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カエデ  作者: アザレア
討滅戦~新たなる力解放~
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放浪者の真実

超大型"マリー"討滅戦に集結した兵士や"リンドウ"を集めて激励しているのと同時刻、フェリスはチハツと一緒にチハツの工房にいた。


「見てみろフェリス、これがアタシの作品だ。コイツはアタシの中でもそれなりの出来だ。もっと時間かければ精度は高められるが他に依頼が入ってるからな、趣味領域じゃこんなもんだろ」チハツは一本の刀を打ちディーナの銃程の時間はかけていないがそれでも短時間ではどんな職人でも出来ない綺麗で鋭利な刀をフェリスの目の前で打ち完成させた。


チハツの刀を作る様子をずっとワクワクとしながら見ていたフェリスは完成した刀を見て「うわぁ~すごい。チハツさんは怖い"マリー"さんを倒すような物をいっぱい作って皆を守ってるんだね。チハツさんはやっぱりすごい人!」

職人の腕を見せたチハツに改めてフェリスの中でチハツは怖い顔を持っているがそれでも暖かくてすごい人だと認識した。


「当たり前だろ。この道になってからもう十年、いやもっとか。本来十年そこらでは何も出来ない奴が大半らしいが、アタシは違う。他の鍛冶屋共とは才能も努力も惜しまない、頼る"リンドウ"達の力になれればアタシも作品を作る意味であって理由にもなる。

フェリスはまだ幼いがこれから一つ一つ習得していけばいい、そしたら自ずと大人になって自分だけの道が見えてくるはずだ」

チハツから見てフェリスはまだまだ幼い、それに一人ぼっちで過ごして世界が知っている常識もフェリスは知らない。フェリスの事情はディーナからより詳しく知らされているチハツは一つ一つ丁寧に物事を教えていた。

孤独だった少女は今は周りに大人がいる、大人から学んでいる最中にチハツも教師のような立場でフェリスに優しく接していた。


「フェリスの道…フェリスだけにしか見えない道がある?」まだ意味をイマイチ理解出来ないフェリスに「あるさ。まだ形になってないだけ、いつかは必ず見えてくる」

「そうなんだ、フェリス楽しみに待ってる!」無邪気な笑顔を向けるフェリスにチハツも「アタシも成長したフェリスを楽しみだ!」フェリスに負けないほどの笑顔で返した。


「…お姉ちゃん達は頑張ってるかな?チハツさんのお家にお泊まりするのは嬉しいけど、お姉ちゃんに会えないのも寂しい」

「今日で三日か、超大型"マリー"への対抗や作戦も固まってきている頃か。大丈夫だ、もう少し待てば帰ってくる。アタシが生み出した武器があるんだ、負けるはずない。それにアタシも頼まれた仕事はきっちりとやらないとな、ディーナが戻ってくるまでフェリスを何があっても守らないとな」


フェリスとチハツが一緒にいるのはヴァレアからの提案でディーナがしばらく事務所には帰れない。それまでフェリスを一人にさせる訳にはいかない。そこでヴァレアはフェリスの安全や居住をチハツに頼んだ。

チハツであればフェリスとの面識もあって理解もある。容姿が変わってさらに世間知らずで人見知りのフェリスを知らない人に頼むことは出来ない。チハツであれば実力を持ってフェリスとも仲良くできると判断したヴァレアはチハツに依頼を送った。


ディーナもヴァレアがここまでフェリスの事を考えていてくれた事に感謝していてチハツであればフェリスを預けられる。ディーナもフェリスとしばらく別れる事に寂しさを感じていたが状況が状況だけに離れる訳にはいかない。会えない寂しさもあるが自分の心を鬼にして依頼が一息つくまではフェリスとは会わない事にした。


フェリスも全てを理解出来ていなくても大変なディーナを見てわがままは言ってられない、チハツの元で良い子で待つ。そして精一杯のおかえりを言うと決めていた。


「お姉ちゃんも大変だから、フェリスずっと待ってるよ」「寂しい気持ちなんて再開したらすぐに無くなる。ここで待てば帰ってくるさ」チハツの優しい声掛けにフェリスはどこか安心して微笑みを見せた。


----------


しばらくチハツの仕事、武器の制作を危なくない場所で座りながら見ていたフェリス。するとチハツがフェリスに「悪ぃフェリス、奥の部屋からタオルと水を持ってきてくれないか?さすがにノンストップ過ぎた。ちょいと休憩だ」

汗だくになりながら制作していたチハツだが、少しの疲れと水分が足りなくなりフェリスに汗を拭くタオルと水を頼んだ。


フェリスにすぐに立ち上がって「はい!」と、返事して少し小走りで奥の部屋に行った。奥の部屋に入るとそこにはいつも備蓄しているであろう無地の白色のバスタオルとペットボトルに入っている水が五本置かれていた。

五本の内の一本とバスタオルを手に取ってチハツの工房にまた小走りで向かった。


チハツの元に行ったフェリスは水とバスタオルをチハツに「これでよかったですか?」と少し不安げに渡した。チハツは水を先に手に取りキャップを開けて勢いよく飲んで半分程飲みほすとバスタオルを手に取って額を拭いた。


「サンキュ、すぐに動いてくれて助かった」フェリスに感謝を伝えた。フェリスも伝えられてほっとした気持ちになっていた。

「合っててよかった。お水も何本か合ったからどれを手に取ればいいか分からなかった」「そんなもん適当でいいんだよ。アタシに気を遣わなくていいんだ、考え過ぎもこれからの課題だな」

言われたことをすぐに深く考えてしまう癖は今後の治す所だと伝えたチハツ。


「そうなのかな?いっつもお姉ちゃんにしっかり考えるようにって言われたから。だからフェリスもお姉ちゃんや皆に言われたことはどんな事でも考えるようにしててね」ディーナの優しさでもあるが少し余計な言葉に「あいつ…後でもう一回説教だな」ディーナの説教コースが確定した瞬間だった。


休憩中のチハツと話しているフェリス。その最中に玄関の扉が開いた。突然扉が開いた事で少し驚いたフェリス。


「らっしゃい、入る時はノックぐらいしたらどうだ?」チハツは客人に対しても自分を変えずにぶっきらぼうな言葉を放った。


すると、扉から入ってきたのは黒い鳥だった。その後にもう一人、黒い衣服を着た女性が入った。鳥はバタバタと羽ばたかせて女性の肩に止まった。

「ここがかの有名なチハツ・タンデリオンのお店ね。有名って言うぐらいだから広い工房を思い浮かべたけど案外狭いものなのね」女性が言葉を話したかと思いきやそれを発したのは鳥の方だった。


「鳥が喋った?不可解な事もあるもんだな」初めて話す鳥を見たチハツだが驚くことはせずに冷静だった。


「すまんな、こいつには不用意には話すなと言っているが先走った事をしたな。後で叱っておくさ」今度は女性が話し始めた。


誰か来たかと思ったらまさかの知った顔だったフェリスは小さく「エーデル、さん?」女性の名前を呟いた。

その小さな声を聞き逃さなかった女性はチハツの目を逸らして隣を見ると見知った顔がいた。


さすがの女性もここにいるはずのない人がここにいる事に少し驚きを見せて「驚いた、まさかこんな場所で再開するなんてな。家出でもしたのか?あいつがお前を見捨てるとは到底思えないがな」


「ち、違うよ。フェリスは…」事情を説明しようとしたがチハツがここで「ディーナの知り合いらしいが、まずはお前の名前を言ってくれ。まさか自分で名乗れないとは言えないよな?」フェリスの話を折ってチハツが話し始める。


「ああそうだったな、久しく自分の名前なんて言う事はなかったからな。私の名はエーデル、こっちの鳥はスワイだ」女性の名はエーデル。少し前にディーナと共に仕事をしフェリスとも知り合った。鳥はスワイ、エーデルが水からの属性で創り出した鳥である。


「エーデル?知らねぇ名だな。まだ"リンドウ"としての活躍はしてないのか?それにその目、何故だが気に入らねぇ。自分の私欲のためならなんでもする奴、数多くの"リンドウ"達の目を見てきたがここまで何かを貪欲に求める奴は初めて見るかもな」チハツはまずは相手の目を見る。その人の目を見ればどんな人柄が何を求めているのかがある程度分かってしまう。

ある種の才能ではあるがそれで人を判断し決めつけてしまう所もあるため、客人が来ても話し合いにすらならない事もよくあることだ。


「貪欲な目か、確かにそうかもな。だが欲は一つだけだ、ある"マリー"を討伐したい。私の欲があるのならその一つぐらいだ、何か問題でもあるか?」エーデルの態度にどこか気に食わないチハツはため息をついて「フェリス、悪いがちょっと裏に行ってくれねぇか?知り合いかもしれないがここからは子供が踏み込む事は出来ないからな」

静かな物言いだったがその圧はまだ子供のフェリスにもよく伝わり、チハツの隣にいたフェリスはすぐに「は、はい…」少し怯えて小走りで部屋を後にした。


二人と一匹になった鍛冶屋、チハツはフェリスが居なくなった事を確認してエーデルに対して「何が目的だ?それ次第で仕事を受けてやるよ。だがアンタみたいな人間にまともな品を創ると思うな。片手間で上等だろ」さっきまでの声とは違い低く、他人を圧倒する風格を身につけたチハツ。


常人であればすぐにチハツから目を背けて帰るはずだがエーデルは一切臆することは無くチハツをただ見つめて「言っただろ?私はある"マリー"をこの手で殺したいだけ、"マリー"を討伐だ、世のためになる事をするんだ。それが私の目的だ」

「なんのためにだよ。依頼でもなく私利私欲のために"マリー"を討伐?戦いを求めているんだったら帰れ。アタシは正当な理由で"マリー"を討伐する奴以外に持たせる作品はねぇ!」


チハツの美学を持って、エーデルには創る武器はないと言い放った。

「正当な理由か、なら言ってやるよ。私は過去に母を"マリー"に殺された。その"マリー"をこの手で殺すまで私は歩みを止める訳にはいかないだ。そのためには力が必要だ、どんな"マリー"でもこの手で葬る力が!

お前の評判は聞いている、凄腕の鍛冶屋。それだけの異名を持っていればどんな"マリー"を討伐出来る武器を創れる、ガラクタばかりの武器なんて必要ない。お前の手で創った力が私には必要なんだ」

エーデルも引き下がる訳にはいかなかった。エーデルがここに来た理由は属性以外は非力な自分に少しでも力を手に入れるためだった。そのために二つ名を持つ"リンドウ"が鍛冶屋を営んでいると言う情報を手に入れてエーデルはチハツの元に訪ねた。


「復讐目当てか。なら余計ここに来るなんてお門違いだったな!

力が欲しい?笑わせんな!その身体、努力も何もしてない証拠だろう。本当に力が欲しい奴ならな、自分の身体作りぐらいは最低限身につけろ!アンタの属性なんて知らねぇがな、他人任せで力が身につくと思うなよ!!」大激怒するチハツ。

衣服を着ているエーデルだがチハツの目は誤魔化せなかった。人間は"マリー"の力では勝てない、数多の"リンドウ"は"マリー"に対抗するために自分の身体を鍛え上げる。限界まで鍛えた身体は強力な"マリー"の一撃にも耐えれる程である。


しかしエーデルの身体は正しく貧弱そのもの。"マリー"の一撃に到底耐えられるほどではなかった。チハツは口だけで何もしていないはずのエーデルに怒りをぶつけていた。力を求めるのなら、才能や属性だけではなく経験と努力が必要不可欠だ。


怒りを顕にするチハツだが、エーデルはここで「この身体が何もしていない?その目で何も見ていないからそんなことが言えるんだろ?」「何がだよ、アタシが間違ってるって言うのか?」


二人の言い合いを部屋を後にしたフェリスはこっそりと顔を出してバレないように聞いていた。チハツの怒号に怖がっているフェリスだが、目を逸らさずに言い合いを見ていることにした。


すると、陰でこっそりと見ていたフェリスを目撃したスワイはエーデルの肩から羽ばたいてフェリスの顔の目の前に来た。

「キャッ!」突然にスワイが来た事にフェリスは驚いて尻もちをついてしまった。


「そんなに驚くこと?」「だ、だって急に来るから…」「それは悪かったね。でもフェリスちゃん、今は大人の二人が話し合ってるから聞いちゃいけないよ。人の話をよく聞くのはいい事だけど盗み聞きは良くないことよ」

大人の話し合いに子供は聞いてはいけないことを教えるスワイ。


フェリスは立ち上がって「チハツさんとエーデルさん、喧嘩してるの?フェリス覚えてるよ、ママが喧嘩はしちゃいけないって。もし喧嘩しているお友達を見かけたらフェリスが優しく止めてあげてねって。だから、怖いけど、もっと二人が怒るんだったらフェリスが行かないと」

フェリスは母親からの言葉を覚えている範囲ではあるが思い出していた。『喧嘩は二人の意地が張り合っているだけ、決裂してしまったらそこで終わってしまう。そうなる前にフェリスが止めてあげてね。大丈夫、フェリスが声をかけてあげればお友達も落ち着きを取り戻してくれるからね。でもその時はフェリスも勇気を持って行かないとね』

この言葉をフェリスは思い出して、二人を仲裁しようとしていた。


スワイは母の言葉を受けて二人を止めようとしていたフェリスに「その志しは素晴らしいことだけど、フェリスは喧嘩の止め方を知っている?」「えっ?それは…」

「あの二人を止めるなんて至難の業よ。ましてやエーデルなんてあんまし人の意見を受け入れないから、ウチぐらいじゃないエーデルが怒っているのを鎮められるのは。止めるのはまず相手をよく見ること、そこから自分で言葉をまとめて伝える、これが仲裁の仕方よ。フェリスちゃんにそれが出来る?」

まず二人は普通の人とは少し違い、自分の意見を曲げることがない二人。そんな二人の間にフェリスが入った所で油に火を注ぐ行為であることに変わりない。この状況でエーデルを止められるのはエーデルとずっといるスワイぐらいである。


「出来ない…仲裁って何?」まだ言葉の意味を理解出来ていないフェリス。「仲裁って言うのは喧嘩を止める人の事を言う。でも確かにヒートアップしているからウチがそろそろ止めに…」スワイが振り返って二人の様子を見ようとすると目の前にはある刀を持ったエーデルの姿が。


突然現れたエーデルの姿に驚いたスワイは翼をより速く羽ばたかせて「え、エーデル!?なんでここに?」チハツと話している最中だったエーデルがここにいる理由を聞いた。


「なんでって、話が纏まったからだ。行くぞ。ここに用はもうない」「用ない、その刀は貰ったのかい?」

「ああ、たまたま作ってあった刀ではあるが私には充分だ。早く来い、時間は待ってはくれないぞ」


刀を手に持つエーデルをずっと見るフェリス。刀に見覚えがあったフェリスは刀に指をさして「そ、その剣って…」フェリスが話しかけたがエーデルは「フェリス、再会を喜びたかったが少し時間が無くてな。まぁ近いうちにディーナの事務所に行くさ、よく観察してから依頼を頼みたいからな。

ではな、達者でやれよ」

そう言ってエーデルは後ろを振り返って後ろを向きで手を振ってその場を去り、工房の扉を開けて出ていった。

「ちょ、ちょっと待ってよ!」スワイも扉が閉まる前に急いでエーデルの後を追った。


フェリスは喧嘩していたはずのチハツが何故素直に刀を渡したか分からなかった。理由を聞きにチハツの元に行くと、先程までの威圧や怒りはなく、椅子に座り天井をただ見上げていた。


「チハツさん?」不思議な様子のチハツを心配するフェリス。するとチハツは小声で「…そういう奴もいる、か。アタシでもあれは見抜けねぇよ。それに…いや、聞いたところで何かが変わるわけじゃねぇしな、あっちが話すまでは墓場まで持つことにするか」フェリスが聞いていない所でエーデルと何を話したか分からない。だが、それはチハツ目利きでも分からないことがあったのだ。


小声で喋ったチハツは顔をフェリスの方に向いて「悪かったな、急に大声出しちまって。つい熱くなっちまった、反省反省」すぐにカッとなる性格は自分でも分かっているチハツはもっと冷静に話をしないといけないと反省していた。


「あの、チハツさん」「なんだ?」「どうしてエーデルさんに剣を渡したの?あの剣ってチハツさんがさっき作った剣でしょ?」エーデルが持つ刀はチハツがフェリスの前で仕上げた刀だった事をフェリスは覚えていた。


「別にあれは趣味で仕上げただけの刀だしな、誰かの納品物じゃねぇし。渡したのは…ただの気まぐれだよ」「でもあれって、チハツさんの中でもそれなりの出来だって、フェリス覚えているよ」チハツが言った言葉をしっかりと覚えていたフェリスに「なんだ覚えていたのか。そりゃアタシだって気に入った相手に持っててもらいたかったが、あんな状況に置かれてる奴がいたなら、アタシだってそれなりに情が湧いちまうさ」

気まぐれと言ったチハツだが気に入った相手以外に作品を渡すのなんてありえないことであった。ましてやエーデルのような私利私欲のためだけに動く人になんてもってのほかだ。

だがそれでもチハツには渡す理由を持ってしまったからである。エーデルに対して何を思ったかは、フェリスにはまだ分からないままだった。


「それじゃアタシは仕事に戻るか。フェリスはどうする?奥で休むかアタシの仕事を見るか、どっちでもいいぞ」

落ち着きを取り戻したチハツ。フェリスは気疲れしているかもしれないため少し気を遣う事にした。

「フェリスはまだ疲れてないから、チハツさんのお仕事を見てもいい?」少しだけ緊張から解かれて疲れが来ていたフェリスだがそれでもチハツの仕事を見てみたかった。


「おう、それじゃさっき座ってた椅子で見ていろ。アタシが言いって言うまで立つんじゃないぞ、危ないからな」「うん!」

その後はチハツの仕事を見ていたフェリスだが長時間座って見ることにも疲れが生じて座ったまま眠ってしまった。フェリスが寝たことに気がついたチハツはフェリスを抱えて奥の部屋で布団をかけて休ませたのはまた別の話…


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一人工房で作業をしているチハツ。ずっと黙って作業していたがここでこんな独り言を。


「エーデルか…復習に取り憑かれた人間であるのは間違いない。だが、それなのに悲しい目をしてやがった。

同じ環境下で生まれたムジナ同士でも見るものも違えば性格や価値観なんてまったく違うものになる。だが、求めた事は二人そう遠くないんだよな。

ただ道が違ってるだけ、アタシは…考えても仕方ねぇか。アタシがどうこう出来る問題でもないからな。それじゃ仕事に集中するか、フェリスが起きないようにある程度は静かにやるか」


あの出来事はチハツにとって初めての経験だった。事実は事実で受け止めそれを承諾し刀を預けた。

エーデルの真実を知る数少ない一人にチハツはなったのだ。

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