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カエデ  作者: アザレア
序章
4/86

奇術の属性弾

事務所からそう遠くない場所にある豪邸に来たディーナは依頼主の少し小太りの女性に説明を聞いていた。


「今回はすいません。まさか私の敷地に"マリー"が住み着いているとは、さらに"マリー"はかなり強力な"マリー"とのことで普通の人間では太刀打ち出来ません。そこで"リンドウ"に依頼をしたのですが・・・」

「はぁ、はぁ、はぁ、大丈夫ですよ、説明を続けてください」疲れきっていたディーナ、かなり走り込んだのか額には汗が流れていた。


「いや~ヴァレアさんは忙しいので代わりの人を呼ぶと仰っていたのですがまさかディーナさんだったとは、有名な人が有名な人を呼ぶとはヴァレアさんの人望がすごいですね」「借りがあるだけですよ」


"リンドウ"界隈では有名なディーナ、前回の依頼者はディーナの事を知らなかったが今回の依頼者はディーナの事を知っていた。


「それでは案内しますのでこちらに・・・」「大丈夫ですよ。一般人を"マリー"の巣窟に近づける訳にはいかないので、依頼書に場所も書いてあるのなら余計案内はいらないですよ」

「ではここで吉報を待っています」「りょーかい、待っててくださいね」


話を手短に済まして豪邸から出ていったディーナだが一つだけ問題が、豪邸の門の前に何故かヴァレアとフェリスが待っていた。


「ヴァレアはともかくフェリス、ついてきちゃ危険でしょ?私は今から"マリー"を退治しに行くんだから事務所に戻ってなさい」


フェリスは少し怯えながら「だ、だって、一人で留守番でしょ?一人は寂しいから・・・」

怯えるフェリスにディーナは頭をかきながらどうしようかと悩んでいると「この子を一人にさせるつもりは私には無い。私が見ておくから早く行け」

あまりにもヴァレアらしくない言動に言葉が出ずに驚いて目を見開くディーナ。


「何をそんな驚いてる?」「いや~貴方からまさかそんな言葉が出てくるとは思わなかったからちょっとびっくり」「人を助けるのは"リンドウ"の使命だからな」

ヴァレアの優しさに意外性を見出していたディーナだがフェリスがどう思うかは分からない。


「フェリスはヴァレアと一緒にいれる?」フェリスは少しだけ俯いたが顔を上げて「お、お姉ちゃんの、お友達なら、怖くないよ」震えながらの声ではあったがしっかりと自分の言葉で留守番することに決めたフェリス。


ディーナは一人でも勇気が持てたことに頭を撫でた。

「で、でも、近くまでは行ってもいいでしょ?」ディーナはヴァレアの方を見ると頷いていた。「じゃあ近くまでね」こうして三人は"マリー"がいる廃園へと向かった。


----------


廃園の前まで来た三人。廃園に入る場所には鉄の錆びた扉が開かれており動かないように固定されていて、廃園の内部を見れるが変わった所は確認できない。


「ここに"マリー"がいるの?」「調査員によればな、私も直には見ていないから分からないがな」


ディーナは事務所から持ってきてある二丁の銃の一丁を取り出して、クルクルと回しながら「それじゃ行ってきます。ヴァレア、フェリスのこと頼んだよ。フェリスもヴァレアから離れないようにね」と言いながら廃園の園内に入っていった。


「が、頑張ってね、お姉ちゃん」か細く弱い声だったがちゃんとディーナには届いていたようで、後ろ向きではあったが手を挙げて手を振った。

ちゃんと自分の声が聞こえたことに喜ぶフェリスではあったが、ヴァレアとの二人きりの空間に気まづくなってきてお互い何も話もしないために重い空気に包まれた。


しばらく時間が経って一向にお互いが何もせずに待っていると痺れを切らしたのかヴァレアが溜息を吐くと「そんなに心配しなくても大丈夫だ。あいつは弱い奴では無い」


あまりにソワソワしていたのかヴァレアが声をかけた。「ひゃい!」いきなり声をかけられたためか心の準備も何もしていなかったフェリスは気の抜けた高い声で驚いてしまった。


「そんな声出るんだな」微笑気味になっているヴァレア。「ご、ごめんなさい、こ、声をかけられる、なんて、思ってなくて・・・」「まだ緊張してるのか?」

「き、緊張、してるのかな?お、お姉ちゃんが居ないなんて、最近無かったから、お姉ちゃん、大丈夫なの、かな。もし、何かあったら・・・」


どんどんと不安になっていき涙声になり始めたフェリス。「・・・そう言えば、あいつの属性の事を何も言ってなかったな」「えっ、お姉ちゃんの、属性?」「ああ、あいつは他とは少し違うからな」


----------


一方でディーナは廃園を探索しながら"マリー"を探していた。夜の廃園は不気味な雰囲気を漂わせておりいかにも"マリー"が出てくるようだった。


しかしディーナは何一つ臆せずに歩いていた。むしろ潰れた遊園地なんて立ち入り禁止の場所に入ってるワクワク感の方が勝っており常に笑みを浮かべて探索していた。


「隠れるのが上手い"マリー"ね。でもすっごくいい機会、まさか廃園に入れるなんて。二度と無い経験だし、ちょっとぐらい遊んでもいいよね~」


そう言って目の前にあったのは観覧車。廃園のため既に動いてはいない。ディーナは辺りをキョロキョロと見渡して「これはあれだから、もっと探しやすいようにするために動かすだけだから、別に私が遊びたいからじゃないから、"マリー"を探すためにすることだから」


と、自分に言い聞かせて、銃のマガジンを取り替えて観覧車を操縦するための機械が近くに置いてあった、その機械にさっきマガジンを取り替えた銃を一発打った。弾は雷が纏ってバチバチと鳴りながらその機械に撃ち込んだ。


すると、機械は放電しショートし始めた。壊れたかと思われたが観覧車の電気が一斉についてまさかの動き始めた。


ディーナは指を鳴らして「ビンゴ!こんな上手くいくとは思わなかったけど」自分でやっておきながら困惑していた。「まぁいいや、乗ろっと」そのまま観覧車に乗り込んだ。


「いや~いい眺め。フェリスにも見せてあげたいなぁ。あ、でもこの仕事終わればこの観覧車乗れるか、にしてもどこにいるんだろ、結構探したと思ったんだけど」


乗りながら廃園内を探したが一向に見つからずに上昇していきいよいよ頂上まで到達しそうになっていた。


ため息を吐いて諦めて観覧車の椅子に座った。下に着くまではくつろごうとしたその時だった。突然観覧車が大きく揺れ始めた。「おっと、なになに?」揺れた振動のためか観覧車の電気が消えて止まってしまった。


暗闇の中で身動きが取れないが冷静に窓から差し込む月明かりの方を見て外の様子を確認しようと、椅子から立ち上がり窓を見ようとした。


その時に電気が復活して辺りが明るくなって窓を見るとそこにはライオンのような獣が観覧車の窓を覗き込んでいた。顔しか見えていないが、目は真っ赤で体毛も真っ黒の生物とは言い難い様な顔だ。


ディーナは目を少し見開いて「おぉこれはびっくり獣型か。しかもライオンみたい、"マリー"って色んな動物の種類がいるけどライオンは初めてだね」


この獣も"マリー"の一種、生物のような見た目だがその凶暴さは他の生物とは一線を覆し一般人には対処出来ることは不可能に近い。"リンドウ"でも獣の"マリー"に狩られることも少なくない。


"マリー"は窓ガラスを割ろうとその鋭い牙でガラスを突き破ろうとしていた。「なんで観覧車にいるんだろ、ここに未練でもあるのかな?」


危機的状況だがディーナは何一つうろたえずに銃を取り出して一発天井に撃ち観覧車に穴が空いた。

銃のマガジンを入れ替えて"マリー"の方に向けて「未練があろうがなかろうが、だからなんだって話だけどね」一発撃ち込んだ。


その銃弾はさっきよりも重く、早く、衝撃も高く"マリー"はその一発にガラス事吹き飛んだ。空中に吹っ飛んだ"マリー"は頭上から雷が降り直撃しながら地上に落ちていった。


「よし、お仕事終わり、早くフェリスと観覧車に」またしても観覧車大きく揺れた。今度は揺れが収まらずに観覧車が傾いているようでディーナは体制を崩してしまった。


「"マリー"って感じじゃなさそうだけど・・・あれ?もしかしてさっき撃った弾が観覧車を支える何かに当たったんじゃ」その予想は的中していた。観覧車を支える鉄を撃ち抜いたため重さに耐えられずに今にも落ちそうになっていた。


「どうしよ、ここ頂上だしなぁ」脱出を考えたが考える時間も無く観覧車の支える鉄は朽ち果ててディーナが乗っている観覧車は落ちていった。


観覧車の鉄の間に落ちていき重低音が響き渡り、ぶつかり合いながらそのまま地上に落ちた。普通の人間なら全身に打撲を負いまともに体を動かすことすら出来ない状態になるはずだった。


しかしディーナは地上に落ちたと同時に観覧車から何事も無いように出てきた。「ふぅ、アトラクションとしては百点満点かな。安全性は皆無だけど」


落ちた観覧車を見て「これ、怒られるかな・・・」苦笑いを浮かべるディーナの後ろにさっき雷に打たれた"マリー"が鋭い牙で噛み付こうとした。


噛み付かれる一瞬に"マリー"の後ろに飛んだ。「気配察知、ヴァレアが言った通り"リンドウ"には必須だね」


"マリー"は振り返りディーナを見たと同時に獣のように「ガルルル」と鳴きながら威嚇した。「さっきの電撃を直撃しても無傷、耐性でもついてた?」首を傾けて不思議そうに見た。


すると、"マリー"は大きく雄叫びをあげると"マリー"の周囲に複数の落雷が落ちていった。"マリー"は爪を見せてディーナに飛びかかる準備をした。


「なるほど、雷属性の"マリー"か。それは電撃を受けても無傷なはずよね。むしろ元気にもなったかも」


ディーナはクルクルと銃を回しながらマガジンを取り出して「雷も飽きてきたし、そろそろメインの弾を変えようかな」回すのを止めて銃のマガジンを取り替えて「久しぶりの弾の一発は、貴方にくれてやる」銃口を"マリー"に向けた。"マリー"は戦闘態勢に入りディーナに突っ込んできて鋭利の爪を突き立てた。


----------


「ほ、他と違うって?」「ああ、あいつは他とは違って特殊な部類に入る」


ヴァレアはフェリスに対してディーナの属性について話していた。ヴァレアは腕を組んで壁際にもたれかかって話し始めた。


「さっきも話した通り属性は主に六属性ある。女性は属性を内包しているが扱える属性は一つだけだ」「う、うん。フェリスも一つしか使えないと思う」


「人が属性を一種類しか扱えないのは当然のこと、二つ以上の属性を扱えるのは人間には不可能と言われている。

属性は体内に内包され目にも見える。過去に実験で属性を二つ体内に入れる実験をした内容を見たが体に負荷がかかりすぎて不可能と言うことが分かった。

だから、私も無理だと思っているがあいつは違った」


「そ、それってつまり・・・」「察しが早いな。じゃあもう一つ"リンドウ"について話そう。"リンドウ"は名声を上げれば二つ名を持つことになる」「ふ、二つ名って?」


「簡単に言えばもう一つの名前のようなものだ。名の知れた"リンドウ"であれば大抵は持っている。ディーナはその属性を持ち敵を殲滅する姿を"奇術の属性弾"と呼ばれている」「どういう、意味?」「それは、ディーナが・・・」と、説明しようとした時に獣のような鳴き声が近くで聞こえた。


「えっ、な、何?この声って」突然聞こえた獣の声に怯え震え出すフェリスに対してヴァレアは冷静に遊園地の方を見ると「あれが探していた"マリー"か。獣型のライオンか、それに見たところ雷属性を持つ"マリー"、並の"リンドウ"では対処は難しいだろうがディーナなら問題ないだろ」


"マリー"の分析を即座にした。恐る恐るフェリスも遊園地を見て"マリー"の姿を確認した。


初めて見た異形の姿に唖然とし恐怖という感情を覚えてしまった。震えが止まらないフェリスを見てヴァレアは近づいて肩に手を置いて「私達がいる。安心しろ」ヴァレアの言葉にフェリスは一度深呼吸をして、息を吸って「お姉ちゃん!頑張って!!」


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"マリー"と戦闘を続けるディーナ。"マリー"の素早い動きに照準を合わせることが出来ずに攻撃を避けることしか出来ずにいた。

"マリー"は爪に雷を纏わせてディーナを引き裂こうと襲いかかるがディーナの身軽な動きに一切攻撃出来ずにいた。


「参った、これじゃあ埒が明かない。傷付く覚悟で照準を合わせないとね」ディーナは銃を構えた。

銃を構えた時"マリー"を雄叫びをあげ周りに雷を落とした、"マリー"も次の攻撃でディーナを仕留めるつもりだ。


いつ襲いかかって来るか分からないためトリガーに指をかけたまま待つディーナに「お姉ちゃん!頑張って!!」


と、フェリスの声が聞こえた。声がした方を振り向くとフェリスとヴァレアが近くにいた。「こんなに近くにまで来ていたんだ、フェリスがあんな大声で私を・・・」少し感動したディーナはフェリスに聞こえるぐらいの声で「待ってて、すぐに終わらせる!」


"マリー"はよそ見をした相手に襲いかかる。雷を纏った爪がディーナを切りかかろうとした時にディーナは"マリー"を見て「それがお前の敗因だ」近くまで来た"マリー"の頭を撃った。


"マリー"は吹っ飛んだが空中で体制を建て直して地上に降り立ってすぐに再度ディーナに襲いかかったが既にディーナ臨戦態勢を解いており銃も懐にしまった。


"マリー"は襲いかかる途中で歩を止めていた。「その銃弾は普通と違って中に炎が仕込まれている。何かに当たると中が弾けてその炎が外に漏れ出す。もう分かったでしょ?貴方の運命が、頭が発火しているよ、そのまま焼け焦げてね」


ディーナは笑顔だ。"マリー"の頭から発火していき体にも炎が移りそのまま全身に炎が行き渡った。


悲鳴をあげる"マリー"に「私とは相性が悪かったね、でもそれが私と言う"リンドウ"に会った運命よ。

"奇術の属性弾"って世間に言われてる。私は全ての属性を銃弾に込めることが出来るのよ、自分で言うのもあれだけど極めて特有な"リンドウ"なの。"マリー"の貴方は"リンドウ"に倒される未来だったことよ」


ディーナの属性は、名称が分からずにいるが火、水、雷、風、氷、闇の属性を自らの銃弾に込めて放つことが出来る唯一無二の属性を持っている。

その不思議な属性を余裕を持って"マリー"を翻弄する姿を人々は奇術師と呼んでいる。ディーナ自身は満更でもないようだが。


まだ燃え続ける"マリー"を尻目に戦闘が終わらせたディーナはフェリスとヴァレアの元に向かった。


「お仕事お~わり。どう、私の"リンドウ"としての姿は?感動した?」「あんなに怖い人を倒しちゃうなんて、やっぱりお姉ちゃんはすごいよ!」「あはは、"マリー"は人じゃないよ」


微笑ましい会話の中でヴァレアは遊園地の中を歩き始めた。しかし、すぐにディーナがヴァレアの前に回り込んだ。


「なんだ?」「何をしに行くの?」「遊具の状態を確認するだけだ。そのためにお前を呼んだんだぞ」

「いやいや大丈夫よ。ほら、私って丁寧に戦う人じゃん?」「丁寧に戦う奴が私を止める理由はないと思うが?」「そ、それは・・・」


二人が話していると突然フェリスが怯えだして「お、お姉ちゃん、あ、あの人・・・」と指を指した。その方向には炎に焼かれ爛れた体にも関わらずにまだ生きている"マリー"の姿が。


流石のディーナも驚いて「炎にも耐性が、いや、何かしらの執念か」と、小声で言うと銃を取り出して構えた。


今にも襲いかかろうとしている"マリー"に異変が、"マリー"の体が徐々に氷に覆われ始めていた。

足が凍っているため動くことが出来ずに、何故か雷も使わずに、何も出来ないまま凍っていく"マリー"はただ叫ぶことしか出来なかった。


その凍っていく"マリー"に静かに一歩一歩近づいていくヴァレアは「悪あがきはよせ」静かなトーンで言葉にした。


そして、数秒後には完全に氷漬けになった"マリー"の前に立ったヴァレアは一言「終点だ」


と、言うと腰に差していた刀を抜刀しそのまま氷漬けの"マリー"を斜めに斬り一刀両断した。"マリー"は真っ二つになり重心が安定しなくなり倒れた。刀を一回転させて刀を鞘に納めた。


一連の流れを見届けたディーナは銃をしまい「相変わらず容赦はないんだね」と、ヴァレアには聞こえない声で言った。


「おいディーナ、あれはどういうことだ?」ヴァレアが指を指した。「え?」ディーナはヴァレアに近づいてその方向を見ると自分が壊した観覧車が目に入った。


観覧車だけではなく至る所にある遊具の一部が"マリー"に破壊されたりディーナの照準がズレた銃弾で穴が空いていたりと散々な状態になっていた。


動揺を隠せないディーナは「えっと、あの、"マリー"が結構攻撃的で私も中々当てずらかったから・・・あは、あはははは」笑うしかなかった。


「なんのためにお前を呼んだと思っている、こうならないためだろ。今回の報酬金は無いと思え」「えぇ!こんなに頑張ったのに!?」

「仕留め損なっている時点で減給、それにこの有り様、無しだけでも有難く思え」「納得いかない!"マリー"を倒したじゃない!!」

「最後は私が仕留めた、あれを倒したとは言えないな」「絶対におかしい!お金!!」


----------


その後、依頼主に報告を終えて報酬金はある程度は支払いされたが怒っていた。

事務所に着く間の数十分、討論の末報酬は貰えなかったディーナ。


しかし事務所に着くと小切手をディーナに渡した。「何これ?」「フェリスの食事代は出してやる。お前のせいで飢えさせる訳にはいかないからな」


と、言いつつフェリスの目線に立って「何かあればいつでも来い。少しでも力になれるなら喜んで手を貸そう」


ディーナの態度とは打って変わって優しく接しているヴァレアの姿にフェリスも「は、はい、こ、これからもよろしくお願いします!」と、ぺこりと頭を下げた。ヴァレアは微笑んでフェリスの頭に手を置いた。


「じゃあまた何か依頼があれば連絡する。ちゃんと電話線を繋いでおけよ」と言ってヴァレアは事務所を後にした。


フェリスも頭を上げて「ヴァレアさんとっても優しい人だね。お姉ちゃん以外にも私、ヴァレアさんなら一緒にいられるよ」二人きりのトーンに戻り明るくなった。

「甘すぎる気もするけどね。まぁ、気持ちは分かるけど」「どういうこと?」

「気にしないの。さて、ご飯でも食べよっか」「うん!」


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"マリー"を討伐し世界の秩序を守る"リンドウ"、これはとある"リンドウ"、ディーナの戦いを描いていく物語である。

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[良い点] 序章まで拝読いたしました。 マリー、リンドウという設定や主人公の能力などがとても興味深いものでした。 まだ途中までしか拝読しておりませんので、この後がとても楽しみです。 [気になる点] 他…
[一言] 賛否が分かれる作風でしたが楽しめました。 このスタイルを貫いてください!
2023/01/16 07:45 退会済み
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