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求めるもの、終わってた人
その泡は私の中にスーッと入ってきた。
嫌な意味でドキドキしてる私の心臓が止まっと錯覚するくらいその時は気持ちが落ち着いた。
━━━━━━━━ザ、ザザザ
放送局から受信出来なくなったブラウン管テレビのような砂嵐のような映像が頭の中に流れる。
『はい、これ。貴方に似合うと思って!』
映像の中の人は言った。
『なんだよもう……へへっ』
もう1人の映像の中の人は言った。照れくさそうに。
この人は先程噴水で見た人だ。
『これはね━━━━なんだ!』
『へぇ!凄い!さすが━━━━━!』
『錬金術士には叶わないよ!』
ハハハと談笑していた。
その顔は……。
ズキズキとした頭の痛さで目が覚めた。
「寝ちゃったみたい」
起きた時、外は昨日と変わらなかった。
丸1日寝てたみたい。
「マジか、人として終わってる……」
そう、終わってる。
終わってしまった人なのだろうか。
だとしたら、今の私は何なのだろうか。
何かしらの事があって、それで全てダメになって、再起不能になったのだろうか。
「それが一番近い理由かもしれないね」
「……人に会いたいな」