表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第1章 ~はじまり、はじまり~
30/78

か、勘違いするんじゃないわよ


うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!




球場から大歓声が沸く。

ダイヤモンドを回りながら西園寺の様子を伺ったが、かなりショックだったようだな。ただ呆然と打球が吸い込まれたレフトスタンドを見つめている。



種明かしをすると、実は試合で得た経験点と球速をあげるために取っておいた経験点を全てパワーに注いでおいたのだ。

猫野ごときのストレートをスタンドへ運べなかった。あれが地味に悔しくて、勿体ないとは分かっていながらもパワーDまであげちまった。



パワーDもあればインコース高めを強振してスタンドに叩き込める。まあ、僕ほどの熱プラーならな。





ベンチに戻ると、





「尾間加瀬くん!ほんとに、凄い、凄いよ!前からミートは凄く上手いって思ってたけど、ホームラン打てるだけのパワーもあるなんて知らなかった!」


「ああ、全くだ。しかし、あのインハイ。最初から狙っていたな?本当に一年とは思えんな、お前のバッティングは。」


「‥‥ま、まあ、今回だけは認めてやるッス。でも、総合的に見れば俺の方が上ッスから!」




桃香ちゃん、コム、ミドリ。また、メンバー全員が僕の事を褒め称える。



いやぁ、誉められるっていいもんだな。

現実世界では、誉められるなんてめったに無かったし、誉められようと努力することも半ば放棄していたからな。



やはり、人は誰かに評価されることで輝きを放つことが出来る。

そう、考えるとこの変な夢を見る前の僕は本当に腐ってたな。自分の価値を発揮できずに、流されるようにただ毎日を過ごしていた。





そんなセンチな事を思っていると、ダンダンダンと大きな足音を立ててルナちゃんが歩み寄ってきた。





「っ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥!」





「あの‥‥ル、ルナちゃん?」






ルナ様、どうしたの!?

顔を真っ赤にしてぷるぷると震えるルナちゃん。

「大丈夫?」と声をかけようとしたその瞬間






「な・ま・い・きーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!駄犬のくせに生意気よっーーーーーーーーー!!!!!」





うわぁっ!?いきなり吠えた!?

えっ、どったの?ルナちゃん?





「ア、アンタは私の犬でしょ!なのに何で私より目立ってるのよっ!何で私より先にホームラン打っちゃうのよっ!犬は主人を立てるものなの!わかる!?もう、生意気、生意気、生意気、生意気、生意気、生意気、生意気!!!」





「ル、ルナちゃん!?お、落ち着いて?ほら、また僕ドリンク取ってくるから!マッハ5で!」





これはドリンクに鎮静剤をいれねば‥‥。

そう決意してドリンクを取りに行こうとすると






「でも‥‥」





さっきまで興奮していたルナちゃんは、ホッペを赤く染めてうつむきながら






「で‥‥でも、ちょっとだけ、カッコよかった‥‥かな?

か、勘違いするんじゃないわよ!?アンタはただの駄犬なんだから、くれぐれも、たった1発打っただけで調子に乗るんじゃないわよ!いいわね!!!」





そう言い放つと、ダンダンダンと大きな足音を立てながら定位置へ戻っていった。






うーむ。






神様、仏様、ルナ様‥‥

(別の意味で)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ