決戦 -side Y-
今後の展開でかなり重要になってくる誤植が発覚しました(^。^;)
第12話「Minority」の最後のページのマイティの長いセリフの所
「元」の一文字が抜けてたので訂正しました
人通りの少ない夜の道を風を全身に受けながら一人走っていた
神倉は能力の特訓,高島は仲間を探しに
みんなそれぞれの手段で闘っているんだ…
ハンドルを握る手に更に力を込める
いくらか距離を進め交通量の多い大通りを車の横をすり抜け走る
時刻は家路を急ぐ者達で賑わう宵の口
いつもと変わらぬ一日を終えた者達が帰路に着く至って変わりの無い光景
世界はこんなにも変わり無く進んでいく
それがかえって将吾の心を駆り立てる
気がつけばこの前の繁華街の近くまで来ていた
時などの観念から外れたこの眠らない街はまだ人で溢れかえっていた
人通りの多いこの街では単車はかえって邪魔になるので高層ビルの裏に乗り捨てた
呼び込みをするホストクラブの男,道の脇で煙草を吹かす仕事終わりの労働者,金を纏った夜の女…
こんなふうに変わらぬ日常を送れるのがどれだけ幸せな事であろうと思いながら将吾は目的の場所へ向かっていた
ケータイを取り出し地図を確認しながら目的地を探す
その場所は華やぐ中心街から一つそれた筋の薄暗い通りに存在した
地下へ続く階段の上に消えかかりそうなぼやけた灯りのネオン看板が掲げられているだけの建物
まさに顧客以外の一般客は足を踏み入れ難い雰囲気を醸し出すそのバーの入り口に将吾は立っていた
"white night"
…ここか
ほの暗い階段を下り、洋風の木の扉を引いた
薄暗い店内はテーブル席が3つとカウンター席だけの質素な感じだった
客はカウンター席の一人の男を除いて他にはいなかった
「おいガキ、ここはお前みたいなヤツの来る所じゃねえ。かえりな」
50代くらいのマスターらしき人物がカウンター越しにぶっきらぼうに告げた
男の凄みの効いた声に一瞬臆したが言葉を返した
「あ、あの…。人を探してここを訪ねたんですけど…」
「見ての通りここにゃ俺達二人しかいねえ。さ、解ったらさっさと消えな」
マスターは手で追い払う仕草をして軽くあしらった
そうだ、神倉に伝えるよう言われてた事があった
確か…
「元;対能力者特殊部隊第0部隊、炎鬼 マイティ。この人を探してるんだ」
そう告げた瞬間カウンター客の男が少しこちらに気を向けた気がした
そしてマスターは明らかに態度を変え、銃を構え物凄い形相で怒号を飛ばしてきた
「クソガキッ、どこでその名を聞いた!!?」
「おいおいダンカン、そう熱くなるな。ともかく銃、下ろせよ」
今にも発砲しそうなマスターをカウンター客の男が制した
「しかしですよマイティさん、政府の回し者という可能性が…」
カウンターの男が体をこちらに向け、覗き込むようにしてこちらの瞳を見た
男の鋭い眼光に目線を外せずにいた時、男がマスターに言葉を放った
「大丈夫だ、このガキからは強い意志を感じる。政府の回し者なんきじゃねえよ」
「…アンタがそう言うんなら確かでしょうね」
「おう、少年。さっきは怖い思いさせてすまなかったな。俺がお前の探してるマイティだ」
この男が…マイティ
全身から溢れ出んばかりの力
いや、殺気にも近い強力な威圧感
ちょっとでも気を緩めたら押し殺されそうな存在感
こんな男が本当に協力してくれるのか?
「わざわざ一人で俺を訪ねてきたくれーだ、なんか事情でもあるんだろ?聞いてやるよ」
「マイティさん!いくらなんでもそんな事までしなくても」
「そうかてーこと言わなくてもイイじゃねえか。どうせ退屈潰して酒の相手してるだけなんだからよ」
マイティはウォッカのボトルとグラスを手にもつと奥のテーブル席に場所を移した
「おいガキ、何突っ立ってんだ。話聞いてやるよ、こっちこい」
店に足を踏み入れてから一歩も身動きがとれていない事に男に言われて気付いた
そして呼ばれたテーブル席、マイティの向かいに座った
それから全てを話した
能力の事,神倉の能力でマイティを知った事,力を必要としている事…
「ほーう、そういう事か。良し、力になってやろう」
「えっ!?そんな簡単に決めちゃっていいんですか??」
「そうですよマイティさん!あなたご自分の立場というものを理解してらっしゃるのですか!?」
マイティは机に拳を叩きつけ低く唸った
「うるせぇッ!!!戦いにごちゃごちゃ理由なんかいらねぇんだよ。俺の殺しの依頼にケチ付けんのか?え??ダンカンよお」
…もしかして僕、とんでもない相手に協力求めちゃった??
「いえ、とんでもございません………」
「よし。最近血ぃ見てなくて飢えてたんだよ。久々に暴れれっぜ!!」
………絶対キャスティングミスった!!!!!