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第98話 大切なものを守るために

「じゃあ!ちょっと社長と話してくる!」


「はい!」


「うちは休憩するわ〜、あっくんも行く?」


「ううん!ディメコネへのメール考える!」


「仕事熱心やなぁ、それじゃまたあとで〜」


「いってら!」


そして、ディメコネに送るメールについて考え出した

どう送ろうか


お菓子コラボしたいです!

違うな


ぜひ御社のVTuber様を弊社のパッケージに!

違う


テンションが上がって考えがまとまらなかった


コラボになったら、また動画とか作れるのかな?

あめちゃんやひまちゃんやこと様を呼んで


ワクワクした


ワクワクしすぎて、スタジオを見たくなった

あのとき、コラボしたときに、のんちゃんたちが話してる光景を思い出したかった


オレは居ても立ってもいられなくなって、立ち上がり、スタジオに向かう

廊下の先の重い金属の扉を開け、スタジオに入った


ここだ、ここでコラボしたんだ

そして、これから、またコラボできる


やった、やった、ついに正式なコラボだ


「やったー!!やったぞー!!」


両手を天に掲げて1人で大騒ぎする

バカみたいだけど、ぜんぜん恥ずかしくない

最高の気分だ!

オレは勝ち取ったんだ!


「ご機嫌だなぁ?おい?シンジーン」


は?


「、、、」


振り返ると、あいつがいた


「企画が通ってご満悦か?」


「、、そうです」


ふぅ、大丈夫だ、オレは負けない


「よかったなぁ?大した企画でもないのに、目新しいってだけで承認されて」


「ありがとうございます」


「あ?余裕じゃねーか」


チンピラかよ、こいつ、気持ち悪い


「なにか御用ですか?」


「用がなきゃ来たら行かんのか?」


「そうですね、磯部さんは私の上司ではないので」


「おい!!生意気いうな!!」


突然の大声だ、身体が固まる

でも、以前ほどは怖くない


「、、ふぅ、、あの、あまり大きな声をだされても困ります

完全にパワハラです」


「あぁ?やっぱり、おまえ人事になんか言ってるんだよなぁ?

席に戻ったら、また人事から呼び出しがかかってたんだよ

おまえだろ!!」


「、、知りません

が、正直、パワハラで訴えたいです」


「あぁ!?舐めた口聞くなよ!!

誰が育ててやったと思ってる!!」


あいつが近づいてきて、胸ぐらを掴まれる


「、、やめてください、パワハラです」


「おまえ!シンジンがよぉ!!」


バタバタと身体を揺らされ、後ろに突き飛ばされた


「いて、、」


さすがに近づかれると、怖くて、抵抗ができない

尻もちをつく


その拍子で、胸ポケットから、ボイスレコーダーがこぼれ落ちた


カチャン、、


「あ?なんだこりゃ?」


「あ!」


オレが拾う前に、あいつにボイスレコーダーをかすめ取られる


「なんだこれは?ボイスレコーダー?

、、、おまえ、パワハラの証拠のつもりか?」


「、、返してください」


地面に手をついたまま、あいつの顔を見上げて、しっかりと要求する

返せ、オレの大事なものだ


「はっ!ふざけるな!これは没収だ!」


「そんな権限!あなたにはないはずだ!」


「うるさい!でかい声だすな!」


おまえだろ!そう言いたかった


「返してください!!」


「うるさいって言ってるだろ!!」


「なにしてるんですか!?」


「あ?」


スタジオの入り口を見ると、課長とのんちゃんが立っていた


「あー、めんどくせーな、またな、シンジン」


「待ってください!!ボイスレコーダー返してください!!」


「ちっ、うるせーな」


「、、磯部さん、その手に持っているもの、新井くんに返してください」


課長はなにが起きていたのか察したようだ

援護してくれる


「ちっ、、、

あー、手が滑ったー」


カチャン


そいつは、何を思ったのか、ボイスレコーダーを手放し地面に落とす


「足も滑るなー!」


そして大きく足を上げて


「やめろ!」


オレはあわてて、ボイスレコーダーに右手を伸ばし、飛び込んだ


なんとか手が届く


しかし


ボキッ


「グッ!!」


オレの手の上にはあいつの足が乗っていた


右手が、小指が、、

めちゃくちゃ痛い


「あっくん!!

あんた何するんや!!

警察!警察呼ぶからな!!」


「ふ!ふざけるな!なにが警察だ!こいつが!こいつが勝手に!」


「い、痛いので、、足をどけてください、、」


「くっ!」


そいつはあわてて足をどける


「新井くん!大丈夫かい!?」


課長がかけよってきてくれた


「痛いです、、めちゃくちゃ、、ふぅ、、」


「これ、折れてるじゃないか!?

Kanonちゃん!救急車!」


「はい!」


「ごめんだけど!警察は勘弁してくれ!会社に影響する!」


「でも!!く!!

あんた!!ただじゃおかんからな!!

覚悟しとき!!

絶対許さへんから!!」


「な、なんだおまえたち、、俺は上司だぞ、、」


「あなたは上司うんぬん以前に人として自分を見直すべきだ!

出ていってください!

この件は人事にも!社長にも話します!」


「なっ!?くそっ、、」


「はやく出てけ!!暴力なんて最低や!!」


「こ、この、、くっ、、」


あいつは、悔しそうに

でも、それ以上なにも言わず出ていった


「すぐに救急車くるからな!あっくん!」


のんちゃんも近づいてきてくれる


「うん、、ふぅー、、まぁ大丈夫だよ、、

ははは、、いてて、、」


「なに笑っとるん!?あー、こんなに腫れて!!」


「だいじょぶ、だいじょぶ、むしろ、いい証拠が出来たし、はは、、」


その後、10分もしたら救急車が到着した


ビルを出ると、敷地内に入ってきた救急車に、社員の何人かがザワザワとこちらを伺っていた

救急車には、課長とのんちゃんも同乗してくれる


同乗者は1人で良かったのだが、あれだけあいつに言い放った後だ

のんちゃん1人を残していくのは不安で、一緒に来てもらうことにした


「はい、はい、磯部部長がうちの新井の手を踏みつけて骨折させました

はい、そうです、はい、間違いありません、私もその場で見ていました」


隣で課長が誰かと話している


「ふぅー、、」


「病院まで10分もかかりませんので、頑張ってください」


痛みをまぎらわすために深呼吸したら、救急隊員の人が声をかけてくれる


「はい、ありがとうございます

ご迷惑をおかけします」


「あっくんはなんも悪くない!」


「あはは、ありがと、怒ってくれて嬉しいよ」


「なんで!なんでこんな!

うち悔しい!」


のんちゃんは目に涙をいっぱい溜めて、訴えてくる


「大丈夫、大丈夫だから、ありがと」

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