燃えよコーラ!
1
「どうかな?コーヒーやココアと一味違うだろう?」
「まあ、ねェ・・・独特の味だけど・・・ウケるかどうか・・・」
「どうするね?」
「分かった、買おう!」
ここは1886年のアメリカ、ジョージア州アトランタ。
馬車でやってきた医者兼薬剤師のジョン・ペンパートンが、
薬屋の店員アサ・キャンドラー36才に1750ドルで、見本とレシピのメモを売った。
その金額1750ドルはアサの全財産。大きな賭けに出た。
見本は大きいやかんに入っている液体。
買ったのはコーラ(cola)。
レシピはコーラの種子エキスを含んだ飲み物の作り方。
コーラの種子は買い付けできる。
コーヒー豆から抽出するごとく、独特の抽出方法がある。
アサは店主の許可を得て、薬局で「コーラ豆飲料」を商品として売り出した。
しかし見本を飲んでもらっても評判が悪くて売れない。
いろんな香料、糖分を加えるがパッとしない。
2
客の注文でアレンジすることに。
カラミティー・ジェーン
「コーヒーと同じようなものでしょ、砂糖とミルクを」
「よし、ではこれで。・・・どうかな?」
「微妙ね。まずくはないけど美味しくもないわね・・・」
ジョン・ワイン(保安官)
「もちろん酒を加えてくれ、できればワイン!」
「じゃあ・・・作ってみたよ、試してくれ」
「ゴクリ、少なくてわからん。もう一杯くれ!」
「では・・・」渡すとすぐに飲んで。
「ワンモアプリーズ!」
「あなたは飲みたいだけでは?」
ジョッキー・チェン
「ビールをプラスしてくれ」
「どうぞ」
「ふうう・・・酔拳が使える、これで決闘に勝てる、シェイシェイ(多謝)!」
駆け去っていくジョッキー。
「ちょっと、お代を!」
ウーロン・マスク
「もちろん烏龍茶だ」
「お茶にお茶を加えるんですか。まあリクエストとあらば・・・どうぞ」
「これは・・・お互いの良さを打ち消しあっていてまずい、ノットマッチング、
これで宇宙を手に入れようなど考えが「甘~い!」、
お汁粉並に甘い!・・・汁粉を加えては?」
「・・・はい、どうぞ」
「さらにまずい、ありえん組み合わせだ、
でもうまくいかない方法がわかった、とプラス思考で試行し続ける!」
「それはエジソンのセリフでは?」
3
アルコール・カポネ
「ハロウィンじゃないけどハロウ、アサ先生」
「先生と呼ばれるほどの、ろくでなし・・・これはどうも。親分さん」
「どうかね?コーラ茶の売れ行きは?」
「あまり良くないですね。砂糖を加えただけの
加藤、いや加糖茶ではパンチが足りなくて」
「ふむ、アルコールを加えてはどうかな?」
「酒類は思いつく限り、試したんですが、これというのが無くて」
「ふむ・・・ところで紹介したい薬剤師がいる。おい、入ってこい!」
50歳ぐらいの背の低い男が店の入口から来る。目つきが悪い。
「この男はあんたと同じような商売をしてる。コカ茶を売ってるんだ」
「コカ茶・・・原料のコカ豆は、医薬品の鎮静剤で使われてるコカインと同じですよね?」
小男「薄めれば効果は下がって安全だ。濃縮すれば麻薬だが。薬は全部そうだ」
「そうですけど。それはグレーゾーンですよ。私的にはアウトです。
コカ豆を混ぜて売らないかって事なら断りますよ」
カポネ「売れなくて困ってるんだろう?」
「麻薬を売ったら完全にアウトになる。その話は絶対にお断わりします!」
4
アサ
「コーラ茶をヒットさせるには どうすればいいんでしょう?エドガー警視?」
「私は警察の捜査にも協力している・・・秘密だが・・・
ばれると命を狙われるから・・・警視じゃなくてケイシーだ・・・」
ソファでゆったり座ってる自己催眠の男。横に助手。
テーブルをはさんでアサ。
「コーラ茶か。未来のイメージを探そう・・・コーラスター、ペプシ、ライバルが多い、
ヒットしている・・・ガメラが好きな飲み物は・・・甲羅だけに・・・
ウルトラセブンが好きな飲み物は「ジョア!」・・・・」
アサ「ええと、エドガー先生?」
助手「先生は今アカシックレコードを読んでいます。精妙な作業です。
意味がわからなくてもとりあえず聞いてください」
「ThisStreetそのとおり・・・例えて言えば「フルメタルパニック」の千鳥かなめ、
あるいはフィリップ君の「星の本棚」・・・・」
アサ「コーラ茶が売れるようにするにはどうすれば?」
「宇宙刑事!」
「え?」
「宇宙刑事、それしかない!」
「・・・・?」
助手「答えが出ました。リーディングはここまでです。10万円頂きます」
「高すぎないか?」
「先生に質問したい有名人は多くてスケジュールが詰まっていますので」
5
そして5年後。
あいかわらずコーラ茶は売れない。
販売中止をアサは決意。
薬局の来店者に、在庫分を無料で飲んでもらうキャンペーンを始めた。
買わなくてもサービスで渡す。
しかし未練があって、どうすれば売れるか、何と工夫すればいいと思うか、
を来店者にメモを渡して書いてもらうことにした。
しかしこれというアイデアは当然ながら出てこなかった。
1週間後、在庫も残り僅かになった。
すべて酒場に持って行って大盤振る舞いした。
今までの登場キャラ全員とその他が集合で満員。
『民酒党』のバイノムデンと『今日は飲む党』のジョーカー・トランプが酔って、
つかみ合いの喧嘩、それをウォッカ・プーチンが眺めている。
アーノムゾ・シュワルツネッガーとシルモンカー・スタローンが腕相撲。
ジョッキー・チェンとブルー・スリー、サニー・千葉が格闘技談義。
エドガー警視とコニャック刑事。刑事コロン・ボゥにマクレイン。
エマ二エル・ワトソン、ナタリ・ポートウーマン、ルーキー・ボイントン。
シェリー・ラッドにクリスティー・リッチ。
ビール・マーレイ、ジェーン・本田、スカーレット・大原。
ジョン・ワイン保安官
「しかしコーラ茶は無くなるのか。特にうまくはなかったが
なくなるとなると残念な気がするな」
アサ
「そういえばエドガー警視は「宇宙刑事」がヒントって言ってましたけど、
まったく五里霧中、意味不明ですよ。誰か知ってる人いますか?」
アシガイタ・アシモフ
「イライジャ・ベイリの事かな?」
「誰です、それ?」
「僕が書いてる小説の主人公。刑事」
「宇宙とかコーラに関係ありますか?」
「コーラには無いけど」
「・・・・」
カラミティ「本人に聞いてみたら?」
エドガー「私は催眠中に喋ったことはまったく覚えていないから」
「もう一度占ってもらうとか」
助手「ダメです!ブランド価値が下がる行動は!
それにあれ以上は、わからないと思いますよ」
6
そうしてガヤガヤ騒いでいると。
酒場の入口からグレイサイキングが入ってきた。
「「「「・・・・・・」」」」
「あ、サイだ」「サイだな」「サイとしか言いようがない・・・」
2本足で直立して銀色の甲冑を着たサイ。
シルバーサイキングと名付けられそうな堂々とした佇まい。
サイは言った。「犯人はこの中にいる!」
「「「・・・・・・・・」」」
ピタッと時間が止まった。文字通り。意識、思考力は、ある。
「シット(畜生!)」カポネと小男
の体から黒い液体が飛び出す。
しかし液体は多面体のバリヤに囲まれる。
中で激しく動き、憎悪の思考波を喚く。
「浄化!」バシ、と光ると、多面体の中は何も無くなった。
サイ「コカ豆は宇宙植物だ。悪魔派が広めようとしている」
アサ「あの、あなたはもしや宇宙刑事?」思考だけで質問。
サイ「そのようなものだ。ふむ、コーラを売る方法に悩んでいるのか。
似た飲料がある。こういうものに混ぜればいい」
空いた大ジョッキに透明な液体が満たされる。
「水に、二酸化炭素を混ぜて冷やしたものだ。
コーラに合うだろう。ではさらば」
サイの姿が消える。カポネと小男も消失していた。時間が回復。
アサは、その容器から少しコップに取って飲む。
「うまい!二酸化炭素・・・炭酸か。名前をつけるとすると・・・」
アルチュウ・パチーノ
「サイの宇宙人・・・これがホントのアウトサイダー・・・」
(全員すでに酔っ払っている)
アサ「でもアウトは良くない意味もあるから・・・サイダーで!」
「「「オオーッ!」」」全員が納得した声を上げた。