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第97話 トラウマの克服、支えてくれる人の存在

「おはようございます!」


「おはよう!今日の発表はいけそうかい!?」


「はい!いけます!やってやりますよ!」


「おお?なんだかいけそうな感じだね?」


「バッチこいです!パワハラには屈しません!」


「おぉー!イイね!その調子だ!

そうだ!新井くんは悪くない!」


「はい!ありがとうございます!」


「ん〜、ホントに大丈夫なん?」


「大丈夫!だと思う!

のんちゃん!」


「なんやぁ?」


「この前はかばってくれてありがとう!」


大きく頭を下げる

そう、オレはまだ のんちゃんに助けられたことについて、お礼を言ってなかった

そんなことに気付けないほど、余裕がなかったのだ


「え?いや、べつにええけど」


「今日は大丈夫だから!」


「そうなん?ならがんばってな?

ウチらも近くにおるし、もし上手くいかなくても大丈夫やから」


「うん!ありがとう!」




そして、会議の時間になる


3回目、いつもの会議室だ

続々と人が集まってくる


まだあいつは来ない

来ても大丈夫だ

いつでもこい

オレは負けないぞ


社長が入ってくる

そういえば、ここ2回の会議で、特に1回目では醜態をさらしてしまった

オレに期待してくれてる人だ

報いたい


そして、やつが入室した

心臓が、バクバク言い出した


「ふぅーー」


長めの深呼吸をする


胸ポケットにはボイスレコーダーがある

あめちゃんのことを思い出す


よし、大丈夫だ

あいつのことは見ないようにしよう

いける、しゃべれる


「それでは、お集まりになったと思いますので始めさせていただきます!

新井くん!頼むよ!」


「はい!

本日は、前回ご指摘いただきました件について説明させていただきます!

まず!

当社の主力製品であるチョコ菓子について!コラボ期間を半年後に仮設定する場合!原価率が変わっているのでは?

という件についてです!

それについては、

取引先に確認したところ!プラス2〜5%ほど上昇する可能性があると連絡がありました!

つまり、販売個数をこちらの数字を想定すると!

コスト面ではこの図に示すようになると考えます!

この図からも!利益率に関して問題ないことがわかります!

また!

2点目のご指摘について説明します!

パッケージの印刷費用ついてです!

こちらについては--」


オレは必死になって、ハキハキと聞き取りやすく、しかし早口にならないように話した


ちゃんと喋れているだろうか?

ちゃんと伝わっているだろうか?


不安に思う気持ちもあったが、誰よりもこの企画のことを熟知している自信があった


それに、オレにはのんちゃんも課長もついている

もし失敗しても、カバーしてくれるだろう


そして、なにより、あめちゃんがいてくれる

失敗しても大好きだって

そう、言ってくれた


オレは無敵だ、無敵なんだ


言い聞かせてしゃべり続けた



「--ということになります!

以上で説明は終わります!

これからは質疑応答に入ります!

何かございましたら、ご指摘の方お願い致します!」


「、、、」


しゃべりきった

そして、会場は静まり返っている


どうだったのだろうか

課長を見る


頷いてくれた

よし、大丈夫だったようだ


「新井くん、発表ありがとう」


社長から声がかけられる


「いえ!恐縮です!」


「素晴らしい説明だった、要点がまとめられていて、しっかりと理解できた

問題ないだろう、この企画、進めていこうと私は考えている

みなはどうだ?」


社長は上層部の方々に確認する

おおむね、好評のようだ


「、、よろしいでしょうか?」


「なにかな?磯部くん」


あいつだ


「こちらの企画、失敗した場合、当社のイメージ低下につながるのではないでしょうか?

VTuberという新しい文化を取り入れるには、まだ歴史が浅すぎるかと思いますが」


「なるほど、キミの言うことはわかる

しかし、うちはすでにキャラクターとして、Kanonをデビューさせている

もう当事者なのだよ

今さら引く気は私はない

キミはまだ反対かな?」


「、、いえ、社長がそうおっしゃるなら、、」


「そうか、他のみなは?」


「、、、」


「無いようだね」


「では、決を取ろう

この企画に賛成の者、挙手を」


社長を含め、ほとんどの人の手が上がる


あいつは、あげていない


「、、、

よろしい、賛成多数で可決だ

新井くん」


「はい!」


「ディメンションコネクト様との交渉はじめてくれ」


「承知しました!ありがとうございます!」


頭を下げる


「ありがとうございます!」

「ありがとうございます!」


横を見るとのんちゃんと課長も立ち上がって頭を下げていた


「やる気のある若者は素晴らしいな

いや、まだまだ私も現役でいたいものだ」


「ははは」


社長の冗談?に、皆さんが笑う


あんま面白くないのに大変だなー愛想笑いも、

なんて考える余裕があった


「それでは、会議は以上で解散とする

企画の承認については、正式に行おう

結木くん、手続きを頼む」


「承知しました!」


こうして、最後の会議は無事終了した


「やったね!」


「はい!」


ある程度人がはけたところで、課長が近づいてきて、ハイタッチを求めてきた


パチン!


もちろんすぐに応じる


「ありがとうございます!」


「こちらこそだよ!」


「やったね!あっくん!」


「うん!ありがとう!」


オレたちが楽しそうにしていると


「、、、」


すぐ近くをあいつが通って立ち止まった


「、、、」


「何か御用ですか?磯部さん」


課長が庇うようにオレの前に出る


「いや、、おつかれさん」


「はい、ありがとうございます」


「、、、ちっ」


あいつはわざと聞こえるように舌打ちして出ていった


「最後までキモいやつやなぁ

なんなん?あいつ?」


「ほんと、なんであんな人が部長になってるのか、私は不思議だよ

そもそもよくわからない承認部門の部長職だし、なんの仕事してるんだか、、

まっ!そんなことより打ち上げしようよ!

打ち上げ!

新井くんのトラウマ克服記念に!」


「あはは、、」


「課長、無神経すぎや」


「お?そうか?そうだね!ごめんごめん!

でも嬉しいのさ!いつもの新井くんの発表が聞けて!

ホントによかったよ!」


「ありがとうございます、ホントに、2人には支えてもらいました、、」


「泣いてるん?あっくん」


「泣いてないやい、、」


「あはは!泣け泣けー!嬉し泣きじゃー!」


オレたちは、しばらく会議室でわいわいと騒いでから、自分たちの職場に戻った

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