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しょまのおまけ  作者: おおらり
未分類の話(しょま)
41/46

ルームメイトの余談

ひとつ前の話の余談です。


 ロアン32歳の冬。

 ロアンは学校の職員室で、一冊の本を前に考え込んでいる。

 本のタイトルは『魔王の倒し方』。

 故国コルネオーリの魔術研究者が書いた、魔王アステルを倒すための魔術研究の本である。

(これはアステル様も読んでおいたほうがよい本だろう)

 アステルを倒そうとする者がこの本を参考にするのであれば、読むことは必須だろう。


 しかし、ロアンは悩む。

 淡々とした文章の裏に、著者の魔王への憎しみが滲み出ている。これを読んでしまったら、アステルは傷つくに違いないと感じたのだ。



「え、打倒魔王の魔術研究の本? 発売前に読んだよ」

「発売前に!?」

 おそるおそる話をふったロアンに対し、アステルはけろっとしている。

「ルーキスが持ってきてくれたんだ」

(ルーキスさん、どういう情報網を持っているのだろうか……)


 チラ、とロアンはアステルに目を向ける。

 目が合うと、アステルはニコっと笑った。


「すっっっごく面白かったよ! ぼくの寿命を縮める一助になってくれそう!」

 ロアンはずっこける。

「あと、この本を書いた人はぼくのこと大好きなんだなあって思ったよ。ぼくを倒す方法をずーっと考え続けてくれているんだねえ」


「ぼく、この人に興味がある。会いに行ってみたいよ」

「やめてください! 危ないから」

「えー? そうかなあ。案外、仲間になってくれるかもよ」

 ニコニコしているアステルに、ロアンはため息をつく。

(心配したんですけどね……まあ、アステル様がごきげんなら、いいか)

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