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野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第1章 ~はじまり、はじまり~
31/78

お前、本当に高校生か?


西園寺のピンチは続く。




カキーーーーーーーン!




2番土橋、初球のストレートを強振。

しかし、惜しくもサードライナー。だが、かなり当たりは良かったな。西園寺にしちゃ、コースも甘々だった。




続くルナちゃんにはストレートのフォアボール。精密機械と呼ばれている西園寺が一球もストライクをとれない。





‥‥うむ。こりゃあれだな。僕のホームラン、かなりのダメージだったようだな。





あいつ、明らかに僕の事下に見てたみたいだし。ルナちゃんや小紫に打たれたならここまでのダメージにはなってなかっただろうな。

伏兵の一発は得てして、主砲の一発よりも重いものなのだ。





「4番、センター、小紫くん。背番号8」





ここで、我らが主砲。紫色のミディアムヘアーをたなびかせ悠々と打席へ向かう。




「コムさん!」




次打者の緑谷がその背中に声を掛けた。




「ヤっちゃっても、いいッスからね!」




小紫は後ろを振り返ることなく、




「俺を誰だと思っている?」




と、一言呟き打席へと入った。

改めて言おう、お前、本当に高校生か?






小紫と西園寺が睨み合う。さっきまで動揺していた様子の西園寺だったが、小紫相手に怯んでいない。4番を前にして気合いを入れ直したか。流石は熱プロでも一二を争うエースだ。





バシーーーーーーーーーーーーーン!





アウトローギリギリのストレート。

厳しいなあ。そうそう打てる球じゃないぞありゃ。




続く2球目もアウトローギリギリのストレート‥‥かと思いきやそこからボールゾーンへ落ちるフォークボール。




それを‥‥





ブオオオオオオオオオオオオーーーーーン!





凄まじいスイングスピードの空振り。

怖ぇぇ。スイングだけで相手を威圧できるのは、このチームじゃコムとルナちゃんくらいだな。高校通算55ホーマーは伊達じゃないってことか。




しかし、カウントはノーボールツーストライク。

追い込まれたのは小紫だ。

何を投げてくる?まあ、セオリーで行けば一球、体に近い所に投げてから外のフォークか。もしくは‥‥





バシーーーーーーーーーーーーーン!!





予想通り胸元近くにストレートが飛んできた。

小紫、たまらずのけぞる。




そして、視線を交錯させる。バチバチッと音がなってるんじゃないかと錯覚させるほどお互いに睨み合う。必ず抑えてやる、必ず打ってやるという気迫がマウンド間でぶつかり合っていた。




なんだこの熱い展開は?

僕まで身体が火照ってきた。





そして、西園寺。第四球目を‥‥投げた!





ビュイーーーーーーーーーーン!





ん?明らかに外に外れてる。コントロールミスか?

いや、何か違う。これは‥‥




ギュイン!!




曲がりやがった!?もしかして、これが「バックドア」ってやつか!




明らかな外のボールゾーンからストライクを掠めとる魔球。

メジャーリーグではよく使われる球だ。まさか、高校生でここまでスライダーを操るとは‥‥恐ろしい。





流石のコムも見逃しか‥‥






ガキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!






‥‥‥‥‥‥‥‥えっ?






打球はあっという間にライナーでレフトスタンドへ突き刺さった。だめ押しの2ランホームラン。






え、うそだろ‥‥?引っ張った打球ならまだしも、逆方向だぞ?



コム、お前、本当に高校生か?


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