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7話 修繕依頼1件目

 デルフさんに順番を決めてもらい、数日後から僕の仕事は狩りに追加で修繕となった。


 修繕がある以上、狩りはしなくてもいいと言われたが、レベルアップの重要性を説き、なんとかメンバーに加えてもらった。


 修繕は毎回デルフさんの家でやることになった。おそらくきちんと順番通りか確認するためだろう。


 ちなみに対価としては食事かお金をもらう予定だ。


 最初「対価は必要ありません。日頃のお礼としてやろうと思っているので」と言ったが「修繕の効果は日頃のお礼としては大きすぎる。だからもらえるものは何かしらもらっておけ」とのことだったため、もらうことにした。


 行商も中々訪れない貧村のため、お金は今全く意味をなさないが、きっと町に行く機会があればその時必要になるだろう。


 ということで今日がはじめて修繕を行う日。最初はやはり狩りのリーダーを務めるボッケさんの剣だ。


 このことからわかるように、想定通り狩りチームの武器が優先になった。


 狩りで手に入る肉や、狩りを行える人材は貧村にとっての生命線であるため、まずはここから改善していくことになったそうだ。


 ちなみにこの順番については村の全員が納得している。揉めたりしないのは人数が少なく、日々協力して生きている貧村ゆえか。


 とにかくスムーズにことを運べるに越したことはないため、皆が納得してくれてよかった。


 幼馴染の家でルヴィアちゃんと遊んで過ごしていると、程なくしてボッケさんがやってくる。


 そしてこれまた年季の入りボロボロな片手剣を手渡される。できる限りの手入れをしているようだが、やはり元々購入した時からボロボロだったため、限度があるそうだ。


 ボッケさんはデルフさんの剣や僕が狩りで使用したナイフを目にしており、それを直したのが僕というのは知っているらしい。


 ただやはり流石に信じきれないのか、半信半疑といった様子。


 今からその表情を笑顔に変えてやる。


 僕はデルフさんの時同様、ボッケさんの剣を修繕した。そして完了と同時に試し切りをお願いする。


「セイッ! ……うおぉ! なんて切れ味だ!」


 言葉の後、ボッケさんは狂喜乱舞しながら僕の元へとお礼にきた。


「ファン本当にありがとな! お前はこの村の宝だ!」


 そう言うと、僕の頭をぐりぐりと撫でてくれる。


「わはは! 喜んでもらえてよかったです!」


「うおぉ! こうしちゃいられねぇ! デルフ狩りにいくぞ!」


「おう、行くか」


 言葉の後、上機嫌な2人は狩りのメンバーと合流すべく家の外へと出ていった。


 ちなみにボッケさんからはお礼として干し肉をいくつか分けてもらった。

 食料が充実するのは嬉しいため、僕はホクホク顔で家へと帰った。

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