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野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第1章 ~はじまり、はじまり~
26/78

vs熱狂高校


覇王高校は快進撃を続けた。



まあ、それも当たり前か。

ルナちゃん、小紫という二人の大砲に、アベレージヒッターの緑谷もいる。僕に関しては、能力はザコだが持ち前のプレーヤースキルと相手高校のデータで相当の強ピッチャーでなければ安定してヒットは打てる。



それに加え、ルナティックミサイルを得たルナちゃんはそんじゃそこらの高校生に打てるレベルを越えている。



ゲームならいざ知らず、実際にホップする球をミートするのは至難の業だ。たまにプロ野球選手とソフトボール選手が対決するというテレビの企画があるが、そういう時、大抵プロ野球選手はソフトボール選手の「ライズボール」を打てない。



途中まではストライクに見えるが、いざ振ってみると完全なボール球。



そこに、フォークボールという選択肢も加わると正に鬼に金棒。

今のルナちゃんは完全に、凶悪な奪三振マシーンと化している。



投げた試合、全て12奪三振以上。




まじ、ぱねぇよ、ルナさま。




強力打線に、絶対的なエース。

二つの勝てる要因を備えた、王者覇王高校は県予選準決勝へとコマを進めたのである。



ちなみにだが、ルナ様のピッチングが圧倒的なのとコールドゲームが多いため、いまだにレフトに打球が飛んできていない。




こわい‥‥やっぱり、フラグ、なのかな?




それで、今日の準決勝の相手だが‥‥




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ベンチに佐出が表れた。スタメン発表の時間だ。




「全員揃っているようだな。それでは今日のスタメンを発表する。」




1番 尾間加瀬 左

2番 土橋 二

3番 赤藤 投

4番 小紫 中

5番 緑谷 右

6番 宮出 一

7番 川端 三

8番 米野 捕

9番 池山 遊




ここ数試合、僕は一番打者で起用されている。

理由は単純に出塁率が高いからだ。



僕の今大会の打率はルナちゃん、小紫についで高い。

しかし、長打があまり期待できない為1番で起用されるといった感じか。



僕が出塁し、2番の土橋がランナーを進める。チャンスメイクしたところでルナちゃん、小紫の強力3、4番コンビでランナーを返し、さらに5番緑谷でだめ押しをする。



ここ数試合はこの流れがビタリとハマり、初回から主導権を完全に掌握していた。




「さて、今日の対戦相手の熱狂高校だが‥‥」




そう、そうなのだ。今日の対戦相手は熱狂高校なのだ。

皆は何の違和感も感じていないが、僕だけは物凄い違和感と不気味さを感じていた。




なぜか?




この覇王高校編のシナリオにおいて、準決勝で熱狂高校と当たることはあり得ないからだ。




熱狂高校とは、熱プロ11で覇王高校編に次ぐもうひとつのシナリオ「熱狂高校編」で主人公が所属する高校だ。

覇王高校編をプレイしていると、必ず県予選の決勝の相手が熱狂高校になる。逆に、熱狂高校編をプレイしている時、必ず県予選決勝の相手は覇王高校になる。




つまり、また、ゲームのシナリオとズレが生じている。




ルナティックミサイルの件についで、またもやイレギュラー。

もし、この試合に勝ったとしても決勝の相手はどこになるんだ?




うーむ‥‥




バシっ!

何者かに頭を叩かれた。いちゃい




「駄犬、なにボーっとしてんのよ!整列の時間よ。私が指示しないと整列も一人で出来ないワケ?ほんと、ダメ犬ね!」




ルナちゃんに話しかけられて、ハッと現実に戻った。




「あ、ごめんね。ルナちゃん。実はルナちゃんに話しかけられたくて、わざとボーっとしてたんだ。」




「はぁ!?な、何馬鹿な事言ってんのよっ!私に話しかけられたいって、ど、どういう意味‥‥さ、さっさと並ぶわよ!」




ほっぺたを赤くして、そそくさとグラウンドへと向かうルナちゃん。




有り難う、ルナちゃん。危うく、ぼけーっとしたまま試合に出るところだった。ルナちゃんといつもの他愛もないやり取りをすることでいつもの調子を取り戻したよ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


1回表 熱狂高校の攻撃



いつものようにルナちゃん、フルスロットル。相手上位打線を3者凡退、2三振を奪う快投だ。



熱狂高校のCPUレベルだが、打撃は「つよい」に設定されている。

各打者の能力も覇王程じゃないが、そこそこ高い。だが、この分だと何点も取られるという試合展開は無さそうだな。



しかし、熱狂高校の恐ろしさは打撃ではないのだ。



本当に恐ろしいのは‥‥



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


1回裏 覇王高校の攻撃



打席に入り、相手ピッチャーをまじまじと見つめる。奴とは何度となく対戦してきた。そして、最初の頃は何度も苦渋を飲まされてきたのだ。




熱狂高校エース 西園寺透《さいおんじとおる》




熱プロ11で、一二を争う名投手である。


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