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19話

月のウサギと機械時掛けの神91


文化祭





僕は文化祭を満喫していた。


「たこ焼きも焼きそばも美味しいし、来てよかった〜」


体育館に入る。


「では、これからのど自慢大会をします!」


「のど自慢大会?」


「No.1。カナリアさん」


カナリアと呼ばれる女の子が目を開ける。


「『青目』!?」


「聴いてください。星の歌」


「ヤバイ」


耳をふさぐ。


「悲しみの話を聞かせてよ」


「わたしは今悲しみを知ったの」


「全てをしる微笑みを」


「わたしはどこにでも行ける」


「悲しみの理由を教えてよ」


「ねぇ、悲しそうな顔しないで」


「色彩無くしたこの世界」


「甘え、期待全てをすてて」


「今までの道が間違っていたなんて」


「ねぇ、悲しみの理由を教えてよ」


「虹彩に焼き付いたシーンを」


「わたしはどこにでも行けるの」


「ねぇ、教えてよ。悲しみの理由を」


「みなさーん。わたしの曲。もっと聞きたいですか〜!」


「おおぉ!」


「なら、今から渡す紙に写っているやつらをぶち殺してください〜」


「おおぉ!」


「ヤバイな」


「一人目、発見!」


「『目を逸らす』能力」


カナリアの歌による支配を無かったことにする。


しかし、


「数が多い!」


「二番。行きます〜、聴いてください。カナリアのget to me」


「おおぉ!」


耳をふさぐ。


「ねぇ、気付いてる?」


「安息の日々は消えた」


「囚われし盟約」


「生命の息吹は今」


「わたしを今」


「気付いてる」








月のウサギと機械時掛けの神92






カナリアの歌は、カナリアに洗脳された人々は確実に『赤目』をあぶり出していた。


「くそっ!」


「囲まれたな」


「どうする!」


「どうしよ」


「私の『目を醒ます』能力で……」


「いいや、私の『目を盗む』能力で敵を引きつける」


「いや……」


「五番。カナリアに代わって安心院が歌います」


「安心院さん?」


カナリアは逢魔と犬塚一果が取り押さえていた。


「聴いてください。トワイライト」


「簡単にクリアできない、ずっと迷いさまよう迷いの森」


「私がいる記憶だけブックマークしてファイル」


「不透明君のカテゴリー」


きらめきをあげましょう」


「止まらない、止まれない。最後のチェイス」


「簡単にクリアできない。不明瞭な過去」


「私のいる場所だけブックマークして」


「不明瞭二人のカテゴリー」


「希望をあげましょう」


「止まれない、止まれない。私のレース」


「簡単にクリアできない私だけのメモリアル」


「紐解いて、揺さぶって。止まらない、止まれない。最後のメモリアル」


カナリアに洗脳されていたはずの生徒、参加者たちが次々と正気に戻っていく。


「なぜ?」


犬塚一果が言う。


「僕の『目を合わせる』能力を使ったんだ」


「『目を合わせる』能力?」


「ああ、それよりカナリアの能力を『無かったこと』にしてくれ」


「はい!」


言われた通り、カナリアの能力を『無かったこと』にした。


「これで一安心だ」


「安心院さん。もういいよ」


「最後のエデ……えー」


安心院さんは露骨ろこつに嫌そうな顔をした。


「歌いたいのに……」


「安心院さん。状況を考えて」


「……分かった」


逢魔に説得され、安心院はしぶしぶマイクを渡した。


「白崎くん。君もついて来て」


「えっ!?」


「『赤目』のみんなも」








月のウサギと機械時掛けの神93






「『赤目』と『青目』の皆さんに言います。片方を潰しても神にはなれません」


僕の前には『赤目』と『青目』の二勢力がいた。


連れて来たのは上条式だ。


棺に遠隔で封印を解かれた彼女にみんなを連れてくれるように頼んだのだ。


「まったく、死ぬかと思いましたわ」


腕を怪我した暁もいる。


「じゃあ、自己紹介でもしようか」


竹刀を持ち、いかにもといった剣道少女が手を上げる。


「私の名前は剣籐けんどう霧華きりか。存在感を増やし、注目を浴びる『目を盗む』能力だ」


黒髪のツンツンした髪型の男が手を上げる。


「外神黒。記憶を操作する『目を殺す』能力だ」


優男が言う。


「木戸秋葉。気配を消す『目を隠す』能力です」


携帯ゲームをしていた少女がが手をあげる。


秋瀬あきせ正臣まさおみ。他人の能力を強化する『目が冴える』能力だよ」


そばにあったノートパソコンに女の子の画像と音声が出る。


「リア。他人の能力を取り替える『目を変える』能力デス」


茶髪の女の子が言った。


「長瀬湊です。他人の能力を打ち消す『目を醒ます』能力です。


青い目の少女が言う。


「白ウサギ。自分の妄想した空間を作る能力」


青い目をした青年が言う。


「ハツカネズミ。端末と呼ばれるクローンを操る能力だ」


青い目の女の子が言う。


「カナリア。歌を聴いた相手を操る能力、だった」


青い目で金髪の少年が言う。


「チェシャー猫。どこにでも現れ、消えることが出来る能力」


「三月うさぎ。白ウサギの姉です。他人の能力を遠隔操作する能力です」


上条式が言う。


「帽子屋。一兆の能力を持つ、ただの人さ」








月のウサギと機械時掛けの神94


大切なもの





「繰り返します。神にはなれません」


「理由は?」


木戸はそう言った。


「木戸さんは薄々気付いているんでしょうけど、この世界には秘密があります」


「ワタシから説明しましょうか」


リアが言う。


おそらくリアライズシステムで僕が蘇ったときに携帯も復元されたのだろう。


その中に入っていたリアは世界の秘密を知っている。


「リア、説明してあげてくれ」


「分かりました」


リアが説明する。


この世界のこと。


バベルの塔のこと。


そして、


「もうすぐエデンシステムからの刺客が来るでしょう」


「それで『青目』と協力しろってことか」


「『赤目』の使えない能力じゃ、


足を引っ張るだけだよ」


「なんだと!」


「静かに……」


フランベルジェさんがよく響く声で言った。


「……悪かった」


「こちらこそ、大人げなかった」


「で、刺客って?」


「来ましたよ」


影と言えばいいのか?


人型の影が僕らの居る教室を取り囲んでいる。


「あと二日。生き延びてください」


「分かった」


「上条式?」


「分かったぜ。協力するぜ」


式がパチンと指を鳴らす。


「銃器が!?」


膨大な量の銃器が現れる。


「僕だけやるのはいささか辛いんだぜ」


「分かった」


サブマシンガンを手に取り、僕は言った。


「みんなで生き残ろう!」





『周……』


私、天川周は名前を呼ばれた気がした。


「周。どうしたの?」


「射的がつまんなかった?」


カエデとアッキーが話しかけてくる。


「ううん。誰かに名前を呼ばれた気がして」


「そう」


「空耳じゃない?」


「そうかな?」


私は声がした方、校舎の端を見る。


と、


「何かいる」


「えっ!?」


「なにもいませんよ」


「いるよ。影みたいなのが」


私は走り出していた。


「なんなのさ〜」


「分かりません」


なぜかアッキーとカエデもついて来た。




月のウサギと機械時掛けの神95

天川周





「周、アッキーもカエデもどうしたの?」


僕はサブマシンガンを撃つ手を止めて聞いた。


「それはこっちのセリフだよ。何このたくさんの銃器。なんで左目が紅く染まっているの……」


「ワタシから説明しマス」


リアが三人に説明する。


「そういうことなら」


「ボクたちも協力するよ」


「みんな……」


「はい、感動してないで、武器をちょうだい」


「ああ、正臣」


「分かった」


光の柱が生まれ、正臣からヴォイド兵器を取り出す。


そして、取り出したアンチマテリアルライフルで三人を撃つ。


周からは鎌が、アッキーからはブーメランが、カエデからは


刀が出てきた。


「理不尽な暴力」


周が影に特攻する。


「影の数が多くなってきたな」


「カエデ。刀を貸して」


周に言われカエデは刀を周に渡す。


「行くわよ!」


「カエデ。はい、サブマシンガン」


「ありがとう」


「集。盾!」


「外神さん!」


「ああ、俺を使え!」


外神さんからヴォイド兵器を取り出す。


光の柱が生まれ、花弁のような複数の盾が周やアッキーにきた攻撃を防ぐ。


「紗江。君のヴォイド兵器を使うよ」


「でもあれは……」


紗江の胸に右手を押し込む。


光の柱が生まれ、右手が腕時計をつかみ取った。


「時間を、止める」


時間が止まる。


そして、外神さんたちをタッチして外神さんたちの時間を動かした。


「休憩しましょう」


「ああ、そうだな」


「あー、疲れた」


「まだ一日しか経っていませんわよ」


「あと一日だよね」


「ええ、ハッキングが終われば、即座にリアライズシステムで皆さんを現実世界へ返します」


「んじゃ、頑張りますか」


夜。


仮眠を取っていると、


「集。話があるんだけど」


周に呼び出された。


「明日。一緒にダンスしましょう」


「え!?」


「実は私、集のことがずっと前から好きだったの」


「ええっ!?」


「戦ってる最中に不謹慎だとは思ってる。けど、」


「けど?」


「私たち、現実世界で離れ離れになるかもしれないんだよ! そんなの、嫌だよ。だから、最後の思い出に……」

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