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野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第1章 ~はじまり、はじまり~
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はじまり、はじまり

はじめての投稿なので、生ぬるい目でお願いします


「熱狂スーパープロ野球」というゲームを知らない者はいないだろう。



発売から今に至るまで20年間、トップの座に君臨し続ける超人気プロ野球ゲームだ。


実在の12球団同士で対戦するのも勿論楽しいのだが、それだと他の野球ゲームの方に軍配が上がるだろう。

このゲームにおいてもっとも面白いところはそこではない。



他の野球ゲームを圧倒する部分、それは「育成」だ。



ギャルゲーの野球版、といえば分かりやすいか。主人公を操作し野球の練習をしながら、友情を育みながら、時に女の子といちゃつきながらプロ野球選手を目指すという「熱プロ」ならではのモードである。


学生時代の僕はこの「育成」にドハマりし、それこそ暇な時間を全て注ぎ、星の数ほどの選手を育成したものだ。

当時好きだったアニメのヒロイン、涼宮ハ◯ヒを4番ショートで自分なりにリメイクしたのは本当に良き想い出である。



いや、黒歴史か



そんなこんなのすっもんだがあって、僕の学生時代と熱プロに熱中する時代も終わりを迎えた。就職したのだ。


案の定、若干ブラックさが鼻腔をくすぐる会社の営業マンとしてパリパリと働いていたのだが、先行きの見えない人生に目が死んだサカナ状態になるのも時間の問題であった。


そんな、ある日のこと。いや、アル晴レタ日ノコト。

物語ははじまるのである‥



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「じゃあ、私は先に上がるから。おつかれさぁーん」



「あ、部長。お疲れさまでした!」



若者は先に上司よりも先に家に帰ってはいけない。そんな腐ったルールに縛られていつも会社を出る時間は20時30分を越える。

ほんとに誰が考えたんだろうな、こんな不文律は。やる仕事終わったなら終わった順に帰ればいいのに。日本の悪しき慣習ってやつだな。欧米にならえ!!




上司が帰ったのを見送り、業務報告をメールで送り、タイムカードを打って颯爽と会社から出る。




会社からの帰り道、普段はあまり気にならないのだが、今日は何故か目に留まった。




中古ゲームショップ「全て遠き理想郷」《アヴァロン》である。




(これ、明らかf○○○のあれだよな。さすが、中古ゲームショップの店長。中二病患者でいらっしゃるようだ)



そんな、恐ろしい店名に興味をそそられアヴァロンに入店することにした。





ウィーン‥‥





「問おう、あなたが私のマスターか?」




「‥‥‥‥‥‥はい?」




もろだった。店名だけかと思ったが、まじで、もろだった。

金髪のカツラをかぶって、コスプレをしたオヤジがセ◯◯ーになりきっていた。



「いや、あ、あのゲームを見に来たんですが、、」




「‥‥‥」




何故か、不機嫌そうにカウンターへ戻っていった。

なんなんだ、あのオヤジセ◯◯ーは?本気で己のマスターを探していたのだろうか。僕は、絶対にマスターにはならんぞ。



とりあえず、ここは、やばい。

細胞単位で、逃走、したい。



はやいところ店を出ようと思い踵を返そうとしたその時、見覚えのあるソフトが目に飛び込んできた。




そう、熱プロである。しかも、一番好きなシリーズ11だ。




蘇る楽しかった記憶、ホームランをかっ飛ばした快感、対戦で友人をボコボコにしたこと、「育成」で、最高の選手を作れた時のあの感動。




懐かしい、という感情は何でこんなに、甘美なものなのだろうか

と、詩人みたいなことをうっかり思ってしまった。




気づけば、本当に気づけば、ソフトを持ってオヤジセ◯◯ーのもとに向かっていた。




「あっ、あの。これ、下さい!」


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