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野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第1章 ~はじまり、はじまり~
32/78

最終回を抑えろ


僕のソロホームランと小紫のツーランでこの回3点を先取した。



さらに動揺して、このまま崩れるかと思われた西園寺だったが、その後見事に後続を打ち取り3点だけに留めていた。



流石だな、西園寺。敵ながらアッパレだ。張◯もきっと◯ンデーモーニングで褒め称えているだろう。

自分だけの試合では無いことを身に染みてわかっている。この責任感が西園寺をエース足らしめる所以なのだろう。




しかし、3点の援護を得た絶対的エースルナ様は崩れることなく快投を続ける。ルナティックミサイルと切れ味鋭いフォークボールのコンビネーションを未だに熱狂打線は攻略することができずにいた。





そして、試合は最終回。9回表、熱狂高校最後の攻撃を迎える。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「9回表、熱狂高校の攻撃は、1番ライト磯部くん、背番号9」




最終回、熱狂高校は1番からの好打順。

点差は3点ある。が、これは安心できる点差では決してない。




なぜ、プロ野球においてクローザー、もしくは守護神と呼ばれるリリーフエースが必要不可欠なのか?




それは、最終回を抑えることが簡単なことでは無いからだ。




カキーーーーーーーン!!!




ルナちゃんの初球。カウントを取りに行ったフォークボールが若干高めに浮いた。それを逃さずセンター前へ。




「しゃあああああああああ!!!」




一塁上でガッツポーズする相手バッター。やはり、気迫が違う。

最終回は皆、死にもの狂いで襲いかかってくるのだ。負けたらそこで高校野球は終わる。3年間懸けてきた想いを相手は全てぶつけてくる。




「2番、ショート石井くん、背番号6」




ルナちゃん、一塁ランナーを気にしながら

第一球目を投げた!




えっ!?




バッター、バントの構え!

この場面でセーフティか!!!




カンッ!!




ルナちゃんも意表を突かれたようで、スタートが遅れる。




「俺が処理する!」


「私が行くわ!」




ドン!




サード川端とルナちゃんが交錯。

送球できない。





「‥‥わりぃ、赤藤。でも今の打球は明らかに俺だったろ。お前スタート遅れてたじゃねーか。無理に処理しようとしなくても‥‥」




「‥‥‥‥ふんっ。」





まずい、流れが完全に熱狂高校に傾いてる。

クリーンヒットとエラーでノーアウト1、2塁。

まずはワンナウト何としても取らねば‥‥




「3番、ファースト駒田くん、背番号3」




初球、ルナティックミサイルをアウトコースへ。見逃しストライク。

続くフォークボールは見極められ、カウント1―1。

3球目、続けてフォークボールを投げて空振りを奪う。



追い込んでからの、第4球。

ルナちゃんお得意の高めへのルナティックミサイル。

高めのストライクからボールになる最高の決め球だ。



これを、




バシーーーーーーーーーーーーーン!




「ふぅ‥‥アブねぇ。」



バッター駒田思わず安堵する。追い込まれた状況であの球。よくスイングを我慢したな。かなり集中してるようだ。




「‥‥チッ。めんどくさいわね!」




続く5球目。フォークボールを投げるが見逃され、フルカウント。




6球目、ルナティックミサイルを投げ込むが‥‥




バシーーーーーーーーーーーーーン!

ボール、フォア!!!




コントロールしきれず、外に大きく外れた。




「うっしゃああああああああああ!!!」





うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!





相手バッター、相手ベンチ、そして球場も大歓声。

ここまで完璧なピッチングをしていたルナちゃんだったがここに来てノーアウト満塁の大ピンチを迎える。




「‥‥‥‥‥‥チッ、何よ。ただ、フォアボール選んだだけで大喜びしちゃって、バカじゃないの?」




ルナちゃんもどことなく、イライラしているようだ。



最終回、やはりタダでは終わらないのか。

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