表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/40

死にいたる病

 わたしは授業が終わると一目散に家に帰った。スクーターのスピードを法定速度ぎりぎりまで上げて。

 なぜなら早く本を読みたかったから。


 もちろん、紙の本は図書館に行けば読めるし、書店もまだわたしの住む街にもある。

 ただし、わたしたちが読みたい! って思う本は扱っていない。もはや紙の書籍は家具の一種、家に飾られる置物。現代では、インテリアとして購入されている。あとは高名な学者や政治家の自伝だったり、有名な作家がステータスとして、紙の書籍を出版したりするだけだ。


 それ以外の書物や読み物は、すべて電子書籍なのだ。いつからか、そうなったらしい。

 別に不便は感じないからいいのだけど。子どもたちにとっての娯楽である絵本やゲームは、全てVRになっていて、そのほうが楽しいわけだから。

 だから私も、物心ついた時から、紙の本なんてほとんど触ったことがなかった。


 今日、教授がくれた本は、教授の手づくりと言っていた。

 何かすごく重大なことのように思える。教授の思い入れたっぷりの内容なのかもしれない、と思ったりする。


 家に帰り着いてすぐ、わたしはキッチンのテーブルで、その小さな手づくりの本を開いてみた。


 しかし読み始めてすぐ、わたしの期待や高揚感が一気にしぼんでいった。

 何だろう、これ。何が書かれているか、さっぱりわからない……。わたしは途方にくれながら、それでも読み進めていく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ