女子トーク
真夜中の学校の保健室。
誰も居ない筈の一室に、とある女が鼻歌を歌いながら、自分の顔を手鏡を使って見ていた。
“ガラガラガラ!!”
と、ココで突然の訪問者。
「邪魔するわよ。」
「あら、花子いらっしゃい♪」
「はぁ『いらっしゃい♪』・・・じゃないわよサキ。アンタ最近人間の彼氏が出来たんでしょ?」
「あら?分かっちゃった♪」
「そりゃ、毎晩のように逢い引きしてたら気づくわ!!二宮がキレてたわよ。」
「あんな頭の固い奴に、どう思われようが知った事では無いわ。」
「頭固いというか、全身固いけどね、石像だし。」
「言っておくけど別れないわよ。彼は私が『私、キレイ?』って聞いたら『キレイです』って言って、『これでもキレイ?』ってマスクを取って聞いたら、べっこう飴の飴細工の指輪を差し出して『結婚しよう』って言ってくれたの。もう私、嬉しくって嬉しくって。」
「・・・頭おかしいんじゃないソイツ?てか結婚するの??」
「いや、彼が未成年だから、まだ付き合ってるだけ♪でも彼が卒業したら、御両親に挨拶に行こうかと思ってるの♪」
「息子の付き合ってる女が口が裂けてたら、両親気絶するわ!!」
「まぁ、失礼しちゃう!!・・・そういうアンタだって恋してるでしょ?」
「な、何をバカな事を!!・・・い、一体、な、何を根拠に。」
「オカッパやめてロングヘアーになってるし、アンタ小学生ぐらいの容姿だったくせに、今はボンキュッボンの大人になって、子供服がはち切れそうになってるじゃない!!」
「べ、別にアイツの事なんて好きじゃないんだからね!!」
「アイツって誰だよ!!」
こうして女達の夜は更けていく。