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しょまのおまけ  作者: おおらり
二周目
8/44

背くらべ (ほのぼの ウィロロアンリア)


 アズールの家 秋のはじめ


「ウィロー! 見て!」

 アズールの家の居間の壁に、ロアンとリアが並んで立っている。リアはせいいっぱい背伸びをしている。


「私、大きくなったと思わない?」

「全然、小さいですよね?」


 ロアンは呆れている。

 リアはすごく必死な様子でつま先だちだ。

 ウィローはおかしくてしょうがない。が、笑ったら、リアの気分を害するだろうなと思い、目をつむり腕を組み、あごに手を当てて考えている風を装う。


「うーん、確かに少し大きくなったような……そうでもないような……」


 ロアンはとなりに並ぶリアの頭に、背を測るように手を置く。


「リアは小さいですよ。たぶん、他の12歳の子どもより小柄ですよ。私が12歳のころもっともっと大きかったです。そんなに大きくならないタイプなんじゃないですか?」


 リアはロアンにふくれる。


「わからないじゃない! 私、すっごく背が高くなるかもしれないわ ウィローやロアンに負けないくらい伸びるかもしれないでしょ!」

 リアは真っ赤な顔でロアンをにらむ。

「ロアンに勝って、その顔を見下ろしてやるわ!」


「ふふっ」

 ウィローは堪えきれずに笑いだす。

「あはは!」


「なんで笑うの、ウィロー! ウィローにも私、勝つんだから!」


 涙がでるほど笑っているウィローを、(そんなに笑うことか?)と見るロアン。

 顔を真っ赤にして、むきになっているリアの前に、ウィローはわざと膝をつく。下からリアの顔を見上げる。


「期待してるよ、お姫様」


(可愛い可愛い、ぼくのお姫様)

 ウィローは心の中で、そう、付け加える。


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