第84話 3人からの告白:花咲ひまわりの場合(後編)
「これどーかな!」
「うん!かわいい!」
「こっちは!?」
「それもかわいい!似合ってる!」
「もー!褒めてばっかじゃわかんないよぉー!」
オレはひまちゃんに連れられ、新宿に来ていた
今は、数あるファッション系のビルのうちの1つ、
レディース服ばかりが集まっているビルに来ていた
「でも!本心だから!」
「もー!ちゃんとどっちがいいか決めてってばー!」
「じゃ!じゃあ、ひまちゃんが着てるとこみたい!かも!?」
「うん!いいよ!着てみるね!」
ひまちゃんが選んで見せてくれた2着の試着をリクエストする
2人とも、いつもよりテンション高めで、少し暴走気味であった
それもそのはず、
さっきのチッスが原因だ
手を繋いで電車に乗り、そのままこのビルに来るまでずっと手を繋いでいた
その間、なんやかんやと話はしたが、キスのことは一切口にしていない
ふと、お互い目が合うと恥ずかしくなり、誤魔化すようにテンション高めで会話する
そんな感じが続いていた
ドキドキしながら、更衣室の前で待機する
ひ、ひまちゃんに、キスされちゃった、、
意識すれば意識するほどドキドキする
前、夜の公園でしたのは事故だった
それに、オレは徹夜続きで朦朧としてたし、ひまちゃんからも言及されたなかったから、もしかしたら夢だったのかも、なんて何度も思った
でも、違った
ひまちゃんから、今度は事故じゃないよ?、って、そう言われた
ひまちゃんも覚えてるってことはあれは現実だったんだ
そ、それに、、ファーストキス、、
ひまちゃんの、、
シャ!
ビクッ
勢いよくカーテンが開けられて
「ジャーン!」
ひまちゃんが試着した服を見せてくれる
「おぉぉぉ、かわ、、」
「あはは!ありがと♪」
ひまちゃんは、茶系の膝丈くらいのチェックスカートに、上は濃いめの薄茶のブラウスを着ていた
ブラウスは腕の辺りが広がっているデザインだ
「もう1着も着てみるね!」
「うん!たのしみ!」
「待っててね!」
「うん!」
シャ!とまた勢いよくカーテンが閉められる
ドキドキ、あんなに可愛い子にキスされちゃった、、
『今度は事故じゃないよ?』
せ、セリフの破壊力やばすぎだろ、、
鼻血が出るんじゃないかと思い、鼻を押さえる
シャ!
「ジャン!」
「コッチのひまちゃんの方が好きかも!?」
「そう?えへへ!」
今度は、ワンピース姿のひまちゃんが姿を現した
肩にかけて、胸から下が一体になっているグレーのワンピースに、白のレースのブラウスを合わせている
半袖のブラウスは肩周りがフリフリになっていた
「ならこれが第一候補かなぁー!
次の服屋にいこー!」
「うん!そーしよー!」
ひまちゃんのハイテンションを合わせて次の店に向かう
そのあとも、同じ調子でひまちゃんとウィンドウショッピングを楽しんだ
・
・
・
結局、ひまちゃんはオレが好きって伝えたワンピースと、その後に見つけた髪留めを購入した
どちらも本当に似合ってて可愛かった
まぁ何着ても可愛いんだけど
「ちゅー、ぷはっ、楽しかったね♪」
「うん!楽しかった!」
今はカフェで休憩中だ
「またこんな風になれて、ひま嬉しい!」
「オレも!」
気まずかったこの数日を思うと、奇跡みたいだなって思う
「これからもあらとさんと楽しい時間過ごしたいな♪」
「うん!オレもそう思ってる!」
「えへへ、、
(小声)一歩リードかな」
「ん?」
「な、なんでもない」
ちゅー、とひまちゃんはジュースをストローで飲む
「あのね、あらとさん」
「なぁに?」
「さっきのキス、あれがひまの気持ち、だから」
「う、うん」
公園でのことをついに口にするひまちゃん
赤い顔で、しかし、強い意志を感じる真面目な顔をしていた
「大好きだよ」
「あ、ありがと」
「えへへ、恥ずかしいな」
「うん、、」
「きょ!今日はありがとね!ひまはちゃんと伝えたから!
これからひまに夢中にさせるんだから!
わかった!?」
「う!うん!」
「ひま!負けないんだから!」
そう言って立ち上がって、ぴゃー、っと帰っていった
嵐のような子だ
後ろ姿を眺めながらそう思う
でも、オレを幸せにしてくれる子だ
そう、同時に感じた
オレはしばらくカフェに腰かけたまま、ひまちゃんとの未来を想像していた
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