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第90話 消えないトラウマと葛藤

「昨日は、本当にすみませんでした、、」


「いや、資料は完璧だったし、しっかりプレゼンできたから大丈夫さ

それにしても突然どうしたんだい?

体調悪いなら今日も休んでもよかったんだよ?」


「いえ、、体調は、、悪く、ありません、、」


「ふむ?」


「言いにくいことなん?」


「、、、」


その通りだ、オレにも一応プライドはある

こんなこと言いたくない

でも、実害が出てしまった今、ダンマリというわけにはいかなかった


「実は、、以前いた部署で、とても、、辛い時期がありまして、、」


「え?そうやったんや、、」


「、、、」


のんちゃんは驚いた顔

課長は神妙な顔だ


「そのときの、、苦手な、上司が、、

久しぶりに顔を見たら、、」


「もう大丈夫、わかったからね」


「はい、、」


オレの口調がおかしくなったのを察して止めてくれる


「んー、そうすると次の会議のとき、どうするか

いや、少し落ち着いたら話そう

一旦、休憩しよっか」


「すみません、、」


「大丈夫、私は新井くんのことを高く評価してるよ

やる気も熱意もあるし、努力してるのも見てきてる

キミがいるからこの部署は周ってるのさ

こんなことで怒ったりしないよ」


「す、すみま、、」


ポロっ

優しい言葉に感動して、逆に涙がでる


「、、、」


課長は黙って立ち上がり、部屋を出ていった


「あっくん、、」


のんちゃんは背中に手を当ててくれている


情けなかった

こんなところで躓くはずじゃなかった


みんなとのコラボはオレが実現するんだって息巻いていた

そのために何度も練習したし、資料も作り込んだんだ


「ダメなやつだな、、」


「そんなことないで、あっくんは頑張ってる

うちも課長も、そんなあっくんを見てるから」


「ありがと、、」


しばらくのんちゃんに励ましてもらって、自席に戻る


これで終わったわけじゃない

会議の議事録を確認する


案の定、上層部から何件か指摘があった

あの会議のとき、オレの頭は真っ白だったから指摘のことをなにも覚えていない

議事録を見ながら、資料を直し始めた



昨日、連絡なかったけど、どうだった?

あらとさんなら余裕だったかな♪


自宅に帰るとひまちゃんから連絡がきていた


「、、、」


うん、まぁまぁ上手くいって、でも、何個か指摘されたから、また改めてプレゼンすることになったよ


嘘だった

上手くいかなかったことをひまちゃんに知られたくなかった


そっかそっか♪

なら、また進捗教えてね⸜( ॑꒳ ॑ )⸝

今月末はまたいつものカフェで会えるし♡


うん、進展あったら教えるね

カフェ楽しみにしてる


そう返信して、ベッドに倒れ込む


「これから、どうしよう、、」


独り言を呟いて、意識が途切れるまで天井を見つめていた



それから数日、課長とのんちゃんはオレに気を使ってくれて、

次の会議の話はしなかった


オレも黙々と資料だけ作る


しかし、会議は待ってくれない

あれから1週間くらい経ってから、課長から次の会議の話が出る


「来週末、2回目のプレゼンがあるけど、新井くん、どうしたい?」


「それは、、」


「もちろん、磯部さんも来る」


「、、、」


自分で発表したい、オレが作った資料だ

オレの企画なんだ

でも、、また、話せなくなってしまったら、、


「私が発表しても結果はそんなに変わらないと思う

だから、私が発表するのは全然構わない

あとは、新井くんの気持ち次第だ」


「、、オレは、やりたいです、、」


「あっくん、でも、、」


「、、やりたい、、ですが、、また、同じことになると、、思います、、」


そう

まだ、あいつの前に出て、いつも通りでいられる自信はなかった


「なら、今回は私がやろう」


「すみません、、」


「ううん、大丈夫さ、それにこれはキミの企画だよ

資料のクオリティも素晴らしい

自信持ってくれ」


「はい、、」


こうして、次の会議は最初から課長に話させることになってしまった


情けない気持ち、悲しい気持ち、悔しい気持ちがぐちゃぐちゃと混ざり合う


「あっくん、大丈夫やから

課長なら上手くやってくれるからなぁ」


「うん、、」


オレは意気消沈したまま、帰宅した

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