星の下、証明なき解
掲載日:2026/03/20
ギリシャの丘では
定義が神託のように語られ、
命題は証明の階段を登った。
円は円であることを証し、
無限は静かに整列した。
だが、チグリスのほとりでは
粘土が乾く前に
答えを出さねばならなかった。
「√2 はいくつか?」
と問えば、
彼らは答えた——
1;24,51,10ほど
そこに証明はない。
だが、
そこには橋が架かり、
田畑が測られ、
星が予測された。
ギリシャは「なぜ」を問うた。
バビロンは「いくつか」を問うた。
前者は永遠を見つめ、
後者は来るべき日蝕を待った。
数は真理の影か、
それとも
生き延びるための道具か。
粘土板に刻まれた六十進法は、
誤差を抱きしめながら、
世界を測った。
それは、
証明されぬままに
使われる知恵だった。
√2≒1;24,51,10は、60進法の記法です。バビロニア数学では60進法を使っていました。これを10進法に直すと以下となります。
√2≒1+24/60+51/60^2+10/60^3
≈1.41421296…
より正確な値は、√2≈1.41421356...ですので、小数点以下6桁まで正しいです。




