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【エッセイ】私

作者: こっぴゃん

 現世に生きる僕らはいつだって夢を追いかけた


 儚い幻想を抱き、叶わぬ理想を描き続ける


 閉所恐怖症の自由幸福論はいつだって我が物顔で独り歩きする


 孤独が辛いと知りながら誰にも差し伸べることは無いこの両手


 降る雨に怒っては積もる雪に嘆き溜まるストレスは排水溝には流せない


 明日を見ず昨日ばかりを眺め今日も私は立ち止まったまま


 私を表すなら路傍の石かはたまた都会に捨てられた廃棄物か


 どうせ花にはなれないと下を向き呼吸するのに精一杯な生活を送る


 それでもいいよとあなたは微笑む


 それにどれだけ救われたことか


 けれど今も満たされぬ胸を抱え私は私たらしめる何かを求めた


 "幸せ"とはなにか"希望"とはなにか"なにも分からない私は空っぽのまま人混みに紛れ行く


 不変の愛なんてファンタジーを連ねたウェブ広告は画面の向こうの暗闇に微笑みかける


 未確信の情報が飽和するインターネットで都合のいい「真実」とやらをかき集めふんぞり返る砦ほど滑稽なものは無いだろう


 私ほどの不幸者は居ないなんて誰もが口を揃えて主張するそのザマはさながら承認欲求の吹き溜まり


 虚ろな目で画面を眺め薄っぺらな虚構に身を投じた後に残るのは死への渇望か社会への懺悔

 私を私たらしめるのは何かあなたをあなたたらしめるのは何かどうかこの空虚な私に教えてください


 ネットじゃなく空想じゃなく今を生きる私をどうか満たしてください


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