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野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第1章 ~はじまり、はじまり~
29/78

伏兵の一発


ゲームは壮絶な投手戦となった。



6回終了時点で 0 ― 0

ルナちゃんは熱狂高校打線をヒット2本、10奪三振を奪う快投。


対する西園寺は、なんとパーフェクトピッチ。一人のランナーも許していない。



おい、これ本当に高校野球か?

お前ら、本当にアマチュアか?

レベルが高すぎるだろ。よく暗黒時代の◯神よりも◯L学園の方が強いって野次られてたけど、この二人のピッチャーだけを見るなら確実にプロでも即戦力だな。多分、どっちも二桁は勝てる。





7回もピシャリと熱狂高校打線を無失点で押さえた覇王高校は、裏の攻撃を向かえる。





「7回裏、覇王高校の攻撃は、1番、レフト、尾間加瀬くん。背番号7」





いつも思うんだが、皆、「おまかせ」という名前にもうちょっと疑問を抱けよ。明らかに偽名っぽいだろ?なに、当たり前のようにアナウンスしているんだ?そんな苗字今まで日本に存在したことなかったろ?




打席に入る。さて、どうしたもんか。

一打席目は何も出来ずに三球三振。二打席目は、低めのフォークボールを引っ掛けてサードゴロ。

うむ、反応打ちでは難しいな。この脳内ミートカーソルの小ささでは。





となると‥‥





西園寺、振りかぶって、第一球目!

ストレートがアウトローギリギリに決まる。





ここまでの2打席で気づいたことがある。

こいつの配球は王道すぎる。


インコースからのアウトコース、ストレートからの変化球、というように一定のリズムがある。

まあ、たまにインコースを続けたりすることもあったのだが、基本的には打者が一般的に打ちにくいと感じる配球をしてくる。


まあ、それもずば抜けたコントロールと球威があってこそなのだが。


王道をとことん突き詰めていけば、本当に大きな武器になる。それをこいつは体現してる。





ただなあ、残念ながら、それは僕には効果が薄いのさ。





インコースの後のアウトコースが何故打ちにくいのか?

それは前の球の残像が残るからだ。

たとえアウトコースにくるとわかっていても、身体が前のインコースを覚えていて、無意識の内に踏み込めなくなる。

その逆もしかり。アウトコースを見せられた後のインコースはボールがより近くに感じ恐怖を感じるのだ。

だから、打ち損ねる。




しかし、僕はどうだ?

関係ない。何故なら僕はゲーム感覚でプレイ出来るからな。





西園寺が大きく振りかぶり、第二球目を‥‥





インハイ、だろうな、恐らく。

なら、最初から脳内ミートカーソルをインハイに置いとけばいい。本来、こういう読み打ちはハズレることもあるからあまり好きじゃないんだけど‥‥





投げた!





ビュイーーーーーーーーーン!





うん、決まりだな。僕の勝ちだ。





カキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!





「え‥‥?」





西園寺の口から戸惑いの言葉が漏れでた。

うちのベンチにいるメンバーも皆キョトン顔だ。





インハイを思いっきり引っぱたいた打球は、レフトスタンド最前列ギリギリへ飛び込む滞空時間の短いホームラン。





伏兵の一発。まさに、そんな感じだろうな。

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