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第87話 3人からの告白:甘梨あめだまの場合(後編)

トイレから帰ってきたら、やっとあの体制から解放されるかー

と思っていたら、また足を開かされて間に座られた


「もう緊張してないっすね?」


さらに1時間くらい歌ってから、そんなことを言われる


「んー、まぁ一応?

緊張はしてるし、感動はずっとしてるよ」


特にあめちゃんのオリ曲を聴いたときなんかは鳥肌が立った


「でも、ちゃんと歌えるようになってよかったっす」


たしかに、最初のころは声が震えていたが、今は一応歌えていた


「また一緒に歌いましょ」


「嬉しいけど、いいのかな」


「はい、マイク」


「うん」


問答無用でマイクを渡された


ディメコネの全体曲だ

この前のライブのオープニングで披露された曲だった


「〜♪」


曲がはじまると、オレだけ歌いはじめる


あれ?あめちゃんは?

あめちゃんを見ると振り返ってオレの方を見ていた


?どうしたんだろ?

疑問に思いながら歌い続ける


すると、ゆっくり身体ごとこっちに向き直り、

膝をソファに立ててオレに馬乗りになってきた


「、、、」


オレは歌えなくなる

あめちゃんが前にいてモニターが見えないから、

とかじゃなく、顔が近くてドキドキしすぎてだ


こ、こいつ、なにを、、


「〜♪」


そんなオレの右手を両手で握って、マイクに近づき、オレの目を見てあめちゃんが歌い出した


心臓が爆発しそうだった


少し歌うと、あめちゃんは歌うのをやめてオレにマイクを向けてきた


オレは、なんとか、少し声を出す

すると、またあめちゃんが歌い出す


そんなやりとりを何度かして、最後の方は2人で歌って、曲は終わった


「は、はずかしくないの、、かな?」


「恥ずかしいっす、ドキドキしてます

あらあらパイセンはどうすか?」


「ドキドキしてるっす」


「余裕ありそうですね、チューしますか?」


「、、しません」


「へー、してあげようと思ったのになー」


ぐっ、、ほんとはしたいけど、こんな曖昧な関係ではダメだ

そう思い我慢する


「ちぇー、いくじなしー」


言いながら離れようとするあめちゃん

後ろにはお茶が入ったコップがあった


ぶつかる!


「あめちゃん!あぶない!」


「え?」


グイッ


カタカタ


あめちゃんの肘が当たったコップはギリギリ倒れず

元の体制に戻る


「ふぅ」


「、、大胆っすね」


「え?」


そんなあめちゃんのセリフに今の体制を確認すると

オレはあめちゃんの腰を抱いて自分に引き寄せていた


胸の中にあめちゃんがいる

ばっちりと目が合う

こちらを潤んだ瞳で見つめていた


「、、ちゅー、したいです」


「、、、」


密着状態で言われて、心臓がバクバク言い出した


「い、ま、、は、ダメ、、」


なんとか絞り出す


「、、、ちっ!」


あれ?

さっきまでの真っ赤な可愛いお顔はどこへやら、悪態と舌打ちをついて、また足の間に座り直してしまった


「、、、もうちょっとだったのに、、」


「そんなことないよ?」


あめちゃんの頭を見ながら答える


「はいはい、でもアピールはやめないっすよ」


「、、お手柔らかに、、」


「いやでーす」


クソガキの誘惑攻撃に翻弄されっぱなしのカラオケはさらに1時間続いた

3時間くらいたったあたりで、時間が来て退出の準備をする


「お腹すいたのでご飯いきましょー」


「そうだね、そうしよー」


「ドキドキしましたか?」


「え?うん、正直すごいした」


見栄を張ってもしょうがないと諦めて白状してみる


「そうすか、よかったっす」


特にからかわれることもなく、

あめちゃんは満足気に立ち上がった


彼女が退室する前に扉を開けて受付に向かう


「ご飯どこいこーね」


「んーどうしましょ

とりあえずあのビルへ」


あめちゃんが指を指したのは服屋が集まってるビルだったはずだ

最上階にレストランがあるのかな


「わかったー」


ぎゅ


歩き出そうとしたら今度は手を握られた


「、、腕組みじゃないんだ」


余裕を見せる目的でそう言ってみる


「おっぱい触りたかったっすか?」


「、、いや?」


「帰りは腕組んであげますね♪」


「、、、」


ありがとうございます

心の中でだけお礼を言っておく

本当にそんな目的で行ったわけではないのだが、ありがたいことには変わりないのだ


その後は、あめちゃんが選んだオムライスのお店に入り、ご飯を食べた

そこでオレの服の選び方の話になり、いつもマネキンをそのまま真似してる、と伝える


すると、

「ならわたしが選んであげるっす!」

と息巻いた あめちゃんに連れ回されて、いろんな服を試着することになった


その中で、あめちゃんが特にカッコいいと褒めてくれた服を一式買うことにする

女の子に服を選んでもらうのは新鮮だった

それに、カッコいいなんて言われ慣れてなくて、正直嬉しかった



帰り道


「次のデートでは今日選んだ服着てきてくださいね♡」


「う、うん」


また腕を組まれて、駅に向かって歩いていた


「わたしのこと、好きになりました?」


「ま、前から、好感度は、かなり、高い、です」


しどろもどろになりながら答える


「ふーん?そうすか?ならいいです!

今日はありがとうございました!

すっごく楽しかったっす!」


「うん、オレも」


「わたしはこれからもこんな感じで接するので、気楽に構えててください!

めんどうなことは何も言いません!

でも!最後にはわたしを選んでほしいっす!」


あ、、そっか、、

それを伝えたかったんだ


こと様やひまちゃんと違って、深刻な話し合いは一切なかった

ずっと明るくて、今まで通りで、からかいあって、楽しい時間だった


「それじゃ!」


「うん!またね!」


手を振りながら反対側のホームのエスカレーターにのる あめちゃんを姿が見えなくなるまで見ていた

ギリギリのところでまた手を振ってくれる

オレもぶんぶんと振り返した


帰りながら、今日のことを思い出す

終始楽しくて、追い詰められるようなことはぜんぜん言われなくて、

でも、最後には自分の気持ちを伝えてくれたあめちゃん


今日も、甘えちゃったな

よくないな、でも、楽しかったな

そう反芻し、これからのことを想像する


あめちゃんと付き合えたら、楽しいだろうな


その日は、今日のこと、今週起きたことを繰り返し思い出し

自分の今後の身の振り方について考え続けた

9/13にホロライブさんのLiveイベント「夜明けのうた」に遠征してきました

やっぱり生歌聞きながらペンライト振るのは最高ですね

筆者はわためいとなので、角巻わためさんが参加するライブは可能な限り見に行きたいです

今後のリアルイベントにも期待中

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