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制服って、なんでみんな一緒なん?

はじめまして。

この作品は、さやかという主人公が 50代になるまでの恋愛 を軸に、波乱の人生を歩んでいく物語です。


第1部「10代編」 では、中学生のさやかが学校を追い出されたようにして“自由”を手に入れ、初めての恋や家庭との葛藤を描いています。


家庭の息苦しさから逃げるようにバイトや先輩の家へ行き、なんとなく付き合うことになったさやか。しかし、その先輩との関係は本当の恋愛なのか、それとも単なる居場所探しなのか――?


読者の皆さまには、10代という多感な時期に感じる 「生きづらさ」「居場所のなさ」「大人への憧れ」 といった揺れ動く感情を、少しでもリアルに受け止めていただけたら嬉しいです。


さやかの 「ここではないどこか」 を求める思いが、これからどんな選択を導くのか。

ぜひ、彼女の揺れ動く心と恋愛模様を見守っていただければ幸いです。




それでは、10代のさやかの物語 をどうぞお楽しみください!

13歳。

学校は…行ったり行かなかったり。


みんな同じ制服を着なきゃいけない理由なんて、よくわからないし、違和感しかない。


前髪は眉毛ギリギリ?

髪型にまであれこれ言われるのも、ほんと意味不明。


だってさ、

今度コンサートに行くんだよ?

チェッカーズのフミヤみたいに、前髪の真ん中だけ伸ばしたいのに。


めっちゃいい席取れたし、フミヤと目が合うかもしれないし。

変な髪型で行くのは絶対イヤだもん。


それに、学校よりも楽しいことは他にもあるし。


小6からバイトしてる喫茶店のウェイトレスの仕事のほうが、100倍楽しい。

17才って嘘ついてるから、あの髪型にしたら一発で中学生ってバレるし。


でもまあ、

学校は行かないといけないんだろうから、違和感しかなくても行くしかない。


ここんとこ1週間ほど休んでたけど、

今日は家庭科と美術があるし、行くか。


…と思ってたのに。


校門の前で、英語のI先生が門を閉めてる。


まってーー!


あ、先生と目が合った!


待ってもらえるかな?


…って、あれ?


先生、めっちゃ怖い顔してるーーー⁉︎


「お前はもう、ここに来るな!」

「お前が来ると、他の生徒に迷惑だ!」


怒鳴り声とともに、

ガラガラッと、門が閉められた。


え?! 今、なんて言ったの⁉️


「二度と来るな」って、どういうこと⁉️


えーーーー‼️

学校行かないって、アリなの⁉️


雷が落ちたみたいな衝撃。


「他の生徒に迷惑」ってのはちょっと傷つくけど、

でも、学校行かなくていいってこと⁉️


わーーー❤️すごい❣️

それって、めっちゃ解放感❣️




そんなわけで、

さっそくバイトのシフト増やした私。


それから。

学校に行かなくなって、バイト三昧の日々を過ごしてたある日。


友達が言った。


「ねぇ、地元の先輩の家行かない?」




その先輩が、はじめての彼になった。


地元ではまぁまぁ有名人。

見た目はいわゆる「不良」ってやつ。

派手な髪、派手な服、でも意外とおっとりしてる。


なんか…付き合うことになったけど、

別に「好きな人ができた!」って感じじゃない。


ただ、私はこの家から脱出したかっただけ。


家の中では、

いつ機嫌が悪くなるかわからない義父にビクついて、

眉間にシワを寄せて下を向いて歩く母の顔を見ながら、

「今日の家の空気は大丈夫か」って怯えて。


夜中だろうが外に出されるのも当たり前。

父の機嫌が悪くなるたびに、外をうろついて、ほとぼりが冷めるのを待つ日々。


そんな家より、先輩の家のほうがよっぽど楽しかった。


先輩の家には、

派手な頭や服装の人たちがたくさん集まってて、

お酒の匂いがしてて、

みんなが大声で笑ってて。


女の人たちはみんなお化粧してて、大人っぽくて。


なんか…すごくドキドキした。


「夜になると、もっと人が集まるよ」


そう言われて、夜中に家を抜け出して遊ぶようになった。




そしてある夜。


みんなが帰った後、

先輩と二人きりになった。


それから、なんとなく付き合うみたいな感じになった。


でも。


本当に「付き合ってる」って言えるのかな。


だって、私はこの家が自由だからここにいるだけだし。

先輩は、自分が寂しいときに私を呼ぶだけ。


お互い都合がいい。

それ以上でも、それ以下でもない。


ある日、先輩の友達に言われた。


「お前、あいつの気持ちわかってるのか?」

「お前のこと心配してるんだぞ」


…心配?


正直、ピンとこない。


先輩は私に何も聞かないし、私のことを知ろうともしない。

私がどこで何をしてても、怒ったことさえない。


好きならさ、

もっと「何が好き?」とか「何してた?」とか、気にするもんじゃないの?


私には、ただの無関心にしか思えなかった。


結局さ、

親も、先輩も、みんな「自分のことで精一杯」なんだよね。


私もそう。


家にいたくない。

ただ、それだけ。


だから、誰でもよかったのかもしれない。

彼でなくても、他の誰かでも。


でも、ここにいる限り、

何も詮索されない関係はちょうどよかった。




そして、付き合い始めて3ヶ月ほど経ったある日の夜。



その事件は、起きた――。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。


学校に「来るな」って言われた13歳の私にとって、

それは衝撃でもあり、どこか解放でもありました。


あの時、ただ自由になったわけじゃなくて、

「行き場のない自分」と向き合う時間が始まっただけだったんだと思います。


でも、それに気づいたのは、もっともっと後のこと。


そんな風に、誰にも言えなかった10代のあれこれを

少しずつここに置いていきます。


また、よかったら続きを読んでもらえたら嬉しいです。

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