追跡者
安田将吾はひたすら歓楽街を逃げていた
真昼の街はたくさんの人で賑わい走り抜けるのは到底容易い事ではなかった
20メートルほど後ろから黒いスーツとサングラスに身を包んだ男が将吾を追いかける
人混みを駆け抜ける二人の男を人々は怪訝な顔つきで見送る
―――10分前
将吾は休日のショッピングを楽しむため一人街へ繰り出していた
地下鉄を上がり目当ての店に足を踏み出そうとした時、突然後ろから声をかけられたら
「安田将吾…」
将吾が振り返るとほぼ同時にスーツの男は手に持っていた警棒とおぼしき物を振り下ろしてきた
将吾は反射的にそれを右に転がって交わた
警棒をかすめた地面には鋭利な刃物で切られたかのような切れ目が入った
将吾は男の方に目をやることもなく慌ててその場を駆け出した
―――
クソッ、なんなんだアイツは
走りながら後ろを見ると男との距離はすぐそこまで近づいていた
男の顔には疲れの色が見られず、手には先ほどの武器がしっかりと握られている
そのとき左前方に細い路地の入り口を見つけた
路地に飛び込み、積まれていたダンボール箱を盛大にぶちまけた
振り向くと男との距離は少しばかり離れていた
路地をひたすら走り抜けるうちに行き止まりに面した
「チッ、まずいぞ」
行き止まりの壁を背にし、両手に力を込めた
すると両の手のひらに光が宿りそれを前方にかざした
するとたちまち狭い路地をふさぐように壁が生まれた
そしてもう一度手に力を込めると、自動小銃が生まれた
それを前方の作り出された壁に構える
…どうか見つけないでくれ
その期待も虚しく一つの足音が駆け寄ってきた
将吾は覚悟を決め、小銃を持つ手に力を込めた
目の前の壁は男の武器により無情にもズタズタと崩れ落ちていった
男の姿を確認すると、将吾は男目掛けて小銃を乱射
「うおぉーーーーっ!!!」
男の身体に無数の穴があき仰向けに倒れた
とっくに弾は尽きているにもかかわらず、将吾は小銃を強く握りしめたまま立ち尽くしていた
ふと我を取り戻し男の死体に目をやると将吾はその場から走り出した
謎に次話ももう半分くらい書いてるってゆう(笑)