えた
しかし、ギリギリレフトポールの外側。大大大ファール
そして、結局‥‥
バシーーーーーーン!!!
ボール!フォア!!!
突発的四球病。
これまでの試合でも何度かはあったが、後続の打者を全て抑えていたため失点には結び付いていなかった。
ルナちゃんは基本的にフォアボールが多い。
今まではそれでも力で抑えられていたが、今日の相手はそうはいかないぞ。
そして、ここで‥‥
「4番、ショート、涼風さん。背番号6」
僕の最高傑作、涼風が、打席へと向かった。




