噂話
「ねえねえ、聞いた? あの話」
「え~~?? なになに、イケメンの話?」
「あははははっ! 全然違うし、幽霊の話だよ~~」
「ヤッベー!! 本気? 本気?? 俺らもう大学生よ」
「お化けが怖くて講義行けませ~~~ん」
「もう!! あのね、友達が言ってたんだけど……同じサークルの子がヤラレチャッタンダッテー!!!」
「マジかよ!? お化けってチ〇コついてんの?? kwsk!」
「しょーもなっ!」
「そのヤルジャねーよ! 殺されたんだって」
「ソレ知ってる! うちの大学でも殺されたってー」
「海で泳いでると、足引っ張られて、引きずり込まれるやつでしょ~?」
「えー、海でピラニアに喰われるんじゃなかったー?」
「違うよー。家の浴槽から手が伸びてきて、頭掴んでくるんでしょ?」
「えっそれ、もー海、関係なくない?」
「ち、が、う、よ! 黒い死神が聞いてくるんだって。赤か青か……」
「うっわ! なにそれ~、やだ~懐い。トイレの花子さん?」
「いや、トイレのなんとか仮面じゃない?」
「知んねーよ! そんで、どっちが正解なのよ? 赤か青か」
「それは……」
「どっちを選んでも、別世界に連れて行かれるんだって――」
「なんだよ、またそのパテーンかよ~」
「じゃあ、選ばせんなっつーの」
「つーか、ヒマね。ヒマ、ヒマ」
「あ、じゃー肝試しに行こうぜ」
「廃墟系??」
「前ニュースでやってた、〇〇大の娘が死んだ海、行こうぜ!」
「待って俺、釣り竿持ってくわ~」
「は? お前、ナニ釣る気だよ」
「そんなん決まってんだろ~。――今日のオ・カ・ズ♪」