留守番メッセージ
仕事からマンションの自宅に帰ってきたら、玄関の卓上電話に留守番メッセージが入っていた。
再生ボタンを押して録音を聞く。
高校時代の友人△△からだった。
よく「【異世界転生】ものの主人公になれたらなあ」なんて話しをしたものだ。
『やあ○○(おれの名前だ)くん。△△だよ。今日はキミの誕生日だね。
久しぶりにお祝いに行きたいんだけど、あいてるかな?
19時の40分なんてどうだろう。
それじゃあ、ケーキとプレゼントを持って行くからね。
学生時代にキミが欲しがっていたものをあげるよ。
喜んでもらえるように、たくさん練習もしてきたんだから、絶対に家にいてね』
ピーッ!
と電子音が鳴って、
『5月6日。午後4時2分のメッセージです』
と受信した日時を告げた。
夜の7時40分と言えばいいだろうに、なんだって19時なんて事務的な言い方をしたのだろう――
と考えて、理解した。
(おれが欲しがってたものをあげるって?)
腕時計の時刻を確認する。
(まずい、あいつが来るまであと5分しかない!)
かつての友人が持ってくるプレゼントの中身に気がついて、おれは急いでマンションから逃げ出した。
※この物語はフィクションです。
読んでいただいて、ありがとうございました。
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