表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/21

20話

月のウサギと機械時掛けの神96


全て終わり





「はぁ……はぁ……」


二日間まで残り一時間。


「棺。暁。周。君たちを使うよ」


「ふん」


「使ってください」


「使えば」


三人のヒトゲノム兵器、ヴォイド兵器を合わせる。


光の柱が生まれ、取り出したのは……


「刀……」


白一色の刀だった。


しかし、ただの刀ではない。


「斬る」


影まで一瞬で移動した僕は、三体を同時に斬った。


「カエデ、外神さん!」


「使っていいよ」


「使え、逢魔集」


カエデと外神さんのヒトゲノム兵器とヴォイド兵器を合わせる。


光の柱が生まれ、取り出したのは、


「拳銃?!」


拳銃を撃つ。


影は避けるが、弾丸が方向転換し、影を撃ち抜く。


「アッキー!」


「うん。いいよ」


拳銃にアッキーのヒトゲノム兵器を合わせる。


光の柱が生まれた。


「二丁拳銃だ」


撃ちまくる。


影の数はどんどん減ってきている。


「棺!」


棺からヴォイド兵器を取り出す。


光の柱が生まれ、引き出したのは大剣だった。


「これでトドメだぁあああ!」


最後の一体を大剣でぶった切る。


「はぁはぁ……終わった?」


「ハッキング完了みたいですわ」


校舎から外を見る。


人が消え、『ログアウト』の文字が増え始めた。


「周。行こう」


「どこへ?」


「ダンスだよ」





ダンス会場。


周と音楽に合わせダンスを踊る。


「ねぇ、集」


「なに、周?」


「もし、私があなたのことを忘れても、あなたは私を忘れないでくれる?」


「当たり前だよ」


「そう」


「周、泣いてるの?」


「泣いて、ないよ」


周は泣いていた。


「これで本当にお別れなんだね」


「また会えるよ」


「本当に」


「ああ、本当に」


「じゃあ、少しの間だけお別れだね」


周がキスをした。


それは柔らかくて、切なかった。


「集」


「なに?」


「大好き」


周はその言葉を最後にログアウトした。







月のウサギと機械時掛けの神97

日常へ





あれからいろいろ大変だった。


僕は危うく人類を滅亡させかけた大罪人にされかけたのだ。


しかし、あの世界で触れ合った人々が署名を集め、そのおかげで命を救われた僕は今、舞浜学園に通うことになった。


鏡でルビーとエメラルド色の瞳を覗き込む。


ポニーテールをリボンで結び、女性と間違われそうな顔に落胆する。


「さて、今日から新学期だ。気を引き締めて行こう」


実際には二学期から通うことになるが、みんなも同じく二学期から通うので疎外感はない。


「よし、行こう」





舞浜学園バス停。


「ふわあぁああ」


あくびをかみ殺し、バスを降りる。


「確か前は校門で爆発に巻き込まれたんだよな」


バァン!


爆発が起きた。


とっさに受け身をとる。


「まさか!?」


「おい、行くぞ」


差し出された手は懐かしい友のもので、


「棺。また何かやらかしたの」


「逢魔集か」


戸籍上は逢魔零だが、逢魔集と呼ばれると懐かしい気がする。


「逃げるぞ」


「なんで?」


「いいからついてこい!」


懐かしい。


そういえば前もこの辺りで、


「こら、入学式から逃げたやつはどいつだ!」


先生たちが追いかけてきた。


「棺。結界は張ってあるよね」


「ああ」


「なら、ウェポン!」


右手に魔剣レーヴァテインが現れる。


「先生。すみません」


先生たちを斬る。


ダメージは精神にフィードバックされるのでダメージはない。


「棺。終わったよ」


「よし、逃げよう」


「待った」


棺のえり首をつかむ。


「入学式出なきゃダメ、でしょ?」


「集。俺は式ってものが何より苦手なんだ。見逃してくれ」


「ダメだよ」


そのまま棺をズルズルと引きずって学園に戻る。


「遅れました」


「遅いぞ」


僕と棺のクラスは同じで、担任は相変わらず安藤夏子先生だった。


「懐かしいな」


「なにがだよ?」


「何もかもだよ。僕が舞浜に来た時と同じだな〜って」


「なんの話をしてるの〜?」


後ろから声をかけられる。


「君は?」


「白崎真白。いい加減覚えてね」


「いや、なんでこのクラスに?」


「同じクラス。みたいだよ」


クラスの表を見ると、周、暁も同じクラスだった。





入学式は問題なく進行し、クラスの自己紹介に入った。


ここで僕はある決断をする。


「逢魔集です。戸籍上は逢魔零ですが、集ってよんでもらえると嬉しいです」


零も集も僕だ。


だけど、舞浜にいたのは集だから。


「日比谷刻です。よろしくお願いします」


「日比谷棺です。よろしく」


僕の人生は、始まったばかりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ