出会い
こうして学園まで辿り着いたわけだが
「うはー、超デケェー」
立派な門構えから覗く校舎は、白を基調とした作りで
清潔感が出ている
敷地はかなり広く、グラウンドなんて
こっからじゃ端が見えねぇぞこりゃ
「それじゃお兄ちゃん。私は一年だから校舎別だし
また放課後に此処で待ち合わせね?」
そう告げると、颯爽と一年の校舎があるであろう方向に行ってしまった
お兄ちゃん心細いよ
弱音を吐いていても仕方がないか
気持ちを切り替え、予め聞いていた職員室へと足を運ぶとしよう
ーーー
ーー
ー
さて、やってきました職員室
無駄に校舎広いから多少迷いはしたが、時間内に到着できたので良しとしよう
しかし、顔見知りが居るとは言え
職員室は、どこの学園でも入るのに勇気がいるな
コンコンと二回ノックをし、扉を横にスライドさせる
「失礼します。本日より転入して参りました。
二年の【黒木馬 一成 クロキバ イッセイ】です。」
入室と同時に一礼
俺を見たバーコードメタボ(後に聞いたがどうやら教頭だったらしい)が、担任の先生がいるであろう区間へと案内してくれた
窓際で校庭を眺めている彼女
【一ノ瀬 綾 イチノセ アヤ】は、俺を視界に捉えると
ニコリと笑みを浮かべる
セミロングの茶髪を風に靡かせ、此方に近づいてきた
あ、一瞬いい匂いがした
脳内に愛莉の怒った顔(妄想)が過る
許せ愛莉。お兄ちゃんも男なのだ
いくら顔見知りだからと言っても、一ノ瀬は美人
美人に弱いのは男の性なのだよ