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野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第1章 ~はじまり、はじまり~
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赤藤ルナの追憶①


自慢じゃないけど、私、小さい頃から何でも出来たのよね。



足も一番速かったし、テストも95点以下は取ったことなかったわ。



だって、速く走るなんて、ただ足を速く動かせばいいだけの事でしょ?そして、テストは授業を聞いていればわかる範囲のものしか出ないんだから嫌でも高得点とれるわよ。



周りの奴らがなんでそんなことも出来なかったのか、不思議で仕方なかったわ。本当にあいつら授業聞いていたのかしら?耳、ちゃんと付いてた?



野球を始めたのも大体その頃で、お父さんが野球が好きで、よくプロ野球の中継を一緒に見てたんだけど、見てたら何となくわかったのよ。




あのね、速い球はぐわーーーっと振りかぶって、ぎゅいーーーんって身体捻って、ズバーーーンって腕振ったら簡単に投げられるものなのよ。




で、お父さんの前でやって見せたら



「ルナ、お前凄いぞ!さすが俺の子供だな。ガッハッハ!!」



って喜んでくれるから嬉しくて、そのまま近所の少年野球チームに入ったわ。



私が投げる球にかすりもしないのが最初は凄く楽しくて、バンバン三振の山を築いてたんだけど



「お前、女の癖になんでそんな速い球投げられんだよ、気持ちわりぃ。お前みたいな怪物はこんなところで野球やってんじゃねーよ」



って同じチームのクソガキに言われて嫌気が差してすぐに辞めたわ。あ、もちろんこのクソガキはボコボコにしといたけどね。



ほんと、僻む人間って醜いわ。汚物よ、汚物。



そのあと、お父さんとか少年野球チームの監督の薦めでリトルリーグって所に入ったけど、そこでも大体同じような感じね。



私に対する僻み、嫉妬。

私に出来ることがなんで出来ないのかわからなくて「なんで、そんなことも出来ないの?」って疑問をぶつけただけで、また僻んで影で悪口を言う。どうすりゃいいってのよ。



なんで、私の周りにはこんなゴミしかいないのかしら?って本気で思ってたわ。努力もしないクセに妬むことだけは一丁前。そんなの人として最低じゃない。





そんな、荒んだ私を癒してくれたのは‥‥





「ふぅ、ただいま。」



タッタッタッ



「わんっ!わんっ!」



「あら、また可愛がられようとまとわりついてきたわね。自分が可愛いと自覚している奴ほど厄介な存在は無いのよ。この卑しい駄犬がっ!」



「クーーン‥‥」



「ふ、ふん!そんな悲しそうな鳴き声出したって無駄よ。‥‥ま、まあ今日のところは許してあげるわ。エサをあげるからついてきなさい。」



「わん!わん!」



私が生まれた時と同じ時期から飼っている愛犬、オマリーだったわ。


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