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野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第1章 ~はじまり、はじまり~
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10/78

タイマン


ルナちゃんの顔は凍りついていた。

渾身のギャグ(3割本気)はどうも、不発に終わったらしい。



「決めたわ。私が勝ったら、もう二度と私に話しかけないで。」



あれぇ、おかしいな。さっきまで「アンタ面白いわね」とか言われて好感度赤丸急上昇だったハズなのに、、また中央海嶺が出来たようだ。



ここで、一打席勝負のルールを説明しよう。

ピッチャーは三振、もしくはインフィールド(内野)にボールをバウンドさせたら勝ち。


打者はピッチャーのボールを外野まで運べば勝ちだ。


また、四死球を選べばバッターの勝ちとなる。



この勝負では、とにかく打球を浮かすこと。そして、三振しないことがとにかく重要になる。



ルナちゃんがマウンドに上がる。燃えるような赤い髪が太陽に照らされてキラキラと輝いている。その瞳は自分に絶対の自信を持っているのを表すかのように、真っ直ぐに打者を見つめている。



ルナちゃんのこの時点での能力は


左投げ 球速147キロ

コントロール E

スタミナ C

変化球 フォーク(変化量4)



こんな1年生リアルでいたら、◯宮どころじゃないくらいに騒がれているだろう。

この球速に、このルックス。サウスポー。超絶毒舌美少女。



対する僕の能力は、


右投げ右打ち

ミート G

パワー F

走力 G

肩力 D

守備 E


うん、ただの初期値だ。

だって、僕ピッチャーだからね。こんなところに回すポイントはありませんよ。



バッターボックスに入り、真っ直ぐにルナちゃんを見つめる。



僕の頭のなかには、ミートカーソルが浮かんでいて、まるで熱プロと同じような感覚でバッティングが出来るようだ。



つまり、ここで問われるのはゲーマーとしての技術だけだ。

キャラクターの能力は、圧倒的な技術の前には何の関係もないということを証明してやろう。



ルナちゃんが大きく振りかぶる。

そして、こちらに背中が見えるほど大きく体を捻る。


そう、トルネード投法だ。


全ての力をリリースの一瞬に込められた、最高のストレートが唸りを上げて放たれた。



カキィーーン



打球はバックネットへ。

くそ、捉え損ねたか。やはり、速いな。ミートカーソルGではなかなか追い付けないな。


対するルナちゃんは目を丸くしていた。

自慢の豪速球を初球から当てられるとは思っていなかったんだろう。



「‥‥ふんっ。」



苛立ちを隠しながら、再び大きく振りかぶる。


美しいトルネード投法から、2球目が放たれた。



「うおっ!!?」



胸元を抉るようにストレートが飛んできた。辛うじて避けて、カウント1ボール1ストライク。


あぶねぇ、当たり所が悪ければ、まじで骨折するぞ。

まあ、夢の世界だからいいんだけどさ。



しかし、平然とビーンボール放ってくるとは。

この女、どこまでキモがすわってんだ?



まったく悪びれた様子もなく、再び大きく振りかぶり第3球を


投げた。



バシーーーーンッ



「今のは、入ってるわよね?」


「‥‥‥‥そう、だね。」



胸元直球からの、アウトローギリギリ。

まあ、ここまでギリのコースに決まったのはまぐれだとは思うが、流石に手が出ないな。



カウント1ボール2ストライク。



まあ普通で考えれば、ルナちゃんの決め球フォークが来る可能性が高い。



ただ、



4球目が投じられる。



カキィーーーーン



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