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重度の引きこもり
「はぁ、それで、あの、脳みそシェイカーさん」
名前の分からない陽気な人を私は『脳みそシェイカー』と呼称した。
どうやら私の知り合いのようだし、多少の無礼は許してくれるだろうと思ったのだ。
「なんてファンキーなニックネームだ!最高だな!」
ガハハと豪快に笑う姿はなんともイメージに合わない。
なにせ、地味な見た目に反しているからだ。
放つオーラはドヨドヨしてるのに言動が合わない。
「えっと」
相手のペースだ。私は何も言えない。
そもそも、話しかけてきたということは少なからず用がある訳で、それを話始めるタイミングがあるかもしれなくって。
「まぁ、なんだ。久しぶりだけどよ、顔を見れてよかったよ」
そう、優しい声音で言うのだった。
なんだか胸の当たりがズキリと傷んだ。
その理由は分からない。
けれど、1つ分かったことがあった。
どうやら私は重度の引きこもりらしい。