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第70話 新たなる空路へ ~深淵の水晶を求めて~

リンドブルムに、

待ちに待った日がやってきた。


『ドラゴンステーション・リンドブルム』。

俺たちの夢と希望、

そして多くの人々の汗と努力が結集した、

アースガルド大陸初の本格的な物流拠点が、

ついに、その威容を現したのだ!


小高い丘の麓に広がる広大な敷地。

そこには、リュウガが悠々と翼を広げられる

巨大な厩舎と発着場。

ギドさんの技術の粋を集めた、最新鋭の鍛冶工房。

荷物の種類に応じて効率的に仕分け・保管できる、

いくつもの倉庫棟。

そして、リリアさんが笑顔で顧客を迎える、

明るく機能的なオフィスと待合室。

それら全てが、計算され尽くした配置で並び、

まさに未来の物流拠点の姿をしていた。


落成式には、

リンドブルム領主アルフォンス侯爵をはじめ、

ヴェリタスから駆けつけてくれた商人マードック氏、

そして、これまで『ドラゴン便』を支えてくれた

多くの市民たちが集まり、

盛大な祝賀ムードに包まれた。


「ケンタ殿、そしてドラゴン便の諸君!

この『ドラゴンステーション』の完成、

誠におめでとう!

これは、リンドブルムの、

いや、アースガルド大陸全体の未来にとって、

大きな、大きな一歩となるだろう!」

アルフォンス侯爵の祝辞に、

広場を埋め尽くした人々から、

割れんばかりの拍手と歓声が湧き起こった。


俺は、仲間たちと共に壇上に立ち、

その光景を、胸がいっぱいになりながら見つめていた。

社畜だった俺が、異世界に来て、

こんなにも多くの人々に祝福される日が来るなんて、

夢にも思っていなかった。


「皆様、本日は誠にありがとうございます!」

俺は、マイク(ギドさん特製の、声が遠くまで届く魔法道具だ)を握りしめ、

集まってくれた人々に、心からの感謝を伝えた。

そして、『ドラゴン便』の理念と、

この『ドラゴンステーション』が目指す未来について、

熱く語った。


「俺たちの『ドラゴン便』は、

ただ物を運ぶだけではありません!

人々の想いを繋ぎ、生活を豊かにし、

そして、このアースガルド大陸に、

新しい風を吹かせます!

この『ドラゴンステーション』は、

そのための、力強い翼となるでしょう!」


俺の言葉に、再び大きな歓声が上がる。

その中には、リリアさんの涙ぐむ笑顔と、

ギドさんの満足げな頷き、

そして、厩舎の窓から誇らしげに顔を覗かせる

リュウガの姿があった。

ピクシー・ドレイクたちも、

祝福するように、俺たちの頭上を嬉しそうに飛び回っている。


落成式の後、

俺は、リリアさんとギドさんと共に、

ステーションの屋上から、

夕焼けに染まるリンドブルムの街並みを眺めていた。


「ケンタさん…本当に、夢みたいです…」

リリアさんが、感極まったように呟く。


「フン、まだ夢の途中だぞ、嬢ちゃん。

このステーションは、まだ赤ん坊のようなものだ。

これから、俺たちが育てていかなければならん」

ギドさんが、いつものようにぶっきらぼうに、

しかしどこか優しい声で言った。


「ああ、その通りだ。

俺たちの夢は、まだ始まったばかりだ。

そして、その夢を実現するための、

次なるステップに進む時が来た」

俺は、二人に向き直り、真剣な表情で告げた。


「『深淵の水晶』…。

真の『ドラゴンギア Lv.2』と、

そして、荷物を完璧な状態で運ぶための

『特殊コンテナ』を完成させるために、

どうしても必要な、最後の素材。

俺は、それを手に入れるため、

新たな冒険に出ようと思う」


俺の言葉に、

リリアさんとギドさんは、

驚いた顔をしたが、

すぐに、その瞳には決意の色が宿った。


「ケンタさん…!

もちろん、私も一緒に行きます!

どんな危険な場所だって、

ケンタさんとリュウガさんがいれば、怖くありません!」

リリアさんが、力強く言った。


「フン、小僧一人では心許ないからな。

わしも付き合ってやらんでもないぞ。

最高の素材を手に入れるためには、

最高の目利きが必要だからな」

ギドさんも、悪態をつきながらも、

その目は冒険への期待に輝いていた。


「ありがとう、二人とも。

そして、リュウガ…

お前も、一緒に行ってくれるか?」

俺は、空を見上げて呼びかけた。


「グルルルルルァァァァァッ!!!」

リュウガの雄叫びが、

夕焼け空に、高らかに響き渡った。

それは、新たな冒険への、

力強い同意の返事だった。


こうして、俺たち『ドラゴン便』は、

リンドブルムの地に確固たる拠点を築き、

そして、さらなる飛躍を目指して、

新たな、そしてより危険な冒険へと

旅立つことになった。


『深淵の水晶』が眠るという、未知なる秘境。

そこには、一体どんな困難が待ち受けているのだろうか?

そして、俺たちの翼は、

どこまで高く、どこまで遠くへ羽ばたいていくのだろうか?


リンドブルムの空に、

一番星が、キラリと輝いた。

それは、俺たちの未来を導く、

希望の光のように見えた。



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