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しょまのおまけ  作者: おおらり
エピローグあたり
30/46

もふもふわんことおやすみ

エピローグで、犬が帰ってきたあとの話です


 アステル113歳(見た目は20歳)、リア115歳


 リアが寝込んでいる冬のこと。

 この年、タフィのコミューンは長く雪が降り積もり、一面、白い雪に覆われていた。

 リアの体調がよくなくて、アステルは気落ちしている。リアの部屋に魔術を張ったあと、寝ようと思って自分の部屋に入ると、ベッドの上の毛布が何枚か折り重なり、ぐしゃぐしゃとしている。そのなかに、まあるくおおきな生き物がいる。

 最近、寒くて、こういうことがままある。


「ルアン」


 アステルが毛布をめくると、大きな愛犬がまるくなっている。アステルをチラッと見たが、毛布をぐしゃぐしゃにしたことが気まずいのか、顔を伏せた。

 紺色の犬は、顔とお腹と足先としっぽの先が白く、紺色の瞳に黒い鼻。三角にピンと立つ耳。全身もふもふもさもさとした長毛に覆われて、大きな尻尾を振っている。


「ひとの寝床にしのびこむなんて悪い犬だなあ」


 アステルは毛並みに沿ってルアンの背中を撫でる。紺色の長い毛は、あたたかく柔らかい。


「きみがぼくに言ったのに。寝床にしのびこむな、って」


 ルアンは、覚えていなさそうな顔だ。

 アステルはルアンのとなりにごろんと横になると、ルアンの首〜背中にかけて、顔をうずめる。

 犬のルアンのにおいがする。


「ひとの寝床にしのびこむと、噛まれたって仕方ないんだ」


 アステルはルアンを噛まないが、優しくそう脅す。ルアンは耳をぱたぱた、とするが、なんのこっちゃ、という様子だ。

 愛犬は眠そうだが、アステルがとなりにきてくれて嬉しそうだ。アステルがあたたかいからかもしれない。


「まあいいか。寒いから、一緒に寝よう」


 アステルはルアンがぐしゃぐしゃにした毛布をなおして、ルアンの上に掛け直す。自分もテキトーに丸くなると、毛布をかける。ルアンの背に手を置く。あったかくて、幸せだ。

(となりのルアンも幸せだと良いな)

 アステルが首を伸ばして確認すると、犬のルアンも幸せそうな顔をして寝ていた。

 アステルは微笑み、目をつむる。


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