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エピソード0 『就職前』

 みなさんごきげんよう。

 俺は19歳ニートだ


 19歳でニートというステータスに疑問を思うかもしれないが…いや思わなかったらそれでいい。

 しかしこれは嘘では無い。

 高校卒業後、大学や専門学校その他の教育機関には行かず、かと言って就職及びバイトすらやっていないのだ正真正銘のニートである。


 そして俺は社交的な方ではない。

 小学生の頃は社交的だったのかもしれないが、年齢が上がるにつれ友達も増え自分から関わりにいく必要がいつしかなくなっていた。

 それからだろうか、誰かが俺に話しかけてくれる、構ってくれる、そう思うようになりいつしか自分から関わることをやめていた。

 そのせいで自分から関わりにいくというのが怖くなった。

 忘れてしまったのだ。


 だが人と関わること自体は好きだ。

 けれど社交的でない奴は人と関わる機会すらないらしい。


 もちろんだ。

 関わろうとしないのだから。


 多分世間的には甘えだろう、仕方ないじゃないか。

 やろうと思えばできるんだ。

 けどその一歩が無理なんだから…


 そういう理由で絶賛ニートだ。やったね


 だがそんなダメな俺にも罪悪感というものがある。

 そう親だ。


 父はいないが母は物心ついた時から俺を育ててくれ、好きなことをやらせてくれた。

 嫌なこともあったがとても感謝している。

 感謝しているのだが俺は何も返せていない、働き口は愚か、恋人、結婚候補の相手すらいない。

 母がこんな俺をどう思っているのかはわからないが、そんな俺のいつも味方でいてくれた。

 俺はその罪悪感から正直焦っていた。


 その優しさが、その何も咎めない慈愛が、俺を焦らせていた。

『働け!』の一言でも言ってくれれば…いや母のせいにしてどうする。

 今この現状は甘え続けた俺のせいだろうが。


(はあ、いっそのこと消えるか、やり直してえなあ)

 そんな現実味を帯びない理想を思う日々。


 二十歳になる前には何か見つけないとな。

 そう思いながら就職サイトを漁っては彷徨い、しかし適当な理由を見つけては就職から逃げていた。

 そういや自己紹介が遅れたが俺の名前は…ってそんなのいいか


 俺はいつも通り就職サイトを見ていた。

 だが今日はいつもと違う。

 一つ気になるものを見つけた。

 見れば見るほど働く気の失せる記事の中で、俺の興味、いや好奇心を引いたのだ。

 そこに書かれていたのは…


 ダンジョン就職者希望 年齢不問 経験不問 給与要相談


 いかにも怪しい、なにかの悪戯か?はたまた神の戯れか。

 興味本位でそのサイトをクリックした、今思えばあからさま詐欺サイトだっただろう。

 しかしそれでも…と思うほどに、自分では気づかない内に余裕が無くなっていたのかもしれない。

 クリックした直後からPCからファンの音がし始めた。

 ゲームならまだしも普通のサイトでは珍しい…。重いのか?それともガタが来たか…早いなまだ1年目なのに。

 と思いつつもそんなこともあるかと割り切っていた。


 だがそんな杞憂もみるみる不安に変わっていった…明らかにおかしい。

 いやファンが回って音が鳴るという事はよくある、だが警告を知らせるエラー音もピロン、ピロンとなり始めた。

 もしやウイルスか?ネット歴10年目になる俺が、1度の好奇心にやられたということか?

 男というものは…全くこまるぜ、なんて冗談も思いつつ落ち着いてまずタブを閉じようとする。

 フリーズしたのか?何度右上のバツ印を押しても反応しない。

 それどころかファンの音はさらに激しさを増し、突然画面が目を開けてられないほど眩しく光出した。

 年中、光の差し込まない部屋で、暗闇に慣れ続けた俺の目がこの光に耐えられるはずない。


 『うわっ!』


 思わず声が漏れる。


 いくらゲーミングPCだからといって光彩機能に力を入れすぎだろ。すぐ様なんとかしようと思ったが目を開けられない。

 そうしている間に視界は眩い光に包まれ思わず目を閉じてしまった。


 一瞬不思議な感覚がした。

 こう何か、体というか意識が吸い込まれるような。


 が気にせず目を開けようとしてみる。

 あれ、開かない。


 あーあれだ寝起きで太陽の光を見た時に近い感覚がする。

 開きたくてもなかなか開かないのだ、ムカムカする。


 数十秒後、ようやく目が慣れ、開いてきた。

 あれ、明るいぞ。

 俺の部屋は年中カーテンを締め切った完全暗室(パーフェクトルーム)なはず…。

 それに地面も石っぽい。

 おいおいさっきの光で目に加えて感覚もおかしくなっちまったのかよ。

 なんて思いながらようやく完全に開けた視界であたりを見渡す。

 俺の部屋じゃない。

 いやまて、さっきまで俺は自室に居たはず…ん?


「########」


 (ん?誰だ?)

 光の衝撃で忘れていたがここで初めて人が周りにいることを確認する。

 何かを言ってるが、さっぱり分からない。


 どうやら俺は、俺の知らないところに飛ばされてしまったらしい。


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