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Page4.スキルの可能性

血抜きに図鑑ポイント10ポイントは高すぎた気がしたので2ポイントにしました。

 門番に派遣員証を見せ、近くの森へと向かった。綺麗に手入れされており、まるで森林公園を歩いてるみたいだ。澄んだ空気が心地いい。


 街から十五分くらい歩くと、少しひらけた場所があったので、スキルを使用して図鑑を具現化した。昨日と特に変わっているところはない。しかし、開いてみると、少し変化が表れていた。


 目次の地図の部分にNEWマークが付いている。地図を押してみると、街の項目の他に大陸という項目が表示されていた。


 クリックすると、ハーストン大陸と表記されている。さらにクリックすると、地図が表示され、まるでスマホの地図アプリのように、丸いマークがあり、周りを森が囲んでいた。


 この丸いのは自分なんだろうなぁ。

 何この図鑑高機能すぎない?

 でも一々開くの面倒だなぁ。


 と考えていると、


『マップ精神リンク機能を使用しますか?図鑑ポイントを千ポイント使用します。YES or NO』


 という無機質な声が何処からか聞こえてきた。


 辺りを見回しても誰もいない。一体何処から聞こえているのか?


『マップ精神リンク機能を使用しますか?図鑑ポイントを千ポイント使用します。YES or NO』


 再度声が聞こえた。どうやら声の元はこの図鑑らしい。


 昨日色々試して図鑑ポイントは現在千二百五十六ポイント。昨日試した後は、もっと少なかったので、時間経過でポイントが増えるのは多分間違いない。


 うーむ。千ポイントかぁ。

 でも正しい地図が常に見えてるのはいいよね。


 俺はYESと答えた。


 すると、視界の右上の方に地図が表示されるようになった。ホログラムが自分の右上あたりに浮いてるイメージだ。


 しかし、この地図の機能は近所を映すだけではなかった。地図に不意に赤い点が表示されたのだ。白い点は移動しており、意識を集中すると、ホーンラビット、と表示された。ゆっくりとこちらへ向かっている。


 もうすぐ視界に入る。


 そう思った時、茂みからホーンラビットが飛び出してきた。


 見た目はツノの生えたウサギだ。大きさも地球と変わらない。変わるのは人の姿を見るなり、牙を剥いたことだ。その瞬間、マップ上の白い点が赤く変わった。


 ホーンラビットの頭の上には、


 ホーンラビット

 HP 13/13

 MP 5/5

 SP 12/12


 というウィンドウが浮かんでいる。


「キシャア!!」


 ホーンラビットが僕を威嚇する。

 小さいせいか全然怖くない。


 次の瞬間、ホーンラビットが体当たりを仕掛けてきた。


 思ったより遅い。躱せないほどのスピードはない。


 僕はひらりと避けた。


 兎は、苛立たしげにこちら睨んで唸る。


 なるほど、たしかにこの程度なら子供でも逃げるくらいはできるそうだね。


 それから何度も兎は飛びかかってくるが、その都度僕は躱してしまう。


 そういえば僕は丸腰だ。

 どうやって倒そう。


 思ったよりも体力があり、何度も飛びかかってきているが、まだ疲れる様子はない。


 あっ!!


 兎のウィンドウにも編集ボタンついてる。


 俺は兎の攻撃を躱しながら、編集と念じると、兎の現在HPにカーソルがフォーカスされた。


 零にして編集終了と念じると、図鑑ポイントを十三ポイント消費します。編集しますか?YES or NO、と表示されたので、YESと唱えた。


 兎はピタリと倒れた。


 すっごい!!

 期待はしてたけど、編集したら死んだ。

 武器なしでもいいかもね。


 さらに死体の編集も可能だった。俺は二ポイント払って血抜き済みにしてやった。周りに血が飛び散ったりしてないので、このままここで試行錯誤を続ける。


 次に昨日会った奴隷たちのページを開く。


 本当に詳しい情報が記載されているので、少し申し訳ない気持ちになったけど、助けるためなので許してください。


 ピリカの説明欄に記載された、『幸せになれない。触った者には不幸が訪れる。』という部分があったので、消して編集完了としてみる。


 表示されたのは、四千五百ポイント。全く足りない。


 次に、ハクの方の『虚弱体質。触った者は動けなくなるほど衰弱する。』という部分を削除した場合、五千ポイント。


 およそ一万ポイント程足りない。


 そういえば、ラノベで通販かなんかの能力でお金入れてたなぁ。

 僕もやってみよ。


 今のポイントは、五百六十ポイント。あれ?なんか増えてる。今はとりあえず放っておこう。


 ポイントを確認した後、図鑑に押し付けられた銀貨は、スルリと図鑑に飲み込まれた。


 マジか!?その設定僕にも有効だった!?


 ポイントを確認すると、五百七十ポイントになっていた。


 十ポイント増えてる。やったね!!

 他にも何か入れられないかなぁ。

 さっきの兎入れてみようか。


 僕は兎を押し当てる。するとまたスルリと飲み込まれた。


 ポイントを確認すると、一ポイント。


 おう……十五ポイントも使ったのに一ポイントになってしまった。

 死にたい。


 でもお金じゃなくてもいいことが分かった。それから手当たり次第に森の中にある薬草や果物、モンスターを植物を入れまくった。どれも1ポイントだった。


 さらにその間に分かったんだけど、マップはある程度力のある生き物なら表示してくれるらしい。害意や敵意が高いものは赤、そうで無いものは白みたいだ。ホーンラビットを十匹以上殺し、ダンゴムシみたいなやつ、大きなネズミ、タヌキっぽいやつらなどをたおした。


 一々編集するの面倒だなぁと考えていると、『編集精神リンク機能を使いますか?千ポイント掛かります。YES or NO』と聞こえたので迷わずYESと答えた。


 なんのせいかわからないけど、千ポイント以上溜まっていたらしく、思うだけで編集できるようになり、YES or NO選択も自動化された。マップ機能との相性が凶悪でモンスターだと分かった瞬間にHPを零にできてしまった。


 気づいたらいい加減夕暮れだったので、持てるもの以外は図鑑に吸収させ、持てるだけの薬草とホーンラビットと果物を持って街へと帰還した。

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