怪物、小紫
ゲームでの小紫の能力だが、
左打ち
ミート B
パワー A
走力 C
肩力 D
守備 D
全盛期の金◯のような能力をしている。打ち方もまるっきり同じだったな。
球悪童から一球目が放たれた。
ビュイーーーーーーーーン
時速160キロ。その球を
「ふんっ!!」
カキーーーン
打球はバックネットへのファール。しかし、タイミングはドンピシャだったな。
その後2球連続でストレートが飛んできたが、いずれもファール。しかし、最後の3球目のファールは3塁線ギリギリ。
ヒットを打つのも時間の問題だな。
エグいな、このバッター。プロ行けよ。むしろ、そんな実力秘めてるんだったら、プロを見据えて今から木製バット使っとけよ。
そして、4球目。
ビュイーーーーーーーーン
ストレート‥‥
ククッ
じゃない、チェンジアップだ。
流石の小紫も空振り‥‥
「ふんっ!!!」
ガキィーーーーーーーーーーーーーン
ガツーーーーーーーーーーン!文句なし!(実況風)
凄まじい音と共に打球はライトスタンドへ突き刺さる。
ぱねぇ。こいつ鼻からチェンジアップ狙いだったのか。
基本的にバッティングはストレートのタイミングで待って変化球に対応するのが一般的だ。
ストレートに差し込まれちゃうからな。
ただ、一部の天才と言われるバッターは変化球を待ちながらストレートに対応するらしい。
かの◯チローもそうだ。
こいつ、ゲーム内とは言え半端ねぇ打撃センスだ。
その後もストレートを上手くレフト方向に流し、チェンジアップが来たら強振。
ヒット3本、長打1本、ホームラン1本
全参加者中、最高の28点を叩き出したのである。
「ふん、こんなものか。」
ビジュアル系のような紫色の長髪をたなびかせながら、そんなことをのたまった。
お前、ほんとに高校生か?そもそも、なぜそんなチャラい髪型をしている?高校球児なら高校球児らしく丸坊主にしろや。
まあ、そんなことを言っても彼に非はないことはわかっている。
だって、ゲームだから。
折角ゲームを楽しもうとしているのに、丸坊主でプレーされてもむしろ困るからな。華がない。
「コムさん!流石っスネ!」
「ん?なんだ、緑谷か。」
緑色の短髪をヘアワックスで逆立てている。
一見ただのいきり立ったヤンキーのようだが、この男が覇王高校でライトを守る、緑谷琢磨だ。
「なんだとはなんスカ。あのチェンジアップ、狙ってたんスか?」
「無論だ。お前も感覚に頼らずもっと頭を使った方が良いぞ。お前のバッティングはどうも、好かん。」
「ちょっとー、酷いっスネ。打てりゃあ良いんですよぉ、打てりゃあ。」
あの二人が話すだけで、周りの空気が一変するな。存在感が、ヤバい。周りは立ち入れない、そんな空気。
「では、次、緑谷。打席に入れ。」
「おっと、俺の出番スネ。じゃあ、コムさん。ちょっとぶちかましてきますわ。」
「マシンを打ったくらいで調子に乗らんようにな。」
意気揚々と打席に向かう緑谷。こいつも、ゲームではかなり使えるバッターなんだよなあ。