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表題未定、マドギワ・センセイ  作者: Yaxon
平穏と平温と平音
9/44

家庭(仮定) その1


 


--------------あー、嫌だ嫌だ、大っ嫌いだ----------------








「さて、幹性みきさがさん、やることやるぞ。」


「や……やること? ですか?」


「とぼけるんじゃねーぜ。 仕事が残ってるだろう?」


「い……嫌です! 断固として拒否します! 嫌です嫌です! 働きたくありません!」


 将来が不安になる一言だった。

 あんまりそういうことを言うんじゃない。


「嫌だって言ってもいつかはやらなきゃいけないんだよ。」


 時間経過で問題が解決されることなんてないんだよ、と私は言う。


「くどいようですが僕は何度でも言いますよ。 今日は休日です!」


「休日だって汗水流して働いている奴はいるんだぞ。 もし働かなかったらレギュラーメンバーから降ろすぞ。」


「おっと、脅すんですか?」


「そこまで働きたくないの!?」


「……冗談ですよ、働くのは嫌いじゃありません」


 むしろ好きですかね、と隹さんは言う。

 おー、素晴らしい精神の持ち主だ、素直に同意するし、尊敬できる。


「さて、そろそろ本題に移りましょうか先生せんせい


「あぁ……そうだね、えっとね率直に言ってしまえばこの前の題名の話の続きだよ。」


「ああ、その件は後回しにしようかなって……」


「あ゛あ゛ん゛!?」


「やりますやります! なんか今日の先生怖い!」


 いつもだけど! と隹さんは余計なことを付け加えた。

 ふむ、今度、鏡を見て観察してみる必要があるな。どんなひどい顔をしているか非常に楽しみだ。


「そんなに怖いか?」


「怖いです!」


「じゃあその怖い先生から話がある。いいか、よく聞けよ。」


 と、言って私は話を切り出した。

 半ば強引に、流れを断つように。


「この際だからはっきり言う、幹性さんの作品は完璧だ、非の打ち所がない。 だからと言って天狗になるな、とも言いたいが、この話の焦点は違うぞ。 」


 一呼吸間をおいて話を続ける。


「幹性さんの作品は完璧だ、だがな、タイトルがないんじゃのっぺらぼうも同然なんだぜ。 つまりな、私が言いたいのは、今はタイトルにだけ集中しようということだ。 いいか? でっけぇ目標じゃなくて、まずは手元にある小さな目標を少しずつ解決していけばいい。」


「先生……ごもっともな意見ですがどうして突然こんな話を?」


「いやあさあ、なんか最近、幹性さんが何かに焦ってるように見えてね」


 と言うと、隹さんはビクリとした様子で、おまけに汗までかいていた。


「図星かな?」


「図星というか梅干しというか……」


 訳が分からない。相当混乱しているようだった。 


「あ、あ、あ、焦っているのは本当ですけども、作品の方には若干の余裕があったりなかったり。」


「なんだ、ないのか」


「あるんですね、これが。」


 といって隹さんは、話し始めた。


「なんともう既にタイトルは決めてきたんですね。」


「ふーん、それで? 続けて。」


「では発表します。」


 そういって隹さんは口を開いた。








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