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死霊の棲家

作者: 辻 卜伝

松本実まつもとみのる

大学卒業後 某企業に入社

頭がキレて仕事が出来る

出世街道をひた走る野心家!


会社の中で、ある大変重要な

プロジェクトのリーダーである


来週月曜日の朝一番に

これまでの成果と

これからの展望を

発表する大事な会議が

待っていた。


そこでのプレゼンテーションを

松本は任されていた。


松本は気が重かった・・・


正直言うと

目標としていた

結果を出せてはいなかった


反対する者や

慎重論がある中

部長などの上司を説得し

なかば強引に

このプロジェクトを

立ち上げたからには

失敗は許されなかった


失敗=左遷させんを意味し

出世街道から転落することになる。


「こんな所でつまずく、わけにはいかない、

なんとしても、このプロジェクトは成功させる!」

松本は必死だった。


始めは調子が良かった

何もかも上手くいき

このまま順調に進むと

誰もが思っていた・・・


しかし歯車は少しずつ狂い始める

崩れ始めるともろかった

業績は右肩下がりに落ちて行く

良くない噂も流れ始めていた・・・


松本は夜遅くまで働き

プロジェクトのメンバー達と奔走ほんそうする

しかし結果が伴わない


メンバーは疲弊ひへい

プロジェクトは暗礁あんしょうに乗り上げる


結果が出ていない、このプロジェクトを

なんとか軌道修正させ

成功へとみちびくには

今度の会議で過半数の賛同を得て

投入予算を拡大する事しか

残された道は無かった。


会議での結果次第では

プロジェクトは潰れる・・・


プロジェクトの行方は

全て松本のプレゼンにかっていた


松本には勝算があった

最後の奥の手を隠し持っていたのだ・・・


彼はプレゼン資料を

完璧に仕上げ会議に備えた


月曜日・・・

松本は気合を入れて

会議にのぞむ。


A04会議室


そこには会社の幹部たちが

集まっていた

会場はピリピリとした

異様な空気に包まれている


松本は「フー・・」と一つ深呼吸すると

会議を開始した


プレゼンは始めてでは無い

何回も経験しているし

むしろ得意な方だった


しかし今回は違った・・・

酷く喉が渇き、震えが止まらない

異常に緊張していた


プレゼンを始めて

5分程経った頃・・・


左側の席の

前から二番目に

座っていた大野部長が

そわそわ、キョロキョロ

し始めた。


松本は気になり

「大野部長どうかなさいましたか?」


すると大野部長は

資料のどこを読んでいるのか

見失ってしまったようだ


松本は

「資料6ページ目の右 すみです。」

と教えてやった


大野部長は

「ああ、資料の隅か?・・・」


資料の隅か

しりょうのすみか

死霊の棲家


・・・・・・・・・



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