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薄暗くて
いや、出たくないな。
変化が、怖いな。
カーテンも締切ったこの部屋は薄暗くて、妙に落ち着いて、それがすごく凄く嫌だった。
人の物は壊す?し。
「そういえば昨日貰った物はなんだったんだろう」
ベレー帽を拾う前、投げ渡されたもの。
「良かった」
寝落ちしてしまったけれど、寝る前の私はソレをテーブルに置いていたようだった。
それは、空っぽに見えた。
よく見ると石鹸の泡みたいなものがギュウギュウに詰まっていて、少しの刺激で全て割れてしまいそうだった。
これが一体何で、何のために私へ渡したのか。
説明がないということは知らずとも開けていいのだと思うけれど、躊躇する。




