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空賊との邂逅(2/2)

「俺は一体どれくらい?」

目が覚めた。

薄暗い部屋の中で、ぼんやりと物の輪郭が見える。

「確かここは....思い出した!」

勢いよく立ち上がり、扉を叩く。

「ここのローク提督と話がしたい!!!」

しばらくドアを叩いていると、ドアの鍵が開けられた。

「.........誰だ?」

「君は、オットー博士の弟子のロウ君かね?」

「その声は...!?」

「いかにも、私がローク提督だ」

「何故ここに?」

「帝国の者と聞いてね、気になって見に来たんだ、そしたら私の名前を叫んでてねぇ、居ても立っても居られなくてドアを開けたんだ」

「外にいた者は?」

「今はここにはいない、さぁ、立って私の部屋に来るんだ」

ロウは立ち上がり、薄暗い部屋を出た。




「改めて自己紹介しよう、私がロークフォンナード、ここの提督だ、元提督かな?」

「何故私の名前を知っているのですか?」

「オットー博士とは元々同じ学校でね、彼とは同級生だったよ、それからも度々文通してて、そこでオットー君が言ってたんだよ『弟子が出来た』てね、彼はそんな性格じゃなかったから心底驚いたよ」

「博士はなんと?」

「聞き分けのいい弟子、と君のこと褒めてたよ、でもどうしてここに来たのかい?」

「実は博士は帝国に囚われてしまって」

「.........それは本当に?それまた何故」

「帝国からの命令で、半永久機関の開発を命令されて、その永久機関が大量破壊兵器に転用されることを知った博士と私は、反乱を起こしたのですが、博士は先が短いと言って、私1人で.........」

「..................そうか、何故ここが分かったのかい?帝国だと情報統制されていてこの船の情報もなかっただろうに」

「前に寄港した港町の酒場でおじいさんの手助けをして、その人からここの存在を知りました」

「ふむ、ここに俺がいたから助かったものの、この先どうするんだい?」

「空賊のブラックギアの隠れ家まで行って助けを求めようと思います」

「..................ちょっとこっちに」

ローク提督が立ち上がり、壁際にあった戸棚に向かった。

「そのケースは?」

「銃だよ」

中から銃身と機関部の、2分割されたパーツが出てきた。

細部は磨き上げられ、しっかり整備されているのが遠目からでも分かる。

「二式小銃だ、使い方は分かるな?」

「はい、もちろんです」

「じゃあ使い方の説明は省こう、これを君に授ける」

「確か帝国の第37空挺強襲団の独自装備なはず.........何故ローク提督が?」

「君は研究職だったよね、それなら知ってて当然か、私が元空挺強襲団だったからだよ」

「でも、武器は必ず返却するはずで.........」

「君はこの飛行戦艦の尾翼にあるマークは見たかい?」

「.........もしや戦艦強奪事件の」

ようやくロウは気付いた。

「そう、この船は強奪したものでね」

「でもそれは50年以上前で、戦艦は全て撃滅したと.........」

「まだその嘘を信じていたのか?実際は杜撰ずさんな指示体制と艦隊全体の慢心で、ほとんどが撃沈を免れたよ、当時私は最年少だったが、戦友は皆老衰し、このことを知っているのは私だけになってしまったよ」

「..................」

「だから、最後に君に出会えてよかった、どうか、私の友を救い出して、あの帝国を破滅へと追い込んでくれないか?」

「.........分かりました、必ずあの帝国を破滅へと導きます」

ローク提督は、地図を取り出し机に広げた。

「現在地がここで、ブラックギアの隠れ家はここの天空島の2号山地の尾根にある」

ローク提督は地図を折り畳み、ロウに手渡した。

「君の乗ってきた武装艇は、再塗装してここで使う予定だったが、帝国の船だとバレないように塗装を新しくしてお返ししよう」

「ありがとうございます」

「よしこれで一通りいいかな、君の一時的な部屋を紹介しよう」


2人は執務室から出て、戦艦の居住区に入った。

「ここが部屋だ、自由に使ってくれて構わない」

「分かりました」

「夕食の時間までは自由行動だ、もし何かあったらさっきの執務室まで」

ローク提督は去っていった。

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