Page20.奴隷商館
結局追手も暗殺者の類も表れずに一夜が明けた。
考えすぎならそれはそれで良いけど、安全地帯を手に入れるまでは安心してはいけない。家、もしくは頑丈な馬車が欲しいところだ。
僕達は準備をして、街の門にある詰所に向かった。朝のせいか出会ったのは二テンプレで済んだ。
「こんにちは。ヘイムさんはいらっしゃいますか?」
「何者だ?隊長に何の用だ?」
「僕はタクミと言います。昨日連れてきた盗賊の報奨金が貰えるということだったので伺いました。」
「そうか。話は聞いている。身分証を出してもらえるか?」
「わかりました。」
僕は詰所前にいる兵士さんに派遣員証を手渡した。
「よし、問題ないだろう。容姿や連れ、服装なども合わせて本人だと確認した。私はバクモンという。宜しくな。」
僕の派遣員証を確認したバクモンさんは、ニカリと笑った。三十過ぎの渋いおじさんって感じの人だ。
「はい、宜しくお願いします。」
お互いに手を差し出して握手を交わした。手が分厚く、ゴツゴツしている。
「隊長はお前が連れてきた連中の件でバタバタとしている。だから私が対応するように言付かっている。それじゃあ付いてきてくれ。」
「分かりました。」
僕は案内に従い、後ろをついて行く。
「ここで待っていてくれ。報酬を持ってくる。ソファに座っていて構わない。」
バクモンさんは一室の扉を開け、そう告げて奥へと歩いて行った。僕が部屋の中に入ると、室内は昨日取り調べもどきを受けた部屋とは違い、しっかりとした応接室だった。
昨日は完全に怪しい奴だったから仕方ないか。
僕は質の良さそうな肌触りのいいソファに腰を下ろす。
「ごめんね。立たせて。」
「大丈夫ですよ。奴隷としてはこれが普通なんですから。」
「だいじょうぶ……。」
二人は僕の後ろに立って待機している形だ。この世界の常識とはいえ、自分以外の人間がいるのに、自分だけ座ってるのも居心地が悪い。
せめて僕達だけの時は気を遣わせないようにしよう。
「ご主人様、この後はどうするんですか?」
ピリカが今後の予定を僕に尋ねる。
「そうだな~、報奨金次第だけど、金額によっては奴隷商館かな。処分間近の奴隷や、曰くありげな奴隷がいるかもしれないからね。」
ない袖は振れないから、報奨金がある程度貰えないと行っても買うことが出来ないし、今日出発するつもりだから、足りなければ稼ぐという手段も取れない。もちろん袋の中を放出すれば補充できるだろうけど、ここで僕達が危険を犯してまで買うつもりはない。あくまで買えそうなら買う、くらいのスタンスだ。
ピリカやハククラスの美少女がいればその限りじゃないけどね。
「ご主人様は優しいですね。」
「いや、優しくはないと思うよ。すんごい可愛い女の子以外は解放しちゃうし、最後まで面倒見るわけじゃないからね。」
そうそう。僕は優しくなんてない。我儘に生きているのみ。処分される奴隷がいる中で一人だけ買うという罪悪感から逃げてるだけ臆病者だ。全員買ったという事実を免罪符にして、自分の好みの子を選んでるだけなんだからね。
「処分間際の奴隷なんて誰も買いませんよ。皆そのまま死ぬに決まってるじゃないですか。」
「ん……。私たちも……ごしゅじんに買われなかったら……死んでた。」
「ですね。だから全員買った上で、中から自分が好きな奴隷だけ連れてっても誰も文句言いませんよ。」
「そんなもんなのかなぁ。」
二人のあまりに実感のこもった言葉に、僕は何もいえなくなってしまった。
――ガチャ
「待たせたな。」
十分ほど二人と雑談していると、バクモンさんが箱と巾着袋、そして書類を持って部屋の中に入ってきた。
「これが今回の報奨金だ。お前が連れてきた盗賊三百四十六人中、二十人が賞金首だった。その中には、かなり被害を出し、てこずらされていた凶悪犯が何人か含まれていたぞ。そのおかげで報奨金はかなり高額となった。こちらを確認して欲しい。白金貨四枚と金貨二十四枚だ。確認してくれ。」
バクモンさんはザックリと内訳を教えてくれた後、箱をパカッと開けてこちらを向けた。箱の中は区分けされており、白金貨四枚と金貨六十四枚がきちんと入っていた。
盗賊狩り美味しいな!!次は確実にアジトのお宝もいただくよ!!
「確認しました。」
「分かった。それじゃあ、この書類にサインしてくれ。後、硬貨はこの袋に入れていくといい。」
僕が問題ないと頷くと、バクモンさんは、受領書と袋を僕の前に差し出した。特に問題なかったので、サインして受領書を返し、硬貨は袋に入れて懐に入れた。
「よし、これで完了だ。それにしても守備隊が捕まえられなかった奴らをよくあんなにも捕まえられたな。そんなに強そうには見えないが。後ろの猫の嬢ちゃんはかなりやるっては分かるが。」
バクモンさんは僕をジッと見つめるも、思い悩むように難しい顔になる。
男に見つめられる趣味はないんだけどなぁ。
「その通りですよ。僕自身は雑魚です。後ろの二人がめちゃくちゃ強いんです。とても助かってますよ。」
「そんなにか。ぜひ手合わせしてみたいが、今は勤務中だしな。機会があれば頼む。」
「それはハク、この猫人族の子次第ですね。僕は奴隷に強制したりするのは好きじゃないので。」
「そりゃ珍しい主人もいたもんだな。ハクとやら、どうだろう?」
バクモンさんはハクの強さに興味を持ったらしく、今回ではないけど手合わせを申し出た。
僕は特に禁止つもりもないから、ハクがやりたいならやればいいと思う。僕じゃ能力値でしかバクモンさんを測れないし。強いかどうか分からない。
「ん……ごしゅじんがいいなら……問題ない……です。」
「そうか。それではその時を楽しみにしておこう。」
珍しくハクもやる気みたいだ。色よい返事にバクモンさんも不敵に笑った。
「それではもう帰っても問題ないですか?」
話が切りよく終わったのでバクモンさんに確認する。早く出発して今日中に国境付近の街に着きたい。
「ああそうだな。引き止めて悪かった。また会おう。」
「はい、失礼します。」
僕達は詰め所を後にした。
僕らが次に向かったのは、報奨金もタップリ貰ったのでピリカと話したように奴隷商館だ。ここでも途中三テンプレを掃除しつつ、商館へと辿り着いた。
「いらっしゃいませ。私は当館の店主オーグナーと言いますぞ。どのようなご用件ですかな?後ろの奴隷を売っていただけるのですかな?うーむ、どちらも素晴らしい商品ですな。それぞれ金貨五百枚で如何ですかな?」
突然まくし立てて来たのは、卵型の体型のシルクハットに燕尾服を着たおじさんだった。顔はパーティセットの鼻眼鏡を掛けたような顔をしている。グイグイ詰め寄って来て顔が近い。僕は顔を引きつらせた。
「こんにちは。タクミと言います。この子達はいくら積まれても売るつもりはないです。今日は戦える奴隷で、十代~二十代の女性を探しにきました。それか曰く付きや訳ありの女性の奴隷でも構いません。それと近々処分される奴隷がいれば見せてください。」
「そうでしたか。分かりましたですぞ。どうぞこちらへ。」
僕がのけぞりながら答えると、露骨に残念そうな顔をした後、切り替えてニコニコと笑って僕達を応接室へと案内した。応接室は広く、数十人入ってもなお余裕がありそうだ。
片側にソファや机などが寄っていることから、ここに奴隷を並べて見ることが多いんだろう。王都で案内された応接室はさほど大きくなかったのは、僕が要求した奴隷が少なかったからかな。
「待たせましたな。」
応接室を観察していると、奴隷商人が屈強そうな男たちとともに、奴隷達を連れて戻ってきた。明らかに生気がある奴隷、もう諦めて生気があまりない奴隷、目を閉じている奴隷に分けられるように見えた。
「若い女の戦闘奴隷が三人と、半年後までに処分される者たち、そしてオススメ出来ない者です、ハイ。」
半年後までに処分される者達は、部屋の奥にそれぞれあまり間隔を開けずに固まっている。やはり年嵩の物が多く、若くても醜いものや、欠損などがある者も何人か含まれている。そのグループから少し開けて、三人の奴隷が並び、最後に一人だけ部屋の手前の一番端の方に並んだ。
「半年後までに処分する人達は特に紹介されなくて大丈夫です。他の四人の説明をお願い出来ますか?」
「わかりましたぞ。」
僕がオーグナーさんにお願いすると、彼は一番右側にいる奴隷から紹介を始めた。
「この者はゴンジー。竜人族ですな。容姿はあまりよくはありませんが、パワーやタフさは天下一品で、基本的に鈍器で相手を殴るのが得意ですな。戦争で捕虜になり、奴隷落ちしましたぞ。戦闘を考えるならオススメですな。竜人族は普通金貨二百枚程ですが、この者は百六十枚とお買い得になっておりますぞ。」
見た目は二メートルを超える身長に、男顔負けの鍛えられた肉体。そして緑色の短髪の弁髪に近い髪型で、顔も非常に男らしい。女性の象徴がこれでもかと主張しているため、辛うじて女と分かるくらいには男らしい奴隷だった。竜人ということで鹿のような角が生え、所々に鱗があり、床に太ももくらいはある尻尾が下されていた。
タンクとしては使えそうだけど、ちょっと圧迫感あるからパスかな~。一緒に居ると凄く気を張ってないといけない気がする。
「次にこの者はティア。雪女族で、見目もなかなか悪くないですぞ。得意なのは種族の通り、氷系統の魔法ですな。セプタプル程度のモンスターなら軽く氷漬けでしょう。家族のために自ら身売りした健気な性格をしていますな。家庭におりましたからな、家事も得意ですぞ。最近入荷したで、見目も能力も高いですから、すぐにでも売れてしまうでしょうな。雪女族は通常百八十枚程度ですが、この者はかなり優秀なので二百十枚となっております。」
水色のボブカットくらいの髪の毛に、パッチリとした二重の青い瞳。愛嬌のある笑みを浮かべていて、どことなく、引け目を感じなくて済む素朴な可愛らしさだった。
正直買ってもいいけど、別に僕が買わなくても誰が買ってくれそうだと思うと、いまいち乗り気になれなかった。高いしね。攻撃手段が魔法っていうのもピリカと被っちゃうし。
「次は、ネリという小人族になります。整った顔立ちをしておりますが、いかんせん小さいので、同じ小人族か、そういう趣味の方に人気がある種族ですな。体が小さく、動きが早いのが特徴で、その動きを活かした短剣術や短槍術が得意ですな。多額の借金をして返せず、奴隷落ちしておりますな。原因はギャンブルですな。小人族は比較的お求め安い金額で百二十枚になりますな。この者は素行があまり良くないので百枚ですな。」
たしかに百二十~百三十センチくらいしか身長がない。確かに可愛いけど、成長期の来てない小学生の低学年を見ているイメージだ。ブラウンカラーのショートヘアーにジト目気味の栗色の瞳を持っている。
斥候という点では魅力的だったんだけど、ギャンブルで破産ってところがな~。ギャンブルでピリカとハクを買った身としては人の事は言えないけど、心惹かれない。
「最後はあまりオススメ出来ない曰く付きの商品になりますぞ。三眼族のトリアという者ですな。見目という点では小さくとも非常に優れておりますが、目が重要視される三眼族の中でも盲目の者です。ただ、見えてないはずにも関わらず、まるで見えてるかのように生活を行うことが出来ますな。しかし、三眼族はその目によって様々な術を使ったり、遠くの者を発見したり出来るので、目が見えないトリアはそういった類の術が使えませんぞ。それが原因で里から売られてますな。さらにこの者に触れた者は、ひどく恐ろしい幻覚に数時間~一日の間、悩まされることになりますぞ。だから買い手が付きませんな。この者も年明けには処分となりますぞ。目が見えて、幻覚もなければ金貨二百五十枚は固いのですが、残念ながらこの者は金貨十枚になりますな。」
確かに百四十センチくらいと小さいけど、見た目は言う通りめちゃくちゃ可愛い。成長期を迎えたけど、発育が乏しく、ものすごくスレンダーになった子という印象だ。赤みがかったダークブラウンの髪を、セミロングくらいまで伸ばし、後ろで結っている。目は三つとも閉じられており、顔の各パーツと頰のラインのバランスがひどく調和がとれていた。
目の色は図鑑によるとワインレッド。目を瞑っていても可愛いが、その三つの目が開いた時の可愛らしさは比じゃない。人の持つ二つの目はほんの少しだけタレ目で、額にある目はアーモンド型をしている。どこか神霊めいた神秘さを孕んでいた。
小人族は女性らしさをあまり感じないけど、三眼族はきちんと女性らしさを持っている。戦力にならないと分かっていても欲しいくらいには可愛い。それにこんな可愛い子を処分されるのは忍びない。
やはり可愛いは正義なんだよな~。
「ご主人様、三眼族の子が気になるのですか?」
僕が悩んでいると、後ろから顔を近づけて小さな声で呟くピリカ。
よくお分かりで。
「そうだね。処分されるのは可愛そうだなと思うくらいには。」
「ん……。あの子はなんだか……好きな匂いがする。」
ハクも反対側の耳に近づき、話題に加わった。なんだか気に入ったらしい。
「ええ。やはり置かれた境遇が似ているので共感しちゃいますね。それに見えないのに普通に生活できるっておかしいです。稀有な力を持っている可能性があります。」
なるほど、確かにピリカの言葉一理ある。だから僕は図鑑を使って視てみることにした。
すると、そこには決め手となる能力が記載されていた。
「すいません、三眼族の子と、半年後までに処分予定人だけ残して下げてもらって大丈夫です。」
「どうして……。」
僕の言葉に雪女の子が漏らした。
「やめるんだな!!」
つい疑問を漏らしてしまった雪女をオーグナーさんは叱責した。
「いえ、大丈夫ですよ。ティアだったかな?何がどうしてなんだろう?」
「自分で言うのもなんですが、この中で私が一番奴隷としての価値があると思います。なのに自分をお選びいただけないのはどうしてでしょうか。」
ティアは自分が選ばれない理由が分からないらしい。困惑気味の表情を浮かべていた。
理由は簡単なんだけどね。
「理由は今君が言った通りさ。」
「というと?」
頭の上に疑問符を並べ、首を傾げている。ピリカとハクがいなければぐらつくくらいには可愛いな。だからこそなんだけどね。
「君が一番価値があるからだよ。他の二人もそうだけどね。価値があるってことはそれだけ需要があるってこと。つまり、僕が買わなくてもいずれ君たち三人は誰かに買われるはずだよ。そして、処分される人達も三眼族の子も、僕が買わないとおそらく遠からず死ぬ。僕はそういう人達を放っておけなくてね。もちろん君が僕の条件に合わなかったという部分もあるよ。君の能力だと、僕のエルフの子と役割が被っちゃうからね。」
「おかしな方ですね。でも、よく分かりました。ありがとうございました。」
「いや、いいよ。」
僕の答えに満足したのか、彼女が礼を言って頭を下げると、戦闘奴隷の三人は屈強な男に連れられて退出した。
本当はもう一つあるけどね、大事なのが。僕にとって三眼族の彼女が一番価値があるっていうね。
残ったのは、三眼族と処分奴隷のみ。
「オーグナーさん、処分する奴隷達は全員でいくらになりますか?」
「そうですな。三十人で金貨二百五十枚でいいですぞ。」
僕がオーグナーさんに値段を聞くと、少し考えた後に答えた。おそらく少し値引いてくれたんだと思う。
「分かりました。先に言っておきます。処分奴隷の人達は僕が購入しますが、奴隷契約せずに開放します。一人につき金貨二枚あげるので開放後はご自由にしてください。おそらく一人でいると危ないので、他の奴隷の人とグループを作って生活するのをお勧めします。」
僕は処分奴隷に向けて宣言する。奴隷達は近くの仲間と何やら話していた。
僕が連れて行くのは可愛い女の子のみさ!
「さて、トリアといったかな。」
「……はい。」
僕がトリアに向けて話しかけると、一度びっ物凄く小さな声で返された。もう少し大きい声で話してくれると助かるんだけど。
「僕は君を買いたいと思うんだけど、いいかな?」
「えっと、わ、私は役立たずなのに、ど、どうして買われるんですか?」
彼女はとても緊張してるみたいで辿々しく僕に訪ねる。
「それは君が可愛いからだよ。」
「な!?」
僕の言ってることに本気で驚いてる彼女。閉じていた目がパッと大きく見開いている。無意識なんだろうな。
凄く可愛い。
「う、うそですよね?」
「ホントだよ。」
半分は。
僕は困惑する彼女に答えた。
「で、でも三眼族なのに目が見えませんし、わ、私に触ると凄く、お、恐ろしい目に遭っちゃいますよ?」
「僕にはそのくらいデメリットにならないよ。」
彼女は慌てるようにして自虐するも僕が反論する。
説明文書き換えれば目は見えるようになるし、恐ろしい目にも遭わないからね。へへっ。
「こ、こんな呪われた体でも良いと?」
「僕にはあまり関係ないからね、呪われていようがいまいが。」
トリアが恐る恐る僕に尋ねた。
説明文書き換えるから呪われてなくなるから関係ないよね。
「さ、三眼族なのに、じゅ、じゅちゅを使えませんよ?」
「それも僕はどうでもいいかな。」
トリアはまた慌てて、時折噛みながら訴えかけてくる。
説明文を書き換えて目が見えるようになれば、術も使えるようになるから関係ないよね。
「そ、そうですか。こ、こんな、私で、よ、よろしいのであれば、ど、どうぞお側に置いてください。」
「もちろん。むしろそんな君が良いよ。」
「ッ!?」
彼女はなぜか顔を赤くして恥ずかしそうに俯いていた。
「ごしゅじん……流石。」
「そうね、訳ありキラーね。ご主人様にかかれば、私たちみたいなのはコロッといっちゃうわね。」
後ろでハクとピリカが何やら呟いている。
「それじゃあ、契約お願いできますか?」
「わかりましたぞ。」
僕はピリカ達と契約した時と同じ作りの部屋に案内され、契約行った。こうしてトリアは僕の奴隷となった。僕達は部屋に戻って精算を行う。
「えーっと、それでは、処分奴隷三十人金貨二百五十枚とトリアが金貨十枚。計二百六十枚ですな。」
「あっと、処分奴隷に金を持たせるので、オーグナーさんにお願いしてもいいですか?一人金貨二枚持たせて欲しいんですけど。もし手間なら手数料取ってもらっていいですよ。」
合計金額を提示するオーグナーさんに僕は解放の際に渡す金貨の件をお願いした。
解放手続きはここでやるんだろうから一緒にやってもらった方がいいよね。
「いえいえとんでもない。今回はうちでも処理に困る者達を買ってもらいましたからな。それくらいやらせてもらいますぞ。」
オーグナーさんから嬉しい言葉を頂きました。ここはお言葉に甘えましょう。そういえば細かいの足りなかったな。
「渡す分の金貨は別にあった方がいいですか?手持ちで金貨百二十枚は無くて。」
「いえ、白金貨三枚と金貨二十枚でお支払いいただいて構いませんですぞ。」
「分かりました。ありがとうございます。これでお願いします。」
良かった。別に六十枚用意してって言われたらギルドで両替しなければならない所だ。僕は礼を言いながら精算を済ませた。その時、処分奴隷達のダメそうなところを図鑑スキルで、消去、修正しておいた。




