花ト散レ
掲載日:2025/08/20
じつは蝶はあまり好きでもないです。
アゲハ蝶の背に描いた
ステンドグラスを割って空を奪う
宗教画家の風刺はもうたくさんだ
童心に帰りクレヨンを握りたい
チョークだらけのアスファルトが
いまや凄惨な過去を語る
知りたくもない噂話に耳を高くしよう
半減期を過ぎた恋はまだパスケースに入れたまま
改札口をくぐるんだ
セメテ花ト散レ
屍を晒すなら そのまま 僕の墓標にすればいい
ドウカ花ト散レ
有終の美学にとりつかれることなく
アンモナイトが殻を脱ぐ
ヌードグラビアを飾り壁を埋めろ
鳥獣戯画の流儀にまたうっとりさ
赤裸々に悶え愛欲に溺れれば
チークダンスじゃアスベストを
だれかほおずりで塗りたくった
願ってもない浮いた話に腰は熱くなるが
適齢期を過ぎた夢がまだオルゴールを鳴らしても
重たい口をとじるのか
セメテ花ト散レ
生き恥を晒すほど そのざま 黄泉の駄賃で置き土産
ドウカ花ト散レ
憂愁の微熱にとり殺されるでなく




