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野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第1章 ~はじまり、はじまり~
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あれっ!?ここってさあ


「起きるでござるよ!練習に遅刻するでござる!!!」



ん、、、、ごめん、あと12分寝かせて。

一度目覚めてから再度12分間眠るのが、僕のスタイルだから。

なんぴとたりとも、我が生活リズムを崩すことは許さない。



ん?

っていうかさ、あの、、



「のわっあああああああ!誰だ、おまえ!?????」



ベッドを飛び出し咄嗟に距離をとる。

目の前に立っていたのは、へんなデカめのメガネをかけた高校生くらいの少年だった。



まって、状況が掴めない。

よく見たら、ここ僕の部屋じゃあない。



どこだ、ここは?



昨日、間違えて他人の部屋に入って、気づかずにそのまま他人のベッドで寝るというミラクルを起こしたのか?



驚きと戸惑いが入り交じって思考回路ショート寸前♪なその時




全ての時が止まった。




目の前の少年がビタッと動きを停止している。

壁にかけられていた時計も、その針も動きを止めている。



こわい。朝から謎の少年に謎のへや。挙げ句の果てにはタイムストップかよ。




わかった、これ、夢だろ




そう気づいたら、途端に安心した。こんな事が現実で起こるわけないしな。



そう言えば、学生時代に友人が「夢を見ている時に、これは夢だと気づけたならその夢の中でなんでも出きるようになる」って言ってたな。


話し半分に聞いてたけど、今その瞬間が訪れたってか。





ーーー名前を決めてねーーー




ぬ?いま、なんか聞こえたような、、気のせいか?




ーーー名前を決めてねーーー




うん、やはり聞こえるな。てかなんだこの声、どこから響いてんだ?


名前?なんの話だ?


ただただ戸惑っていると、目の前にいきなり巨大なモニターが現れた。多分、32インチくらい。

そして、手にはコントローラがいつの間にか握られていた。




ああ、そういうことか。理解した。

これ、熱プロの「育成」モードの最初のシーンだ。




主人公がギリギリまで学校の寮で寝ていると、親友の只野凡人《ただのぼんど》が慌てて起こしに来る。それで辛うじて初日の練習に間に合う。


って流れだったハズ。



そうか、昨日熱プロをやろうとしてそのまま寝落ちしたんだな。

それでこんな夢を見ているわけだ。



てか、あの少年只野だったのか。ゲームだと3頭身の姿だからわからなかった。


実際の人間が「ござる」口調を使うのを見るのは、ちょっと、くるものがあるな。ちょっと?いや、かなりイタイ。



まあ、それはさておき、

夢だと気づいた以上、ここはもう僕の、僕だけの世界ということだ。なんでもやり放題ってことだろ?夢なんだし。



あー、名前ね。どうしようかな。面倒だし「おまかせ」でいいだろ。夢だしな、どうせ。



コントローラを操作し、モニター上で「おまかせ」ボタンを選択する。



すると、モニターとコントローラが消え失せ、また止まった時が動き出した。




「はやくグラウンドに行かないと、遅刻するでござるよ!」



そのあと只野はこう続けた




「尾間加瀬《おまかせ》殿!」




本当に、「おまかせ」になってしまった。





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