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15話 戦闘準備

 ウルフの群れと対峙するための準備が始まった。


 狩りチームに関してはウルフの群れの偵察を行いつつ、食料の備蓄を整えたり、少しでもレベルを上げるためにこれまで通り狩りを行なっている。あとは狩りの帰りに森の木を切って村に運ぶ作業を担ってくれてもいる。


 もちろん木材の確保は彼らだけでなく村に残る僕たちも行っているが、やはり彼らの助けがあることで効率が上がっているのは確かであった。


 村に残った面々の作業は専らこうして確保した木材を適切な形に切り、縄で縛って村を囲う柵を作成すること、およびその配置だ。


 もちろん現在も村を囲う柵はあるが、それも全てを賄えている訳ではない。故に足りない箇所を今回作成した柵で補っていくような形である。


 そんなそれぞれがそれぞれの役割をこなす中で、僕はというと家でひたすらに武器の強化を行っていた。


 ただ強化といっても武器の切れ味や強度等を増す作業だけではない。


 武器の所持者が理想とする剣の長さ、重さ、刃の形等に調整することもまた同様に行っていた。


 これはある意味では以前話していた狩りチーム一人一人に対して専用の武器を作ることと同義といえる。


 なぜこんなことをやっているかといえば、武器の強化を行うためには武器に魔力を流しながらハンマーで叩く作業をする必要がある以上、多少の形状調整であれば同時にやった方がある意味効率的であったからだ。


 この話についてはあの後僕から提案させてもらった。


 それにより狩りチームの皆が大喜びをし、結果的に狩りチームの士気が大幅に向上したため、提案してよかったと心の底から言える。


 と、そんなこんなで1日に3本、つまり3人分のペースで強化と形状調整を行っていく。そして魔力が無くなれば、柵の作成を手伝うというサイクルで準備を整えること数日。


 ついに武器の強化、および柵の補強の両方を完了することができた。


 この間にも狩りチームによるウルフの群れの偵察は行われていたのだが、どうやら今のところ村を襲いにくる素振りは見せていないらしい。


 ……状況は悪くない。いや、むしろ良い。それにみんなでやれることはやったんだ。あとは戦うだけだ。


「これよりウルフの討伐に向かう!」


 目前でボッケさんが力強く宣言をし、狩りチームの面々が呼応するように剣を天に掲げ、声を上げる。


 そんな逞しい彼らの姿をじっと見つめながら、もう誰も悲しい思いをすることがないよう全員で生き残れますようにと、僕はそう心の中で祈るのであった。

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