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第78話 推しのVTuberと急接近

ひまちゃんが歌う準備をしている間、

オレは落ち着かなくてキョロキョロする


ひまちゃんがオレのために今から歌ってくれるんだ、、

えと、ステージとかないけどどこで歌うんだろ

観客席もないし、す、座っておくか


そこまで考えてひとまず膝を折って正座した


まだかなまだかな、どきどき

ひまちゃんの方を見て待機する


「よーし!そろそろいけるよー!

あれ?あらとさん?」


モニター越しにオレを探すが、座っているから見えないようだ


「あ!ここです!」


立ち上がって姿を見せる


「座ってたの?」


「うん、観客が同じ立ち位置にいるのおかしいかなと思って」


「あはは、真面目だなぁ

ん〜、あ!このイス使って!

よいしょ」


ひまちゃんがパソコンデスクに設置されているイスを持ってこようと持ち上げる


「あ!オレが持つよ!」


すぐに駆け寄る


「ありがと♪」


イスを受け取ろうと手を伸ばすと、お互いの顔が近づきドキドキする


「、、、」


「も〜、ひまのこと見過ぎ〜」


「あ!ごめん!イスありがと!」


イスを受け取ったまま固まっているとツッコまれてしまった

まずいまずい

そそくさと元の位置に戻って着席する


「それじゃいくよー!」


「うん!お願いします!」


控えめながらしっかりと聞こえるボリュームでBGMが流れはじめた


そして、たたたっと、オレの前にひまちゃんが走ってくる

右手にはマイクを握っていた


「すぅ、、聞いてください、、

みちしるべ」


心臓がバクバクいっていた

今日のライブで、ひまちゃんが歌ってくれた曲だ


あのときはリスナーみんなに向けて

でも、今は、オレだけのために

彼女が歌ってくれる


「〜♪」


その可愛くて落ち着く歌声が耳に届く

オレは全く動けずに両手を膝の上で握りしめることしかできなかった


ひまちゃんのリスナーになって1年とちょっと、

まさか自分の目の前で推しの彼女が歌ってくれるなんて、

夢にも思ってなかった


1番のサビに入るころ、オレはもう泣いていた


そんなオレを優しい顔でまっすぐ見て歌ってくれるひまちゃん

なんて恵まれた時間なんだろう


ぐすぐすと、なるべく声を出さないように、でも涙は止まらずにひまちゃんを見ていると

終盤、ひまちゃん自身も涙声になってしまった


が、がんばれ、ひまちゃん、もうちょっと、もうちょっとだから


グッと右手を少し上げて、がんばっての気持ちを伝えようとする

それが伝わったのか、ひまちゃんはなんとか最後まで歌いきった


「〜♪

、、、」


パチパチパチパチ!!


オレは立ち上がって拍手をしていた

今も涙は止まらない


「あはは、、ぐすっ、、なきすぎ〜、、ずびっ、、」


「だ、、だっで、、ひまちゃん、、

うう、、ありが、と"う、、」


「ぐすぐす、、ううん、、わたしのほうこそ、ありがと♪

ほら!泣くの禁止!

泣きやみなさい!」


「う、うん」


服の袖でゴシゴシと涙を拭く


「ずずずっ!」

なんとか涙を止めることができた


「あはは、そんなに感動してくれるなんて、すっごく嬉しいな♪」


「お!オレの方がすっごく嬉しい!」

謎の対抗心を出してしまった


「えー!ひまも嬉しいよぉー!」


「オレの方が!」


「ひまもー!」


「いやいや!オレが!」


「むむっ!ひまの方だもん!!」


「、、ぷぷっ」

「、、はは」


「あはははっ!おかしー!もう!どっちでもいいよー!

ふたりとも嬉しいってだけじゃん!」


「そ、そうだよね、あはは!」


2人してしばらく笑い合う


「、、あのね、、あらとさん、、」


「なぁに?」


「ひまね、、あらとさんに、助けてもらってから、ずっと、あらとさんのこと、考えてるんだ、、」


「え、、」


な、なんの話を、、


「あらとさん、言ってくれたよね、、愛してるって、結婚するならひまだって」


「う、うん、、」


「だから、、、だから、ひまも、その気持ちに応えたいなって!

、、思ってて、、」


「それって、、」


「あらとさん、、」


ひまちゃんが赤い顔で近づいてくる


「ひ、ひまちゃん、、」


オレは動けずにいた


「ひまも、、あらとさんのこと、、」


ひまちゃんの顔が、、目の前に、、


「、、、」

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