0匹 これは教訓か?
たすけて
何度叫んでも誰も助けてくれない。
アドバイスを求めても返ってくるのは誰でも思いつくようなフワッとしたただの一般論。
手は差し伸べられないし、払いのけられるだけ。
自分で何とかしろって?
ならお前も私の立場になってやってみるといい。
自分ではどうしようもなくて、だから助けを求めているのに。
誰も見向きもしない。
そんな人間に絶望し、それを良しとする社会を呪い、暗闇の中に沈んでいくのを止められなかった。
「にゃー」
こちらに非がなくとも、相手の気分次第で貶められることがあると知った。
自分の無実を訴えようと、信じてくれる相手がいないと無駄だった。
敵を作らないよう気を遣っても、味方が増えるわけじゃない。
友達なんていうカテゴリーはただの飾りで、流行が過ぎれば捨てられる。
熱い言葉を交わせる親友なんて物語の中にしか存在しない。
「にゃ!」
努力は人の目に触れなければ無いものとされるし、どんなに頑張っても報われたことはない。
何もやってないのに文句を言われ、同じ事をやっても私だけ怒られる。
何をやっても上手くいかない。
何も言わなければ怒っていると思われ、何を言っても言い訳にしか捉えられない。
私の言葉は誰の耳にも届かなくなり、存在自体ないものとされていく。
けなされてばかりで、ほめられない。
どうすればいいのか誰も正解は教えてくれないのに、不正解だけ告げられる。
どうしろっていうんだ
もういやだ
たすけて
「にゃー!」
死にたかった。
でも死ねなかった。
だから、せめて…
あんな奴らと同じにはなりたくなかった。
辛い時に唯一寄り添ってくれたあの子のように。
辛そうな時は寄り添って、助けを求めてきたら救ってあげたい。
「にゃ!」
勘違いしないで。
猫だけよ。
人間なんか救う気はないわ。